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第217話 吾輩は泥棒を許さないのである
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今年は野菜が高騰しているとTVショーで見た。
なんでも雪による不作が響いているのだとか。
そのお陰で至る所の畑が荒らされる始末。
いくら高く売れると言っても盗むなどと……
そのエネルギーを違う方に費やしてはと思う。
そんな時、この近辺にも野菜泥棒が出没したとの噂が町を駆け巡る。
魚屋と肉屋が被害に遭ったのだとか。
※家庭菜園
となれば次はゴミ虫の畑辺りに出没するのでは?
憎たらしいけど、これも仕事と割り切って警備に当たるとするか。
―― 夜中2時 ――
我輩は今、ゴミ虫の畑北側へ陣を構えておる。
東にはニャン吉、西にはニャー吉を配備。
ニャン太郎はそれらの伝令役を任命。
針を通す穴すらもないこの完璧な守りを抜けれるものなら抜けて見ろ!
待つ事数十分。
遂にその時はやってきた。
{ガサガサ……}
来たぞ!
音はどこから……!?
南の方からだと?
そこは誰が守って……誰もいないだとぉ!?
伝令! でんれーいっ!
ニャン太郎よ、至急皆に南へ向かえと伝えてくれ!
我輩先に行っておるから頼んだぞ!
それだけを伝えるとダッシュで現場へ向かう我輩!
しかしここで思わぬ事態に遭遇!
「ニギャアァァァァァァッ!」
「フシャアァァァァァァツ!」
なんと途中で犯人に遭遇!
しかもそれは……新井君ではないか!?
我輩得意のサイドステップで彼をかわすと直ぐに縁の下へ!
新井君の方はと言えば、我輩に驚きそのまま店舗へ侵入!
どうやら彼専用の抜け道を作ってあったようだ。
そこへニャン吉達が到着、犯人が店内に侵入したと伝えると彼等も追って中へ!
勿論それは新井君だったなどと口が裂けても言えない。
我輩はこの場で待機、成り行きを見守る事に。
触らぬ神に祟りなしだもんね。
「ブッシャアァァァァァァァァァァッ!」
「フギャアァァァァァァァァァァァッ!」
「グルルルルルルルルルルルルルルッ!」
「ブニャアァァァァァァァァァァァッ!」
四匹の威嚇声が深夜の静寂を引き裂く!
その直後!
{ガラガラガラン! ドンガラガッシャアァァァァンッ!}
ゴミ虫の家が揺れるほどの破壊音が闇夜を走った!
そして……
「あぁ、バイクが滅茶苦茶にっ!? ……お、おんどれらあぁぁぁぁぁっ! 覚悟はできとるんだろうなぁっ!」
このゴミ虫の怒鳴り声を最後に、四匹の鳴き声はピタリと止まった。
次に日から町では三匹の猫を、公園では新井君を見る事がぷっつり無くなった。
後日店舗を訪れてみると床には大量のどす黒いペンキをこぼした跡が。
更にはなんとも言えぬ獣臭がその近辺を包み込む。
それは我輩と言えど顔をしかめる程に強烈だった……。
それにしてもあの赤黒い色は何を塗る為だったのだろうか?
う~む……。
まあ、一応ゴミ虫の畑は無事だったからよしとするか。
他の事は我輩に一切関係ないんだし……。
なんでも雪による不作が響いているのだとか。
そのお陰で至る所の畑が荒らされる始末。
いくら高く売れると言っても盗むなどと……
そのエネルギーを違う方に費やしてはと思う。
そんな時、この近辺にも野菜泥棒が出没したとの噂が町を駆け巡る。
魚屋と肉屋が被害に遭ったのだとか。
※家庭菜園
となれば次はゴミ虫の畑辺りに出没するのでは?
憎たらしいけど、これも仕事と割り切って警備に当たるとするか。
―― 夜中2時 ――
我輩は今、ゴミ虫の畑北側へ陣を構えておる。
東にはニャン吉、西にはニャー吉を配備。
ニャン太郎はそれらの伝令役を任命。
針を通す穴すらもないこの完璧な守りを抜けれるものなら抜けて見ろ!
待つ事数十分。
遂にその時はやってきた。
{ガサガサ……}
来たぞ!
音はどこから……!?
南の方からだと?
そこは誰が守って……誰もいないだとぉ!?
伝令! でんれーいっ!
ニャン太郎よ、至急皆に南へ向かえと伝えてくれ!
我輩先に行っておるから頼んだぞ!
それだけを伝えるとダッシュで現場へ向かう我輩!
しかしここで思わぬ事態に遭遇!
「ニギャアァァァァァァッ!」
「フシャアァァァァァァツ!」
なんと途中で犯人に遭遇!
しかもそれは……新井君ではないか!?
我輩得意のサイドステップで彼をかわすと直ぐに縁の下へ!
新井君の方はと言えば、我輩に驚きそのまま店舗へ侵入!
どうやら彼専用の抜け道を作ってあったようだ。
そこへニャン吉達が到着、犯人が店内に侵入したと伝えると彼等も追って中へ!
勿論それは新井君だったなどと口が裂けても言えない。
我輩はこの場で待機、成り行きを見守る事に。
触らぬ神に祟りなしだもんね。
「ブッシャアァァァァァァァァァァッ!」
「フギャアァァァァァァァァァァァッ!」
「グルルルルルルルルルルルルルルッ!」
「ブニャアァァァァァァァァァァァッ!」
四匹の威嚇声が深夜の静寂を引き裂く!
その直後!
{ガラガラガラン! ドンガラガッシャアァァァァンッ!}
ゴミ虫の家が揺れるほどの破壊音が闇夜を走った!
そして……
「あぁ、バイクが滅茶苦茶にっ!? ……お、おんどれらあぁぁぁぁぁっ! 覚悟はできとるんだろうなぁっ!」
このゴミ虫の怒鳴り声を最後に、四匹の鳴き声はピタリと止まった。
次に日から町では三匹の猫を、公園では新井君を見る事がぷっつり無くなった。
後日店舗を訪れてみると床には大量のどす黒いペンキをこぼした跡が。
更にはなんとも言えぬ獣臭がその近辺を包み込む。
それは我輩と言えど顔をしかめる程に強烈だった……。
それにしてもあの赤黒い色は何を塗る為だったのだろうか?
う~む……。
まあ、一応ゴミ虫の畑は無事だったからよしとするか。
他の事は我輩に一切関係ないんだし……。
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