仕事猫ニャゴロー

どてかぼちゃ

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第107話 吾輩は復習の鬼となるのである ①

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 最近なにかと荒れている公園。
 今回の仕事もここの警備である。

 勿論従業員のニャー吉も同行しての巡回だ。
 大ピンチの時に生贄は必要だろう?
 
 「ニギャッ!」

 ニャー吉が早速賊を捉えた模様。
 前足で押さえつけられた小さな生物。
 これはカナヘビではないか?
 危険度ゼロの彼を逃がしてやるため、ニャー吉の前足をトントンと……

 「グニャッ!」

 シカッとした痛みが我輩の右前足を襲う!
 ヤツめ、噛みおった!
 別に牙がある訳でもないが、顎の力はそれなりにあるらしい。
 
 卑怯者のヤツは我輩にダメージを与えると、尻尾を落として逃げて行った。
 親切心が仇になった!

 すこし違和感があるものの、たいしたダメージはない。
 それはヤツが小さいから。
 あれが我輩の倍以上あったとしたら……考えただけでもぞっとする。

 「ニャ?」

 またしても何かを捕獲したニャー吉。
 緑色で細長い……昆虫?
 我輩も興味本位で前足を出すと……

 「グニャッ!」

 噛まれた!
 いや、挟まれた?
 よく見るとコヤツ、両手がカマになっているではないか?
 
 「ニャニャ―ン! ウニャニャニャッ!」

 ガッチリ挟まれてとても痛い!
 なのにニャー吉の態度はなんだ!?
 バカにした感じで笑いおってからに!

 苦痛に耐えかねて前足をブンブン振り回す!
 そうこうしているうちに離れて何処かへ飛んで行った。
 にしてもこの公園はデンジャラスだな。

 「ニャーン!」

 またしても我輩を呼ぶニャー吉。
 今度はコスモスと呼ばれる花の群生した畑。
 美的感覚が無いはずのニャー吉なのに、クンクンと花の香りを嗅いでいる。
 
 キサマにその良さが分かるのか?
 我輩が今から手本を見せてやる!

 ニャー吉の近くへ移動。
 彼の嗅いでいる花を横から同じようにクンクンと……

 {サクッ!}
 「グニャッ!」

 突然鼻先に電流が流れる!
 痛いっ!

 そこには危険カラーの象徴でもある黄色と黒のお腹をした浮遊生物が!
 しきりに我輩の鼻先でカクカク腰を振るコヤツはミツバチか?
 いや、凶悪な足長バチだ!
 となれば針は無尽蔵にあるはず!

 両前足を使い鼻の上からヤツを叩き落した。
 結構なダメージを与えるも、飛んでどこかへ行ってしまった。
 この時我輩も左前脚も刺されたようでジンジンする。
 悔しいが痛み分けということで。
 言わずもがな鼻の頭はピエロ。

 「ウニャッニャッ!」

 ムム?
 なんと我輩を見てニャー吉のヤツが隣で笑い転げているではないか?
 もしやキサマ!

 先程からおかしいと思ったのだ!
 しかしキサマのしたことがこの後に後悔を呼ぶハメとなるだろう。
 フフフ、覚悟しておくのだな。


 こうして警備は更に続く。

 ―― つづく ――
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