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第153話 吾輩はぬいぐるみである!②
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臭いクサイ臭いクサイくさあぁぁぁぁぁぁぁぁいっ!
ここは一体なんだ!?
熟成され過ぎて殆ど腐っているゴミ虫の性根より醜悪な臭いだ!
堪らず小織殿のコートから脱出を図る我輩!
しかし、ピクリと動いただけで全身を蛇にでも締め付けられるような感覚が!
「じっとしてなさいニャゴロー! でないと入管に捕まって機内食の材料行きよ?」
材料!?
我輩が?
なんの?
「アナタは私達人間より鼻が利くから臭いに敏感なのも分かるけど、暫くはガマンしてね。……さってと、香水こうすい~っと♪」
よく分からないが、耐えろと言っているのだろうな。
少しの間、呼吸の回数を減らすことにするか。
そして小織殿は更に臭いのキツイ場所へ。
こうして我輩の鼻はパーになってしまったのだった。
※臭いのキツイ場所=免税店の化粧品売り場
「さあニャゴロー、搭乗の時間よ。今からほんの十時間ぐらい動かないでね」
他にも大勢いる人間を尻目に、優雅且つ華麗に改札らしきものを通る小織殿。
理由は分からないが、どうやら優先的に案内されているみたいだ。
応対する従業員の従順かつ礼儀正しいことったらない。
これは彼女自身に尊厳があるのか、それとも上客なのか……若しくは情婦?
ともあれ、客に対して相当に低姿勢な彼等。
今後我輩も、仕事に誠意をもって取り組むこの従業員達を見習わなければ。
そして小織殿は我輩をコートにくるんだまま鉄のクジラの中へ。
これは一体なんなのだろう?
乗り物?
彼女は窓際の大きな椅子に座り、我輩を膝の上へ。
室内は我輩達の座る席から反対まで、横方向に二座席×三列ある。
縦方向は……拘束されていて確認のしようがない。
そしてこの席の周りには結構育ちが良さそうな者達が……。
ムムム?
急に人間が増えた。
後部に向かって長い列が出来ている。
ジロジロわいせつ満載な目で小織殿を見つめる立ち止まった人間達。
彼等はこの席に座る人間達と少し違うような。
寧ろ御子息殿と同じ香りがするな。
我輩の肌には彼等の方が合うのだが……。
そうこうしているうちに全員が着席したのか、バタ付きがなくなった。
まだまだザワつくも、突然薄暗くなる室内。
直後に小織殿は我輩を持ち上げて窓から外が見えるようにしてくれた。
「ニャゴロー見て。暫くこの国ともお別れよ」
抱いて持ち上げるだけでいいのに、なぜガラスへと押し付ける?
冷たいではないか!
そして何処からともなく声が。
ノイズ交じりのこもった、とても聞き取りにくい声が。
『お待たせしました。当機は間もなく離陸いたします』
この後椅子に括り付けられるような加速Gでオナラをしてしまった我輩。
あまりの臭さに客室内は一時テロだと大騒ぎになってしまった。
臭いの発生源と勘違いされた小織殿はなんとか誤魔化すことに成功。
しかし彼女の制裁によって我輩は暫し気絶する事に。
玉袋を10回程ゴリゴリっとやられて……。
ここは一体なんだ!?
熟成され過ぎて殆ど腐っているゴミ虫の性根より醜悪な臭いだ!
堪らず小織殿のコートから脱出を図る我輩!
しかし、ピクリと動いただけで全身を蛇にでも締め付けられるような感覚が!
「じっとしてなさいニャゴロー! でないと入管に捕まって機内食の材料行きよ?」
材料!?
我輩が?
なんの?
「アナタは私達人間より鼻が利くから臭いに敏感なのも分かるけど、暫くはガマンしてね。……さってと、香水こうすい~っと♪」
よく分からないが、耐えろと言っているのだろうな。
少しの間、呼吸の回数を減らすことにするか。
そして小織殿は更に臭いのキツイ場所へ。
こうして我輩の鼻はパーになってしまったのだった。
※臭いのキツイ場所=免税店の化粧品売り場
「さあニャゴロー、搭乗の時間よ。今からほんの十時間ぐらい動かないでね」
他にも大勢いる人間を尻目に、優雅且つ華麗に改札らしきものを通る小織殿。
理由は分からないが、どうやら優先的に案内されているみたいだ。
応対する従業員の従順かつ礼儀正しいことったらない。
これは彼女自身に尊厳があるのか、それとも上客なのか……若しくは情婦?
ともあれ、客に対して相当に低姿勢な彼等。
今後我輩も、仕事に誠意をもって取り組むこの従業員達を見習わなければ。
そして小織殿は我輩をコートにくるんだまま鉄のクジラの中へ。
これは一体なんなのだろう?
乗り物?
彼女は窓際の大きな椅子に座り、我輩を膝の上へ。
室内は我輩達の座る席から反対まで、横方向に二座席×三列ある。
縦方向は……拘束されていて確認のしようがない。
そしてこの席の周りには結構育ちが良さそうな者達が……。
ムムム?
急に人間が増えた。
後部に向かって長い列が出来ている。
ジロジロわいせつ満載な目で小織殿を見つめる立ち止まった人間達。
彼等はこの席に座る人間達と少し違うような。
寧ろ御子息殿と同じ香りがするな。
我輩の肌には彼等の方が合うのだが……。
そうこうしているうちに全員が着席したのか、バタ付きがなくなった。
まだまだザワつくも、突然薄暗くなる室内。
直後に小織殿は我輩を持ち上げて窓から外が見えるようにしてくれた。
「ニャゴロー見て。暫くこの国ともお別れよ」
抱いて持ち上げるだけでいいのに、なぜガラスへと押し付ける?
冷たいではないか!
そして何処からともなく声が。
ノイズ交じりのこもった、とても聞き取りにくい声が。
『お待たせしました。当機は間もなく離陸いたします』
この後椅子に括り付けられるような加速Gでオナラをしてしまった我輩。
あまりの臭さに客室内は一時テロだと大騒ぎになってしまった。
臭いの発生源と勘違いされた小織殿はなんとか誤魔化すことに成功。
しかし彼女の制裁によって我輩は暫し気絶する事に。
玉袋を10回程ゴリゴリっとやられて……。
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