15 / 29
供述(女子生徒)
しおりを挟む
「野分さんのことですよね? 先生に呼ばれた時から、そのことだろうなって思ってました。……いつも通りでいい、ですか? なら、そうさせてもらいます。さやか、でいいですよね? いつもそうやって呼んでたんです」
「多分、新しく教えられることはないと思います。初日に私が先生に話して、先生からそちらに伝わった時とほとんど同じだと思います」
「はい、その日は……特別さやかに変わったところはありませんでした。ただ、告白は一人で行くから、っていう段取りだけは午前中に言われましたね」
──なんで一人で告白しようとしたんだと思う?
「えっ……なんででしょう。やっぱり、恥ずかしかったんじゃないですかね。あと、貌鳥先輩に気を遣ったのかもしれません。ほら、私がついて行くと二対一になるので……先輩としても断りにくくなるじゃないですか。そういう気持ちが、あったんじゃないかって思います」
──落ち着いてるね
「……それは、そうかもしれません。でも、ショックはありますよ。悲しいし、なんであんなことしたのって気持ちもあります。それでも、最悪の事態は免れたわけじゃないですか」
「飛び降りはしたけど、さやかはまだ生きてます。刑事さんがすぐ見つけてくれたおかげですよね。私、すごく感謝してるんです。さやかは、まだ入院したばかりだから仕方ないけど、いつかは目を覚ますんですよね? 生きてますし、五体満足だってテレビのニュースでやってました。……すみません、困らせるつもりで言ったわけじゃないんです。忘れてください」
「昼休みは、一緒にお弁当を食べて、その後にさやかが貌鳥先輩のところに行きました。私は教室の中でスマホをいじってました。暇つぶしになるし、もしさやかから連絡が来たらすぐに分かると思ったからです」
「昼休みが終わる……十分前? ニ十分前? ですかね。刑事さん、多分さやかのLINEの履歴を調べましたよね? そうです。その時間にいったん、さやかからトイレに呼び出されたんです」
「その時点で、ああ、貌鳥先輩には振られたんだなって少しわかってました。それでさやかの所に行って……はい、実験室横のトイレです」
「さやかは泣いてました。窓のところにもたれかかるみたいにして立ってて……。窓? 開いてました。はい、確かです。風が入り込んでたのでよく覚えてます。その時にはもう死ぬつもりだった? ……分からないです。でも、そんな風には見えませんでした。ただ、先輩に振られたのがショックで泣いてるだけにしか見えなかったです」
「さやかは、瞳先輩の名前を出してたので、それが理由で振られたんだと思います。え? 貌鳥先輩は違うって言ってたんですか? ……じゃあ、私の聞き間違いだったのかもしれません。さやかはずっと泣いてましたし、ハンカチを顔に押しつけたまま喋っていたので、声が聞き取りづらかったんです。あと、言ってることも割とめちゃくちゃでした。他には……『そういうのが聞きたいんじゃない』とかも言ってましたね。私にも、ちょっと、ひどいなってことを言ってきました。大変だったね? ええ、まあ……」
「あとは、もう、ここに居続けても仕方がないなって思って、さやかを残して教室に戻りました」
──なんでそんなことしたの?
「うーん……他に何を言っても、さやかを傷つけそうな気がして……。私、さやかのためにできることは何も無いだろうなって何となく思ったんです。それと、さやかももうこれ以上私にいて欲しくないんだろうなって思いました。呼び出したのはさやかだけど、振られたって事実がやっぱり、恥ずかしいし、悔しかったんだと思います。だから、教室に戻りました」
「その後は……もうほとんど言うことも無いと思います。昼休みが終わってもさやかが戻ってこなくて、放課後になっても居ないので、先生に私から連絡を取ってみて欲しいと言われました。もうその頃には飛び降りてたみたいですけど」
「その時に私が送ったLINEも、刑事さんが確認したんですよね? 飛び降りの後に既読になったので、さやかの意識が戻ったのかなって一瞬思ったんですけど……いえ、本当に、困らせたくて言ったわけじゃないんです。ごめんなさい」
──貌鳥くんについて、何か知ってることはある?さやかちゃんが彼とお喋りしてたとか
「いえ、そういうのは無かったと思います。なんていうか、貌鳥先輩のことは芸能人みたいな目で見てたので、実際に話したりとかは無かったんじゃないでしょうか。LINEも友達登録してませんでしたし」
──これで最後になるけど、して欲しいこととかはある?
「して欲しいこと? あ、警察の方にってことですか? そしたら……さやかが目を覚ましたらすぐに教えて欲しいですね。それ以外で? ……じゃあ、もし貌鳥先輩がさやかにひどいことを言ったとか、そういうのが原因なら、ちゃんと貌鳥先輩に謝って欲しいです。いえ、私じゃなくて、さやかが目を覚ましたらって意味で。……いいえ、こちらこそありがとうございました。また何かあれば、いつでも聞いてください」
「多分、新しく教えられることはないと思います。初日に私が先生に話して、先生からそちらに伝わった時とほとんど同じだと思います」
「はい、その日は……特別さやかに変わったところはありませんでした。ただ、告白は一人で行くから、っていう段取りだけは午前中に言われましたね」
──なんで一人で告白しようとしたんだと思う?
「えっ……なんででしょう。やっぱり、恥ずかしかったんじゃないですかね。あと、貌鳥先輩に気を遣ったのかもしれません。ほら、私がついて行くと二対一になるので……先輩としても断りにくくなるじゃないですか。そういう気持ちが、あったんじゃないかって思います」
──落ち着いてるね
「……それは、そうかもしれません。でも、ショックはありますよ。悲しいし、なんであんなことしたのって気持ちもあります。それでも、最悪の事態は免れたわけじゃないですか」
「飛び降りはしたけど、さやかはまだ生きてます。刑事さんがすぐ見つけてくれたおかげですよね。私、すごく感謝してるんです。さやかは、まだ入院したばかりだから仕方ないけど、いつかは目を覚ますんですよね? 生きてますし、五体満足だってテレビのニュースでやってました。……すみません、困らせるつもりで言ったわけじゃないんです。忘れてください」
「昼休みは、一緒にお弁当を食べて、その後にさやかが貌鳥先輩のところに行きました。私は教室の中でスマホをいじってました。暇つぶしになるし、もしさやかから連絡が来たらすぐに分かると思ったからです」
「昼休みが終わる……十分前? ニ十分前? ですかね。刑事さん、多分さやかのLINEの履歴を調べましたよね? そうです。その時間にいったん、さやかからトイレに呼び出されたんです」
「その時点で、ああ、貌鳥先輩には振られたんだなって少しわかってました。それでさやかの所に行って……はい、実験室横のトイレです」
「さやかは泣いてました。窓のところにもたれかかるみたいにして立ってて……。窓? 開いてました。はい、確かです。風が入り込んでたのでよく覚えてます。その時にはもう死ぬつもりだった? ……分からないです。でも、そんな風には見えませんでした。ただ、先輩に振られたのがショックで泣いてるだけにしか見えなかったです」
「さやかは、瞳先輩の名前を出してたので、それが理由で振られたんだと思います。え? 貌鳥先輩は違うって言ってたんですか? ……じゃあ、私の聞き間違いだったのかもしれません。さやかはずっと泣いてましたし、ハンカチを顔に押しつけたまま喋っていたので、声が聞き取りづらかったんです。あと、言ってることも割とめちゃくちゃでした。他には……『そういうのが聞きたいんじゃない』とかも言ってましたね。私にも、ちょっと、ひどいなってことを言ってきました。大変だったね? ええ、まあ……」
「あとは、もう、ここに居続けても仕方がないなって思って、さやかを残して教室に戻りました」
──なんでそんなことしたの?
「うーん……他に何を言っても、さやかを傷つけそうな気がして……。私、さやかのためにできることは何も無いだろうなって何となく思ったんです。それと、さやかももうこれ以上私にいて欲しくないんだろうなって思いました。呼び出したのはさやかだけど、振られたって事実がやっぱり、恥ずかしいし、悔しかったんだと思います。だから、教室に戻りました」
「その後は……もうほとんど言うことも無いと思います。昼休みが終わってもさやかが戻ってこなくて、放課後になっても居ないので、先生に私から連絡を取ってみて欲しいと言われました。もうその頃には飛び降りてたみたいですけど」
「その時に私が送ったLINEも、刑事さんが確認したんですよね? 飛び降りの後に既読になったので、さやかの意識が戻ったのかなって一瞬思ったんですけど……いえ、本当に、困らせたくて言ったわけじゃないんです。ごめんなさい」
──貌鳥くんについて、何か知ってることはある?さやかちゃんが彼とお喋りしてたとか
「いえ、そういうのは無かったと思います。なんていうか、貌鳥先輩のことは芸能人みたいな目で見てたので、実際に話したりとかは無かったんじゃないでしょうか。LINEも友達登録してませんでしたし」
──これで最後になるけど、して欲しいこととかはある?
「して欲しいこと? あ、警察の方にってことですか? そしたら……さやかが目を覚ましたらすぐに教えて欲しいですね。それ以外で? ……じゃあ、もし貌鳥先輩がさやかにひどいことを言ったとか、そういうのが原因なら、ちゃんと貌鳥先輩に謝って欲しいです。いえ、私じゃなくて、さやかが目を覚ましたらって意味で。……いいえ、こちらこそありがとうございました。また何かあれば、いつでも聞いてください」
0
あなたにおすすめの小説
白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように
柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」
笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。
夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。
幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。
王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。
人生の全てを捨てた王太子妃
八つ刻
恋愛
突然王太子妃になれと告げられてから三年あまりが過ぎた。
傍目からは“幸せな王太子妃”に見える私。
だけど本当は・・・
受け入れているけど、受け入れられない王太子妃と彼女を取り巻く人々の話。
※※※幸せな話とは言い難いです※※※
タグをよく見て読んでください。ハッピーエンドが好みの方(一方通行の愛が駄目な方も)はブラウザバックをお勧めします。
※本編六話+番外編六話の全十二話。
※番外編の王太子視点はヤンデレ注意報が発令されています。
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜
丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。
与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。
専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、
失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。
そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、
セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。
「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」
彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、
彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。
嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、
広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、
独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。
栄養と愛情を取り戻したセレナは、
誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、
社交界で注目される存在となる。
一方、セレナを失った伯爵家は、
彼女の能力なしでは立ち行かず、
ゆっくりと没落していくのだった――。
虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる