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第152話 吾輩はぬいぐるみである!①
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「見なさいニャゴロー! ここがユナイテッドステイツよ!」
「ニャン?」
我輩は今、メリケンとかいう国にいる。
どうしてこうなった!?
肉屋の電子計量測りの上に一本糞をするといった大仕事を終えた我輩。
意気揚々と自宅へ。
途中、水たまりに足を突っ込み、ドロッドロになったので御子息の部屋へ。
当然足を拭う為である。
すると、小織殿の部屋から不思議な臭いが。
ボロ雑巾にされるのを防ぐため、一応足を拭いてから入室。
ムムム!?
どうやら臭いの発生元はこの箱からか?
部屋の中心に置かれたその箱はかなり大きく、不思議な素材で出来ている。
しかも二個あり、各々が繋がっていた。
そして中には大量の布切れが!
驚くなかれ相当に肌触りのいいものまであるではないか!
我輩はスベスベした三角の布切れと山が二つ模られた布に身をくるむ!
妖しい匂いは特にこの二つから発せられているようだ!
何気に男心をくすぐる香り。
それにしても……サイコー!
燥いでいたのも束の間、あまりの気持ちよさに直ぐ寝入ってしまった。
そして……
「仕事とはいえ、この時期に海外出張とは思わなかったわ。もし安成が目を覚ましたら連絡してね」
「あんまり無茶な事しないでね」
「じゃあお母さん、行ってくるねー!」
御屋形様と小織殿が何か話していたものの、あまり気にしずそのままに。
それにしても本当に気持ちいい布切れだな。
などと思いながらも再び眠りについた。
{ガチョガチョ}
「んもうー最悪! パスポートスーツケースに入れたままじゃん! 空港で店を開くとは思わなか……あっ!!」
突如光が我輩の瞼を直撃!
眩しすぎる!
「……ニャ……ニャー?」
思わず声を出してしまった。
にしても、ここはどこだ!?
「ニャゴローッ! あんたなんで私のスーツケースの中にっ!?」
速攻我輩を抱きかかえる小織殿。
その顔は目の玉が飛び出そうな程驚いており、とても愉快である。
「ちょっともう、勘弁してよね! 今更どうすることも出来ないし……そうだ! アンタ今からぬいぐるみのフリしなさい。上手い具合に着ぐるみ来ているし。いい、これから私には絶対服従よ! でないとアンタのタマタマ引っこ抜いちゃうからね!」
「ニャ……ニャアァァッァァ――――ニャンニャアァァァアァッ!」
(サ……サーイエッサーッ!)
所々聞き取れなかったが、我輩のタマタマがヒュンとなった事だけは理解した。
これは直感だが、恐らくそれに纏わる何かをすると言ったと思う。
この女だけは冗談が通じないからな。
なにせあの美也殿さえも逆らえないお方なのだから。
こうして知らないうちに未知の場所へと来てしまった我輩。
この時ばかりは小織殿が悪魔ではなくサイコパスに見えたのだった。
「ニャン?」
我輩は今、メリケンとかいう国にいる。
どうしてこうなった!?
肉屋の電子計量測りの上に一本糞をするといった大仕事を終えた我輩。
意気揚々と自宅へ。
途中、水たまりに足を突っ込み、ドロッドロになったので御子息の部屋へ。
当然足を拭う為である。
すると、小織殿の部屋から不思議な臭いが。
ボロ雑巾にされるのを防ぐため、一応足を拭いてから入室。
ムムム!?
どうやら臭いの発生元はこの箱からか?
部屋の中心に置かれたその箱はかなり大きく、不思議な素材で出来ている。
しかも二個あり、各々が繋がっていた。
そして中には大量の布切れが!
驚くなかれ相当に肌触りのいいものまであるではないか!
我輩はスベスベした三角の布切れと山が二つ模られた布に身をくるむ!
妖しい匂いは特にこの二つから発せられているようだ!
何気に男心をくすぐる香り。
それにしても……サイコー!
燥いでいたのも束の間、あまりの気持ちよさに直ぐ寝入ってしまった。
そして……
「仕事とはいえ、この時期に海外出張とは思わなかったわ。もし安成が目を覚ましたら連絡してね」
「あんまり無茶な事しないでね」
「じゃあお母さん、行ってくるねー!」
御屋形様と小織殿が何か話していたものの、あまり気にしずそのままに。
それにしても本当に気持ちいい布切れだな。
などと思いながらも再び眠りについた。
{ガチョガチョ}
「んもうー最悪! パスポートスーツケースに入れたままじゃん! 空港で店を開くとは思わなか……あっ!!」
突如光が我輩の瞼を直撃!
眩しすぎる!
「……ニャ……ニャー?」
思わず声を出してしまった。
にしても、ここはどこだ!?
「ニャゴローッ! あんたなんで私のスーツケースの中にっ!?」
速攻我輩を抱きかかえる小織殿。
その顔は目の玉が飛び出そうな程驚いており、とても愉快である。
「ちょっともう、勘弁してよね! 今更どうすることも出来ないし……そうだ! アンタ今からぬいぐるみのフリしなさい。上手い具合に着ぐるみ来ているし。いい、これから私には絶対服従よ! でないとアンタのタマタマ引っこ抜いちゃうからね!」
「ニャ……ニャアァァッァァ――――ニャンニャアァァァアァッ!」
(サ……サーイエッサーッ!)
所々聞き取れなかったが、我輩のタマタマがヒュンとなった事だけは理解した。
これは直感だが、恐らくそれに纏わる何かをすると言ったと思う。
この女だけは冗談が通じないからな。
なにせあの美也殿さえも逆らえないお方なのだから。
こうして知らないうちに未知の場所へと来てしまった我輩。
この時ばかりは小織殿が悪魔ではなくサイコパスに見えたのだった。
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