仕事猫ニャゴロー

どてかぼちゃ

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第40話 吾輩は仕事に追われているのである

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 前回の続き。

 {ギャアァァァァァァァァァァァァァァァ―――――――――ンッ}

 「フギャァァァァァ―――――――――ッ!」

 けたたましい電動のこぎりの音で目覚めた我輩。
 既に業者が作業を始めたようだ。
 って事はもう朝?

 慌てて辺りを見回すも、糞ババァの姿はどこにもない。
 どうやら我輩を放っておいて出かけたらしい。
 なんとも愛の無い……。

 腹いせに近くの段ボール箱をビリビリにしてやる。
 すると中からフカフカの柔らかい布が。

 それらはみたいな形を成している。
 実に不思議な造形物だな。
 素晴らしい刺繍を見るに、どこか名のある人間国宝が作った芸術品か?
 取りあえず敬意をこめ、全部引きずり出した後に愛ある放尿をしてやった。
 ※ブラジャー

 それでは気持ちも晴れた事だし、早速仕事に取り掛かろう。
 状況を見るに、2階はほぼ完全に作業が終わっている模様。
 お手伝いの為、業者の居る1階へ。

 先ずはリビング。
 これはクロスを張り替える為の準備?
 
 「ウニャニャッ!」

 壁に張られたボードへ爪を立てると、なんとも面白い様に削れるではないか?
 爪も研げて一石二鳥である。
 片っ端からガリガリと……

 「あっ! おやっさん! 猫が石膏ボード引っ掻いてる!」

 「うおっ! この悪戯猫めっ! 捕まえてやる!」

 物凄いオーバーアクションで喜びを示す業者が我輩を追いかけてくる。
 お礼でも言いたいのだろうがそれには及ばない。
 
 途中にあったボンド、コーキング、シンナー、塗料などと書かれた缶やチューブを次々ひっくり返したり踏みつけて作業場を移動。

 「あぁっ!? あんの猫めぇーっ!」

 「お、おやっさん……ハァハァ、あの猫まるでこぼれるもの分かってるみたいな……ハァハァ……動きをしてましたよ?」

 「ああ、以前近所のバイク屋の主人と話したことがある。ハチクロ柄の猫には気をつけろってな」

 「まんまその模様でしたぜおやっさん!」

 「俺達だけこんな目に遭うのは悔しいからよ、他の業者にも被害が出るよう、このことは黙っておけよ!」

 「へ……へい」
 (なんと小せぇ親方だ)

 そんな大喜びの二人を後に、作業場を移動する我輩であった。


 まだまだ仕事はこれからですねぇ。
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