仕事猫ニャゴロー

どてかぼちゃ

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第65話 吾輩は格差社会にモノ申したいのである!

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 巷では猛烈に稼ぐ猫がいるらしい。
 どこぞの駅長や、ふてくされてるだけでCⅯの仕事が舞い込むとか。
 そんなもの偶々の偶然に過ぎない。

 確かに我輩は駅長が出来るほど一か所でじっとしていられない。
 ふて猫のように、撮影やイベントなど、多数の人間と接する事に慣れていないし。

 だが敢えて言おう!
 我輩どんな猫より凛々しいと!
 いや、可愛らしいと!
 ハチワレの中のハチワレだと!

 これ程までに熱く語るのには訳がある。
 ハッキリ言って羨ましいのだ!
 嫉妬しているのだ!
 我輩もチヤホヤされたいのだ!

 毎日肉体労働をしていても、たかが知れているスズメの涙ほどに少ない稼ぎ。
 まぁ、サイドビジネス的なモノで諭吉をかすめ取ってはいるのだが……。

 ここでふと、人間の世界を考えてみる。
 どんな仕事なのか知らないが、三河家の御長女は相当稼いでいるように感じる。

 高級な獣の皮で作られた複数のカバンに得体の知れない怪しい臭いの液体。
 極めつけは輝く金属に透明感のある石ころがついた装飾品の数々!
 それらは高度な技術を用いて加工された、言わば職人の血と汗と涙の結晶!
 とても貧乏人が手に入れられる代物ではないと断言できる!

 こんなものは駄菓子屋のババァがしているのを見た事が無い。
 いや、持っていないのだろう。
 ってか、買えないんじゃ?
 肉体労働に近い小売店経営では、やはり限界があるのだろうか?

 強いて言うならば、それを手にできる可能性があるのは魚屋ぐらいか?
 いつも体のあちらこちらに鱗をつけて、光がそれに反射するとまぁキレイだ。
 魚の目玉をえぐり出して金属につければ、猫目石より美しいのではないのか?
 
 しかしそれ等はイミテーションの類に入り、本物は遥か彼方。
 そう考えると、やはり人間の世界でも格差はあるのか。

 少し話が逸れてしまったが、つまりはこうだ。
 我輩が言いたいのは、体より頭を使えと!
 体力の限界で倒れる事はあっても、思考能力の酷使で入院する事はないだろう。
 疲れで寝込むことぐらいはありそうだがな。

 それでも我輩の様な労働者も必要な世の中。
 なるべく……いや、できれば富の公平な分配を願いたい。

  
 そんな我輩に、偶には高級蟹パーティでも開いてくれないかな。
 特にバイク屋のゴミ虫よ。
 何時も手伝ってやるんだから、その対価として時々は我輩を労ってくれたまえ。
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