ドS上司の意外な一面

相沢蒼依

文字の大きさ
61 / 83
嬉しハズカシ新婚生活

ただいまから始まる!?②

しおりを挟む
***

「しばらくは新婚生活を二人きりで楽しみたいって言ってたのに、どういう風の吹き回しですか? あの種発言」

 ひとしきり私に熱いキスをしてから、サクっと核心に迫る正仁さん。頭の思考が停止寸前になるのを見越して使うこの手口に、いつも本音が出ちゃうんだよね。

「うんと、今日見た隆之助くんが可愛かったのもあるし。何より、蓮さんが母親してる姿に憧れちゃいました」

 思い出しながらうっとりしていると、明らかに不機嫌な表情を浮かべる。

「今日会社帰りに偶然、今川夫妻と会いましたが、憧れる要素なんて全然なかったと思いますが?」

「でも隆之助くん、可愛かったでしょ?」

「所詮は人のコです、普通でしょう」

 ザックリとした返答に、二の句が告げられなかった。もしかして、子供が嫌いなんだろうか。

「どうして固まっているんです? 人のコはどうでもいいですが、自分の子供なら別ですよ」

「正仁さん――」

 私を見つめる慈愛の眼差しに、その言葉が本当なんだなと思った。

「君に似て可愛い子供なら、何人でも欲しいです」

「私は正仁さん似の、綺麗な女の子が欲しいです。一緒に買物に行きたいから」

「俺に似たら、性格がネジ曲がりますよ」

 笑いながら右頬に優しく、キスを落としてくれた。

「大丈夫です、だって私と正仁さんのコなんだから。きっと可愛くて、いいコに育ちます」

 そっと正仁さんの首に、自分の腕を絡めてみた。切れ長の目が私を捕らえる。見つめられるだけで、どうして未だにドキドキするんだろう。気持ちがどんどん煽られていく。

「まだキスしかしていないというのに。そんな顔をされると直ぐにでも、挿れたくなります」

「正仁さんが会社であんなコトしたり、今だって喋りながら、ちゃっかり私の感じる部分、しっかり触っているじゃないですか」

 さりげなく絶妙な指使いで、私の体をまさぐっていてイヤじゃないのに、つい苦情が口をついて出てしまう。

「感じてる顔を、いっぱい見たいです。それだけで俺は――」

 両手で私の頬をしっかりとホールドしたと思ったら、息が止まるような激しいキス――そしてキスの合間に漏れ聞こえてきた台詞。

「それだけ俺は……君の全てに欲情します」

 そして右の首筋を滑るように、唇が下りていく。同時に着ているパーカーのチャックが、ゆっくりと静かに下ろされた。胸元に伸びてきた手に、一瞬ビクッとなる。

「ん? 随分フリルの付いたブラですね。もしかして、初めてお目にかかる代物ですか」

「はい、思いきって買っちゃいました」

「ということは――」

 片側の口角を上げながら実に楽しそうに、履いている短パンにそっと手をかけてきた。ススッと下ろして、まじまじと確認する正仁さんに照れるしかない。

「へぇヒモですか。随分セクシーな下着をつけてますね」

「紐なのは横だけで、あとは普通ですからっ」

「でも脱がしやすいですよね、これ。ヒモを解いたら大事な部分が、あっという間に露わになりますよ」

 いきなり紐の先端を口でくわえて、さっさと解こうとする。その時に息が足の付け根にあたって、ムズムズすること、この上ないワケで――

 正仁さんは手で外さず、いつも口を使って外すのは、絶対確信犯だと思う。吐息ひとつで、こんなに私を乱すんだから。

「待って下さい。まだ上が脱げていないのに、下から脱ぐなんて」

「脱がしやすいのを付けて、誘っているのはどこの誰ですか? あっさり片方が解けてしまいましたよ」

「……」

 左の腰骨を人差し指で、ゆるゆると撫でる。その指先が脇腹を通り左胸に到着。

「きちんと上から責めていけば、解いていいんですよね?」

「なっ!?」

「だって上から脱いでいくって、そういうことでしょう? それとも今日、会社でしたみたいに外さないでも出来ますが、どっちがいいですか?」

 その言葉に、夕方の出来事をぼんやりと思い出す。

 触れて欲しい肝心なトコに一切触られなくて、かなり焦らされつつ、そのせいで普段感じないところが、いつもより敏感になって身悶えてしまった。

 思い出しただけで、乱れた自分に赤面してしまう。視線をさ迷わせて、必死にそれを誤魔化してみた。

「へえ、わざとらしく困ったフリをして焦らすんですか。俺自身が、こんなになっているのにも関わらず」

 強引に私の右手首を掴むと、正仁さんの下半身にあてがう。手の平に伝わるそれは、いつもより大きくて熱くて、トクントクンと脈をうっていた。

「そんなっ! 焦らしたつもりは、全然なかったんですよ」

「君がこんな下着をつけて待っていたなら、家に帰った瞬間から押し倒せば良かったです。ほらしっかり握って下さい。君だけのなんですよ」

 言いながら私をぎゅっと抱き締めて、器用にブラを外した。

「んっ……」

 左胸に顔を寄せ、敏感な部分を舌で転がすように、執拗に責めたてられてしまい――その時に正仁さんの前髪が首にかかるせいで、すごくくすぐったくて。まるで猫じゃらしで、遊ばれていた時みたい。

 くすぐったさを何とかしようと空いてる手で、そっと前髪を持ち上げてみた。上目遣いをした正仁さんが、形のいい唇で頂をくわえたまま見る。

「前髪が……その、くすぐったくて」

「なんだ。てっきり責めているトコを見るためだと思ったのに、残念です」

 息も絶え絶え訴えたのに、分かってくれないし――つれなくなって、私が正仁さんの下半身から手を離したら、左手で両手首を掴まれ、がっちりと頭上に固定されてしまった。

「ダメですよ。何で勝手に離すんです?」

 空いている右手で自分の前髪の束を掴むと、私の左脇で左右に動かしながら、くすぐってきた。

「っ……やだっ、それ反則!」

 体をよじらせようとしても、正仁さんの体がぴったりと乗っかっているため、逃げることが出来ない。しかもくすぐられながら、吐息もかかるので変に感じてしまって。

「じゃあ、どこならいいんですか?」

 左脇からスルスルッと、胸の輪郭をなぞられてしまうだけで、気がおかしくなりそう。

「あん、も……ぅ、やめ――」

「止めては、もっとでしょう。もっと、どこを触って欲しいんです?」

(――しまった! 二人の取り決めで止めては、もっとに変換されるんだった)

 焦る私を余所に悪戯っぽく笑いながら、片方だけ脱がされた下着の中に、いそいそと手をもっていく。

「いつもの半分も責めていないのに、スゴいことになってますね。ほらココも、こんなに隆起してます」

「んんっ!」

 隆起してる部分をイヤらしく音を立てて、指の腹でゆっくりと刺激した。その指使いだけで、どうにかなりそう――

「夕日を浴びて身悶えてた君の姿もイイですが、月明かりだと尚更、色っぽさが増しますね。とてもキレイです」

 そう言って優しくキスをしてくれる。小鳥がついばむようなキスを、何度も私の唇にしてくれて。気がついたら、のしかかっていた体は退けられ、自分から激しく腰を振っていた。

「も、イキそ、ぅ……っ」

「いいですよ、キてください」

 声にならない声でイった瞬間に大きくて熱いモノが、私の中に突如侵入してきた。イった後だというのに、ビリビリした痺れるような快感が、体全体に伝わっていく。

「くっ! スゴい締め付けを感じます。どこかにもっていかれそうだ」

 口調は余裕そうなのに、表情はとても辛そう。私自身もイった直後なのに、正仁さんの強弱をつけた律動に、どんどん体の高まりをみせ始めていた。

「こんなことなら、会社でヌいておけば良かったです。君がこんなサプライズをするから、余計に感じてる」

「正仁さん、だって……あぁんっ、人が入ってきてもおかしくないような……トコで、あんなことをして。どうして、いいか分からなく……っ、なりました。あっ――」

 グルンと後ろ向きにされ四つん這いになった所に、深く深く正仁さん自身が私の感じるトコを、ガンガン責め立ててきた。両手で敏感な部分を揉みしだかれながら、首の付け根に唇を寄せられる。

 次の瞬間、その部分に鈍い痛みが走った。それだけじゃなく、身体を突き抜けそうな激しい律動に、もう耐えられなくなりそう。

「まっ、正仁さん、もぅ」

「俺も気持ち良すぎて……ダメです。くっ――」

「ああっ、んんっ!」

 私の中で弾ける正仁さん自身に、スゴく感じてイってしまった。途端に足の力が抜けて、ベッドの上に脱力すると、同じく脱力した正仁さんが、私の上にのしかかる。

「ひとみに――イカされてしまいました」

 掠れた声を、わざわざ耳元で告げられても困ってしまう。赤面したまま、横を向くしかない。

「君にあんな風に激しく腰を振られたら、もつモノが持たないですよ。まあ気持ち良かったですけど」

「あれ? いつの間に下着が脱げていたんだろ」

 恥ずかしかったので、何とか話を変えようと呟いてみたのに。

「君が俺の指でイキそうになった時に、勝手に脱げました。あれだけ腰を振れば、ねぇ」

 私の顔を覗き込みながら、わざとらしく意味深に微笑んできた。

「でも二回戦は俺も頑張りますよ。体位は君の好きな、後ろ向きがいいですかね。仏壇返しや窓の月あたりにしようかな」

 聞いたことがない名前を、綺麗な口からポンポン出す。一体どんな体位なのやら――

「やっぱり最後は、抱き地蔵で閉めたいですね。君のイク顔を、じっくりと見たいですし」

「えっと明日の仕事に支障をきたす恐れがあるので、今夜はこの辺でお開きにしませんか?」

 たじたじしながら提案してみたら、ふるふると首を横に振った。いつもの片側の口角が上がった笑みで微笑む。

「子供、欲しいんですよね?」

「うっ」

「久しぶりにこんなに乱れた、ひとみは珍しいんですから。もしかするともしかしますよ」

「乱れ――」

「だから念には念です。しっかり種を注入しないとですね」

 引きつった私の顔とは対照的に、爽やかな笑顔の正仁さん。こんな笑顔をされたなら、断れないのは常なワケで。結局、二回戦はあえなく始まったのは言うまでもない。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈

玖羽 望月
恋愛
朝木 与織子(あさぎ よりこ) 22歳 大学を卒業し、やっと憧れの都会での生活が始まった!と思いきや、突然降って湧いたお見合い話。 でも、これはただのお見合いではないらしい。 初出はエブリスタ様にて。 また番外編を追加する予定です。 シリーズ作品「恋をするのに理由はいらない」公開中です。 表紙は、「かんたん表紙メーカー」様https://sscard.monokakitools.net/covermaker.htmlで作成しました。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

ワケあり上司とヒミツの共有

咲良緋芽
恋愛
部署も違う、顔見知りでもない。 でも、社内で有名な津田部長。 ハンサム&クールな出で立ちが、 女子社員のハートを鷲掴みにしている。 接点なんて、何もない。 社内の廊下で、2、3度すれ違った位。 だから、 私が津田部長のヒミツを知ったのは、 偶然。 社内の誰も気が付いていないヒミツを 私は知ってしまった。 「どどど、どうしよう……!!」 私、美園江奈は、このヒミツを守れるの…?

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

譲れない秘密の溺愛

恋文春奈
恋愛
憧れの的、国宝級にイケメンな一条社長と秘密で付き合っている 社内一人気の氷室先輩が急接近!? 憧れの二人に愛される美波だけど… 「美波…今日充電させて」 「俺だけに愛されて」 一条 朝陽 完全無欠なイケメン×鈴木 美波 無自覚隠れ美女

イケメン副社長のターゲットは私!?~彼と秘密のルームシェア~

美和優希
恋愛
木下紗和は、務めていた会社を解雇されてから、再就職先が見つからずにいる。 貯蓄も底をつく中、兄の社宅に転がり込んでいたものの、頼りにしていた兄が突然転勤になり住む場所も失ってしまう。 そんな時、大手お菓子メーカーの副社長に救いの手を差しのべられた。 紗和は、副社長の秘書として働けることになったのだ。 そして不安一杯の中、提供された新しい住まいはなんと、副社長の自宅で……!? 突然始まった秘密のルームシェア。 日頃は優しくて紳士的なのに、時々意地悪にからかってくる副社長に気づいたときには惹かれていて──。 初回公開・完結*2017.12.21(他サイト) アルファポリスでの公開日*2020.02.16 *表紙画像は写真AC(かずなり777様)のフリー素材を使わせていただいてます。

数合わせから始まる俺様の独占欲

日矩 凛太郎
恋愛
アラサーで仕事一筋、恋愛経験ほぼゼロの浅見結(あさみゆい)。 見た目は地味で控えめ、社内では「婚期遅れのお局」と陰口を叩かれながらも、仕事だけは誰にも負けないと自負していた。 そんな彼女が、ある日突然「合コンに来てよ!」と同僚の女性たちに誘われる。 正直乗り気ではなかったが、数合わせのためと割り切って参加することに。 しかし、その場で出会ったのは、俺様気質で圧倒的な存在感を放つイケメン男性。 彼は浅見をただの数合わせとしてではなく、特別な存在として猛烈にアプローチしてくる。 仕事と恋愛、どちらも慣れていない彼女が、戸惑いながらも少しずつ心を開いていく様子を描いた、アラサー女子のリアルな恋愛模様と成長の物語。

その卵焼き俺にも食わせろ!―ワンナイトラブから逃げたはずなのに、契約で縛られてました!?―

鷹槻れん
恋愛
新沼 晴永(にいぬま はるなが/36)は俺様上司として恐れられる鬼課長。 そんな彼に毎日のように振り回されるのが、犬猿の仲(だと彼女が勝手に思っている)部下の小笹 瑠璃香(こざさ るりか/28)だ。 飲み会の夜、酔ってふにゃふにゃになった瑠璃香を晴永がまんまと持ち帰り――翌朝待っていたのはワンナイトの証拠と契約結婚の書類!? 晴永には逃げようとする瑠璃香を逃がすつもりはないらしい!? 笑いと誤解と契約の、ドタバタラブコメディ! ○表紙絵は市瀬雪さんに依頼しました♥(作品シェア以外での無断転載など固くお断りします)

処理中です...