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番外編
文藝冬秋編集長 伊達誠一6
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「伊達編集長、あのですね」
雲母編集長がなにかを言いかけたと同時に、がこんっという大きな音と振動が体に伝わった。エレベーターが大きく揺れたせいで、彼女の体が横にぐらついたのを見、強引に抱き寄せる。
「大丈夫か?」
「ひゃあぁあっ!」
顔を真っ赤にしたまま、首を横に振りまくる元気な姿で、雲母編集長が大丈夫なことがわかった。そしてすぐに音の原因にもなった、天井を仰ぎみる。閉じ込められている箱が大きく揺れただけで、上下することもなく、最初と同じ位置をキープしている感じだった。
(おかしな話だな。雲母編集長に迫られたときは、あれだけ身の危険を感じたのに、エレベーターの故障についてのほうが、冷静に対応できるなんて)
「なるほど、理解した」
天井から、胸に抱きしめる彼女に視線を移す。相変わらず目を大きく見開き、おもしろいくらいに顔を赤らめて、体を小さく震わせる姿に吹き出しそうになった。
俺に抱きつくなんて大胆なことをしたから、てっきり男を誘うことに慣れていると思いきや、この様子は真逆とみた。というか俺を追いかけるために、ずっと勉強漬けだったせいで、そんな暇はなかっただろう。
「やれやれ。こんなふうに一途に追いかけられたら、無下に断れないじゃないか。ねぇ雲母編集長?」
くすくす笑いながら問いかけているのに、俺に抱きしめられる衝撃で、それどころじゃない彼女の耳には届いていないらしい。
好きになるかどうかは別として、雲母編集長とお付き合いしてみるのもいいかと、軽い気持ちで今回の話に乗っかってみることにしたのだった。
♡次回から雲母編集長目線がはじまります。伊達編集長に抱きしめられただけで、頭がショートしてしまう雲母編集長と、そんな彼女の扱いを理解したと言いきった伊達編集長のゴーイングマイウエィすぎる言動が、果たして恋のスパイスになるのでしょうか?
雲母編集長がなにかを言いかけたと同時に、がこんっという大きな音と振動が体に伝わった。エレベーターが大きく揺れたせいで、彼女の体が横にぐらついたのを見、強引に抱き寄せる。
「大丈夫か?」
「ひゃあぁあっ!」
顔を真っ赤にしたまま、首を横に振りまくる元気な姿で、雲母編集長が大丈夫なことがわかった。そしてすぐに音の原因にもなった、天井を仰ぎみる。閉じ込められている箱が大きく揺れただけで、上下することもなく、最初と同じ位置をキープしている感じだった。
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「なるほど、理解した」
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「やれやれ。こんなふうに一途に追いかけられたら、無下に断れないじゃないか。ねぇ雲母編集長?」
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