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休憩が終わると特訓を再開した。
先程のアイスアローとは違い中級の物理防御魔法のショックシールド
シールドを展開したユツキはジョナサンに攻撃を加えてもらう
「これはこれは、よく出来ておりますな」
ジョナサンが言う
「でも、あまり長い間維持が」
一分ほど維持していたシールドだがすぐに揺らぎが生じ壊れてしまった。
「っ…」
シールドが壊れると同時にユツキも尻もちを着いてしまった。
レイザーが駆け寄り怪我がないか確認する
「大丈夫ですよ。ちょっと転んだだけです。」
ユツキは過度に心配するレイザーの手を押し返した。
「一分では相手の攻撃は止まないでしょうな」
「そうですよね…」
ユツキは肩を落とした。
「悲観する必要はありませんよ。一歩づつ進んでいけば良いのです。」
ジョナサンはユツキに手を貸して立ち上がらせるともう一度とシールドを張らせた。
「ショックシールド!」
何度も立て続けに壊されては張り壊されては張りを繰り返していると、とうとう体が持たなくなってきた。
「けほ…ごほっ…」
胸を締めつけられる様な苦しさと頭痛に襲われ地面にへたり込む
ジョナサンが背中をさする
「魔力ギレでは無いようですね。心臓に負担がかかったようです。」
「無理はしないとの約束でしょう」
レイザーに叱られながらベンチへと運ばれる
しばらくベンチの肘掛にもたれかかって体を休めているとルイスがようやく到着した。
「特訓は順調か?」
「随分時間がかかりましたね。アデレイド先生の授業はいかがでしたか?」
「急に授業を受けるようになったと不気味がられた。なにか悪巧みでもしているんじゃないかと思われたぞ」
「日頃の行いですな」
ジョナサンに皮肉られルイスがムッとする
「真面目にやっているが」
「左様でございますねぇ」
ルイスはベンチに座りユツキの様子を窺う
ユツキは息苦しそうに肩を上下させ、目は伏せられている
ルイスはこれ以上負担をかける訳には行かないと声はかけずに見守っていた。
(失せ物の塔に行けばこんな苦しみも無くなるはずだ。)
愛し人の苦しむ姿はもう見たくないと塔への思いを強くする。
薬が効き始めたのか息も穏やかになってきたユツキにルイスがいつもの調子で話しかける
「今日、ここに来る途中でユツキが好きそうなものを買ってきたんだ!」
ルイスはガサゴソと紙袋の中からスノードームを取り出した。
「スノードームですか」
「あぁ、ユツキの名前はジパでは雪に月と書くんだろう?ピッタリだと思ってな!」
スノードームの中にはまん丸のお月様と相合傘をする二人が立っていた。
逆さまにすると雪に見立てた粒とキラキラとした水が降ってくる
「素敵ですね。あ、これライトアップもされるようですよ」
ユツキが魔力を流すとスノードームの中が幻想的にライトアップされた。
「魔道具だったのか。気が付かなかったぞ」
「魔道具の店で買ったのではないのですか?」
「露店で売っていた。色々物色していたのだが一番気にいったのはそれだ。」
ルイスがニカッと笑って答える
「また護衛を付けずにここまでいらっしゃったのですか?」
「そうだが?」
「危険です。殿下はお一人しかいらっしゃらないのですよ」
ユツキに叱られるが屁とも思わない様子のルイスは城下の話を続ける
「春祭りは終わったが、まだ興奮冷めやらぬという感じだぞ。まだ春祭り気分の店も沢山あってな。喫茶店の看板にまだ春祭りの時の飾りが残っていた。」
ルイスがあれやこれやと話するのに叱るのを諦め聞くことにしたユツキは、次第にルイスの面白おかしい話に時を忘れて聞き及んでいた。
先程のアイスアローとは違い中級の物理防御魔法のショックシールド
シールドを展開したユツキはジョナサンに攻撃を加えてもらう
「これはこれは、よく出来ておりますな」
ジョナサンが言う
「でも、あまり長い間維持が」
一分ほど維持していたシールドだがすぐに揺らぎが生じ壊れてしまった。
「っ…」
シールドが壊れると同時にユツキも尻もちを着いてしまった。
レイザーが駆け寄り怪我がないか確認する
「大丈夫ですよ。ちょっと転んだだけです。」
ユツキは過度に心配するレイザーの手を押し返した。
「一分では相手の攻撃は止まないでしょうな」
「そうですよね…」
ユツキは肩を落とした。
「悲観する必要はありませんよ。一歩づつ進んでいけば良いのです。」
ジョナサンはユツキに手を貸して立ち上がらせるともう一度とシールドを張らせた。
「ショックシールド!」
何度も立て続けに壊されては張り壊されては張りを繰り返していると、とうとう体が持たなくなってきた。
「けほ…ごほっ…」
胸を締めつけられる様な苦しさと頭痛に襲われ地面にへたり込む
ジョナサンが背中をさする
「魔力ギレでは無いようですね。心臓に負担がかかったようです。」
「無理はしないとの約束でしょう」
レイザーに叱られながらベンチへと運ばれる
しばらくベンチの肘掛にもたれかかって体を休めているとルイスがようやく到着した。
「特訓は順調か?」
「随分時間がかかりましたね。アデレイド先生の授業はいかがでしたか?」
「急に授業を受けるようになったと不気味がられた。なにか悪巧みでもしているんじゃないかと思われたぞ」
「日頃の行いですな」
ジョナサンに皮肉られルイスがムッとする
「真面目にやっているが」
「左様でございますねぇ」
ルイスはベンチに座りユツキの様子を窺う
ユツキは息苦しそうに肩を上下させ、目は伏せられている
ルイスはこれ以上負担をかける訳には行かないと声はかけずに見守っていた。
(失せ物の塔に行けばこんな苦しみも無くなるはずだ。)
愛し人の苦しむ姿はもう見たくないと塔への思いを強くする。
薬が効き始めたのか息も穏やかになってきたユツキにルイスがいつもの調子で話しかける
「今日、ここに来る途中でユツキが好きそうなものを買ってきたんだ!」
ルイスはガサゴソと紙袋の中からスノードームを取り出した。
「スノードームですか」
「あぁ、ユツキの名前はジパでは雪に月と書くんだろう?ピッタリだと思ってな!」
スノードームの中にはまん丸のお月様と相合傘をする二人が立っていた。
逆さまにすると雪に見立てた粒とキラキラとした水が降ってくる
「素敵ですね。あ、これライトアップもされるようですよ」
ユツキが魔力を流すとスノードームの中が幻想的にライトアップされた。
「魔道具だったのか。気が付かなかったぞ」
「魔道具の店で買ったのではないのですか?」
「露店で売っていた。色々物色していたのだが一番気にいったのはそれだ。」
ルイスがニカッと笑って答える
「また護衛を付けずにここまでいらっしゃったのですか?」
「そうだが?」
「危険です。殿下はお一人しかいらっしゃらないのですよ」
ユツキに叱られるが屁とも思わない様子のルイスは城下の話を続ける
「春祭りは終わったが、まだ興奮冷めやらぬという感じだぞ。まだ春祭り気分の店も沢山あってな。喫茶店の看板にまだ春祭りの時の飾りが残っていた。」
ルイスがあれやこれやと話するのに叱るのを諦め聞くことにしたユツキは、次第にルイスの面白おかしい話に時を忘れて聞き及んでいた。
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