ピロトークを聴きながら

相沢蒼依

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2月の大事なイベント!!!

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 今日2月23日は俺の恋人、涼一の誕生日!
(作者はすっかり忘れていたけども(´-∀-`;))

 昨年の俺の誕生日には、愛情のこもったカレーをプレゼントしてくれたので、涼一の誕生日には勿論、俺が描いた絵をプレゼント!

 大切な恋人の誕生日だからこそ、祝う気持ちを表現すべく、派手に仕上げてやるのは当然。

 涼一の可愛らしさを出すのに苦労したけど、今までの中で一番、可愛く描けたと胸を張れるぞ。d(-_☆) グッ!!

 時刻は23日午前0時ちょうど――隣で寝ている涼一には悪いが、ここはお祝いすべく起こしてやる(・∀・)

「涼一起きろ、涼一っ!」

 ゆさゆさと体を揺さぶってみると、片目を擦りながら、ゆっくりと起き上がった。

「う……ん、何なの郁也さん?」

 ここのところの締め切りの追い込みで、脱稿を終えた涼一は早めに寝付いていたのだが、疲れがやっぱ溜まっているんだろうな。

「誕生日おめでとう!」

 不機嫌な声に負けないように、元気いっぱいに告げると、あ……と言いながら口元を押さえた。

 ベッドヘッドの電気をつけて、スケッチブックを手渡す。



「こ、これはまた……何といって言いのやら。僕がなめらかプリンから飛び出しているとか?」

「ああ。他にも苺が好きなトコも、ウサギが好きなトコも、ぜーんぶ取り入れてやったぞ!」

「……またひとつ年をとりましたって、切ないような……でも心のこもった絵、すっごく嬉しいよ。ありがとね、郁也さん」

 手渡したスケッチブックを、ぎゅっと胸に抱きしめて、柔らかく微笑んでくれる涼一。そんな顔されると、ムダに照れてしまう(〃∇〃) てれっ☆

「おぅよ! 涼一のためなら何でもしてやるし。朝ご飯はシチューだぞ、たくさん食べてくれよな」

 カレーを作った涼一に対抗して、俺はシチューにしたのだ。

「わざわざ作ってくれたんだ、嬉しいな」

「なめらかチーズ風味に挑戦してみた。なかなかいけるから、楽しみにしてくれ。あとな」

「うん?」

「お前の誕生日をこうやって一緒にお祝い出来て、すっげぇ嬉しい。改めておめでとう涼一」

 俺の言葉に、大きな瞳がゆらりと揺らめいた。ちょっとだけ俯いてから、胸に抱きしめていたスケッチブックを脇に避けて、俺に抱きついてくれる。

「僕も……こうやって郁也さんに、心からお祝いされて、すっごく嬉しすぎて、うまく言葉が出てこないや」

 肩を震わせて、ぎゅっとしがみついた体を、優しく撫でさすってやった。いつもならスラスラと、何でも言葉にしてくれるのに珍しいな。

「郁也さん……」

「何だ?」

 やっと顔を上げた涼一。白目が赤くなっている。

「来年も、その次も一緒に誕生日を過ごそうね」

「ああ、勿論。そのつもりだ」

 滲んできた涙をすくうべく、目尻にちゅっとキスを落とした。

 涼一の生まれた日は、俺にとっても記念日――だからずっと一緒に祝っていこう。

 ベッドに押し倒して、そのことを耳元で告げると、力いっぱい俺を抱きしめ返してくれて。それがまるで答えのようで、すっげぇ嬉しかった。

 その後、甘く甘く夜を過ごしたふたりなのでした。
 
 めでたし×2(´∀`)
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