純愛カタルシス💞純愛クライシス

相沢蒼依

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番外編

自立するために4

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***

 お昼休み、学くんからライン経由で連絡があった。

『今日、仕事が終わったら会える?』

 確か学くんは泊まりの仕事が入っていたハズなのに、どうしたんだろうと思いながら返信する。

(残業せずに帰ることができると思うから会えるけど、学くんは泊まりの仕事じゃなかったっけ?)

 ポチポチ打ち込んで送信したら、すぐさま返事が返ってきた。

『本日付けで文藝冬秋のカメラマンを辞める事になると思う。詳しいことは逢ったときに話すから!』

 カメラマンを辞めるという不穏な文字に、副編集長さんに慌てて電話してしまった。

「もしもし、美羽です。お久しぶりです」

『もしも~し、多分電話してくるんじゃないかと思っていたのよ!』

 スマホから聞こえてくる副編集長さんの背後のざわめきで、編集部にいることがわかった。

「あの、学くんが仕事を辞めると言ってるんですけど、本当なんですか? なにか、すごい失敗をしちゃったのかと思って心配で」

『あら、まだ当人と話をしていないのに、心の中では決まったみたいね。ちょっとは決断力がついたってところかしら』

「当人?」

 聞き慣れない言葉をオウム返しすると、副編集長さんは小さく笑った。

『白鳥の父親のことよ。ちょっとばかりいろいろあったの。詳しいことは、白鳥に直接聞いてちょうだい。部外者の私からは、なにも言えないことだから』

「わかりました……」

『美羽ちゃん、話を聞くまでは落ち着かないだろうけど、最後までしっかりアイツの決意を聞いて、ねぎらってあげてちょうだいね』

 穏やかな声で語られる副編集長さんの言葉に、了承する返事をしたら、電話があっさりと切られてしまった。

 学くんの退職にお父さんのこと――なんとなく予想はついたけど、本人からちゃんとした話を聞くまでは、余計なことを考えないようにした。



 そして仕事が終わり、待ち合わせ場所になる学くんの住むアパート近くにある公園のベンチに向かった。目に映る夕日がいい感じに傾いていて、肌に伝わる空気も冷えつつある。もうすぐ暗くなっていくのを、五感からひしひしと感じ取った。

 公園に入ると、外灯が辺りを照らし出したおかげで、花壇の花がライトアップされる。不安を拭い去るそれを見ながら歩を進めていくうちに、待ち合わせしているベンチに座っている人物に、視線が引き寄せられた。

 おでこを出す形で短くカットされた髪形が、目鼻立ちのハッキリした面持ちを引き立てているだけでも目を奪われるのに、手足の長さを強調するスーツが体にフィットしていて、まるで紳士服のモデルのような――。

「学、くん?」

 駆け寄って話しかけたいのに、足が竦んでしまう。知らない男の人のような容姿に、不安にならないほうがおかしい。
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