仕事猫ニャゴロー

どてかぼちゃ

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第148話 吾輩は職務放棄などしてないのである①

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 暫く仕事以外の面で色々忙しかった我輩。
 今日はキチンと営業をする事にした。
 飛込ではなく、ルート営業ってヤツを。
 
 先ずは駄菓子屋へ。
 ここは家から一番近い。
 ゴミ虫バイク店が距離としては最も近いのだが、あれは別枠である。
 
 店へと到着、早速中の様子を伺う我輩。 
 しかし店主不在。
 チャ~ンス!

 とりあえず棚の上にある小さなガムやチョコレートへネコパンチ!
 全部を床に落として一面をお菓子の海へ。
 我輩の働きによって近所の子供たちは大喜びとなるであろう。

 注:平日の午前中なので店に来るような子供はいません。

 お!
 これはなんだ?
 凄くいい匂いがするぞ?

 見た目牛乳やジュースなどの入っている冷蔵ストッカー。
 不思議とガラス一面が汗をかいている。
 しかも中には白くてまあるいモノが?
 もしや匂いの発生元はアレか?

 しかしどうやって開ければいいのだろう?
 我輩一匹でこの城を攻略するのは無理だな。
 仲間に手伝って貰おう。

 陽も上ってポカポカしている今なら公園のベンチで転がっているだろう猫達。
 ダッシュで応援を呼びに行く!

 
 ― 1時間後 ―

 ニャー吉とニャン太郎を捕まえた。
 二匹を連れて現場へ駆けつけると未だに店主不在。
 まだまだボーナスステージのようである。

 それと床も綺麗になっていた。
 てことは子供たちがお菓子を拾っていったのだろう。
 我輩に感謝するのだぞ人間の子よ!

 とと、今はそれどころではないな。
 先ずは難攻不落のコイツを攻略せねばなるまいて。

 既にここへ来る途中で彼等に作戦は伝えてある。
 最初にニャー吉が二本足で立ち前足をそのストッカーに当てて体を支える。
 次にニャン太郎が彼の肩へ二本足で立ち、同じような体勢となる。
 そして最後に我輩が二匹の背中を登って扉を開けるのだ。
 う~ん完璧!

 そして実行へ。
 身軽の二匹は言われた通りのポジション確保。
 そして我輩もミッションチャレンジ!

 成功だ!
 最初のみ力がいったものの、あとは慣性で。

 その時!
 開いたガラス扉についた汗がポタポタっと下へ!
 何粒かがニャー吉とニャン太郎の背中にヒット!

 「ニギャアァァァァァァッ!」×2匹
 (あついあっつーいっ!)

 叫び声をあげながら散るニャン吉とニャン太郎!
 一体何がどうなった!?

 待てキサマら!
 今階段であるキサマらがいなくなれば……
 あぁっ!?
 
 「ニギャアァァァァァァァァァァァァァァァッ!」
 (あっちいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!)

 咄嗟にケース内の棚を掴むも、肉球から湯気が!
 あまりの熱さで大パニック!

 {ガッシャーン! ガランガラン!}

 そして棚ごと抜け出て全てが一緒くたに床へ!
 三段ほどあったが、ジタバタもがくうちに全部をぶちまけた!

 「なんだい今の音は? あっ! 肉まんが! ……お、お前が犯人だったのか三毛猫! さっきのガムやチョコといい、今日という今日は許さんからなっ!」

 大ピンチ!
 店主がいるではないか!
 このままでは三味線にされかねんぞ!
 
 我輩はカタパルトで発射される戦闘機よりも素早い加速で脱出!
 そのまま病院へ!


 その後ミセスによって着せ替えられた我輩。
 シレっとして駄菓子屋の前を通り過ぎると……
 
 なんと!
 そこには先程のケース内に閉じ込められて暴れるニャン吉の姿が!
 
 思うにあの白くてまあるいものの匂いに釣られてやってきたのだろう。
 ※白くてまあるいもの=中華まん
 
 そこで捕獲されて……あれが噂の檻か。
 捕獲されると入れられるという動物の牢屋。
 一歩間違えればあそこにいるのは我輩だったかもしれないな。
 
 しかしヒーター付きで意外と待遇はいいかも。
 今は寒い時期だし。
 まあなんだ、その……ニャン吉に幸あれ!
 
 さてと、次のお得意様へ行くとするか。
 先程の三毛模様とは違うこのドラ猫模様の着ぐるみで……。
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