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第62話 吾輩は老人介護も仕事の内である
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今日の仕事は老人慰問である。
この商店街にも高齢化の波が押し寄せて、老人の数が若者を上回り始めた。
しかも一人暮らしが多くなっているとの事。
以前もニャン吉が盗みに入った家で、孤独死をしている老人を発見したそうだ。
まあ、彼には関係ない事なので、逆に家探しが捗ったと大喜びしていたが……。
そもそも一人暮らしの老人が喋り相手を求めて商店街へ足を運ぶのは分かる。
理解できないのは雄雌ペアで生活している二人組。
一緒に暮らしてはいるものの、普段はあまり会話をしないようなのだ。
そのくせ店番をしている他人の年寄りへはマジンガンのように言葉を発射する。
我輩にとって、人間と言う生き物がどうにも理解し難い。
などと考えながら歩いていると駄菓子屋に到着。
表にある木の長椅子に座るジジイ二人組を早速発見。
茶色の四角い板を挟んで座り、互いがソレを睨みつけている。
ショーワという前の世代がプンプン薫るレトロなそのスタイル。
一体何をしているのだろうか?
互いに腕を組んで睨み合うその板面(盤面)に我輩は興味津々。
もう少し近くで見ようと二人の間へ。
ところがここで習性スキルが発動。
ボードのど真ん中につい座ってしまった。
{ジャララ……}
同時に上へ並べてあった小さな木を全て弾き出す。
よし、いい感じに収まったな。
余裕も出て、散らばった小さな木片に目を向ける我輩。
一枚一枚に何か文字らしきものが書いてあるのだが、達筆なため全く読めない。
何語だ?
すると今度は地震なのか、全体が小刻みに震えはじめた。
こんな時は人間の顔を見れば直ぐに答えがでる。
我輩は前に座る老人に向かって、ゆっくりと顔を上げると……
「こ、この糞猫……毎回毎回将棋盤の真ん中に座りやがって……」
言葉が難しすぎて、どうにも聞き取れない。
それでもジジイがワナワナ震るっているのだけは見て分かった。
発作でも出たのだろうか?
ならば薬を……早く薬を飲まさせないと!
しかしここには水が無い。
それならばと、我輩スクッと立ち上がり、そのままジャァーーーーっと放尿。
「こ、こんのボケ猫があぁぁぁぁぁぁぁ――――――――っ!」
この商店街近辺の老人たちは健康寿命が非常に長いらしい。
普段から運動を欠かさず行っているそうなのだ。
それに猫達が一役かっているとかいないとか。
今日もどこかで猫を追いかける老人の姿が……。
この商店街にも高齢化の波が押し寄せて、老人の数が若者を上回り始めた。
しかも一人暮らしが多くなっているとの事。
以前もニャン吉が盗みに入った家で、孤独死をしている老人を発見したそうだ。
まあ、彼には関係ない事なので、逆に家探しが捗ったと大喜びしていたが……。
そもそも一人暮らしの老人が喋り相手を求めて商店街へ足を運ぶのは分かる。
理解できないのは雄雌ペアで生活している二人組。
一緒に暮らしてはいるものの、普段はあまり会話をしないようなのだ。
そのくせ店番をしている他人の年寄りへはマジンガンのように言葉を発射する。
我輩にとって、人間と言う生き物がどうにも理解し難い。
などと考えながら歩いていると駄菓子屋に到着。
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互いに腕を組んで睨み合うその板面(盤面)に我輩は興味津々。
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ところがここで習性スキルが発動。
ボードのど真ん中につい座ってしまった。
{ジャララ……}
同時に上へ並べてあった小さな木を全て弾き出す。
よし、いい感じに収まったな。
余裕も出て、散らばった小さな木片に目を向ける我輩。
一枚一枚に何か文字らしきものが書いてあるのだが、達筆なため全く読めない。
何語だ?
すると今度は地震なのか、全体が小刻みに震えはじめた。
こんな時は人間の顔を見れば直ぐに答えがでる。
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「こ、この糞猫……毎回毎回将棋盤の真ん中に座りやがって……」
言葉が難しすぎて、どうにも聞き取れない。
それでもジジイがワナワナ震るっているのだけは見て分かった。
発作でも出たのだろうか?
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それならばと、我輩スクッと立ち上がり、そのままジャァーーーーっと放尿。
「こ、こんのボケ猫があぁぁぁぁぁぁぁ――――――――っ!」
この商店街近辺の老人たちは健康寿命が非常に長いらしい。
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