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第218話 吾輩は永遠である!
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ポカポカと陽気な季節がやってきた。
公園のゴン太くんはのほほんとお昼寝。
いつもの三バカも日向ぼっこでスヤスヤと。
我輩も今一つ仕事に身が入らない。
心地いい季節はどうやら生物をダメにするらしい。
人間達も同じと見える。
うつらうつらと誰もが眠そう。
なんとも平和なことだろう。
そんな中ふと思う。
この平和の中にいる人間と他の生物たちの関係を。
飢えに苦しむ仲間たちはこの時代、ほぼ皆無といっていいだろう。
黙っていても一部の人間がなにかしらを与えてくれるのだから。
そんな感じで生きる為の狩りなどもしなくなった。
時々小動物たちとジャレるぐらいには接する機会もあるのだが。
それなのに彼等は減少の一途を辿る。
人間たちの開発により住処を奪われていくからだ。
生まれた時から人間に飼われていればいいのだが野性はそんなワケにいかない。
縛られるのに極度の抵抗を示す。
それは当然と言えば当然。
その度に動物保護だの愛護だとの偽善者たちは声を上げる。
〝共存できるはず〟と。
そんな訳なかろう。
隣近所に羆さんが住んでいてもそんな寝ぼけたことが言えるのか?
新井さんがアナタの住む家の屋根裏に巣食っても放っておけるか?
ウリ坊のママが鼻息を荒くして商店に飛び込んできても笑顔で迎えられるか?
スズメのハッチ―が庭の木に巨大な巣を作っても毎日挨拶できるのか?
出来るわけなかろうに。
人里に降りてくる動物が悪い。
誰もが口をそろえて言う。
彼等とてバカではない。
労力を伴わない簡単な餌場へ出向くのは当たり前の事。
それは生きる為の知識。
人間の栽培した農作物を荒すのも頷けるだろうに。
だから彼等にはキッチリ人間の恐ろしさを教えてやればいいのに。
殺すのではなく何かしらの危害を与えてもう一度放せばいいのだ。
それは体内に埋め込むGPSかもしれない。
或は少々折檻して……
これこそ動物愛護団体から怒られそうだな。
知恵のある人間よ、願わくばお互いのテリトリーを守ってほしい。
生き抜く賢さを備えた野生動物達よ、仕打ちに懲りたら人間に近づかないように。
互いに牙を剥き、種族絶滅などと悲しい結末にならぬことを真に願う。
我輩はこの国の行く末を見届ける事となるだろう。
それは幾世にも渡って〝彼〟と共に生きることを定められたのだから。
永遠に続く我輩究極の仕事がそれなのである。
それでもこんな世が続けばいいのになぁ。
仕事をサボってうたた寝したニャゴローは説教じみた夢を見たのだった。
しかしそれは本当に夢だったのか?
もしかして別世界の出来事?
はたまた妄想?
事実は誰も知り得ない。
ニャゴローは今日も何処かで元気に走り回っているだろう。
〝彼〟と共に永遠の時の中を……。
※〝彼〟とは三河家の長男である安成
公園のゴン太くんはのほほんとお昼寝。
いつもの三バカも日向ぼっこでスヤスヤと。
我輩も今一つ仕事に身が入らない。
心地いい季節はどうやら生物をダメにするらしい。
人間達も同じと見える。
うつらうつらと誰もが眠そう。
なんとも平和なことだろう。
そんな中ふと思う。
この平和の中にいる人間と他の生物たちの関係を。
飢えに苦しむ仲間たちはこの時代、ほぼ皆無といっていいだろう。
黙っていても一部の人間がなにかしらを与えてくれるのだから。
そんな感じで生きる為の狩りなどもしなくなった。
時々小動物たちとジャレるぐらいには接する機会もあるのだが。
それなのに彼等は減少の一途を辿る。
人間たちの開発により住処を奪われていくからだ。
生まれた時から人間に飼われていればいいのだが野性はそんなワケにいかない。
縛られるのに極度の抵抗を示す。
それは当然と言えば当然。
その度に動物保護だの愛護だとの偽善者たちは声を上げる。
〝共存できるはず〟と。
そんな訳なかろう。
隣近所に羆さんが住んでいてもそんな寝ぼけたことが言えるのか?
新井さんがアナタの住む家の屋根裏に巣食っても放っておけるか?
ウリ坊のママが鼻息を荒くして商店に飛び込んできても笑顔で迎えられるか?
スズメのハッチ―が庭の木に巨大な巣を作っても毎日挨拶できるのか?
出来るわけなかろうに。
人里に降りてくる動物が悪い。
誰もが口をそろえて言う。
彼等とてバカではない。
労力を伴わない簡単な餌場へ出向くのは当たり前の事。
それは生きる為の知識。
人間の栽培した農作物を荒すのも頷けるだろうに。
だから彼等にはキッチリ人間の恐ろしさを教えてやればいいのに。
殺すのではなく何かしらの危害を与えてもう一度放せばいいのだ。
それは体内に埋め込むGPSかもしれない。
或は少々折檻して……
これこそ動物愛護団体から怒られそうだな。
知恵のある人間よ、願わくばお互いのテリトリーを守ってほしい。
生き抜く賢さを備えた野生動物達よ、仕打ちに懲りたら人間に近づかないように。
互いに牙を剥き、種族絶滅などと悲しい結末にならぬことを真に願う。
我輩はこの国の行く末を見届ける事となるだろう。
それは幾世にも渡って〝彼〟と共に生きることを定められたのだから。
永遠に続く我輩究極の仕事がそれなのである。
それでもこんな世が続けばいいのになぁ。
仕事をサボってうたた寝したニャゴローは説教じみた夢を見たのだった。
しかしそれは本当に夢だったのか?
もしかして別世界の出来事?
はたまた妄想?
事実は誰も知り得ない。
ニャゴローは今日も何処かで元気に走り回っているだろう。
〝彼〟と共に永遠の時の中を……。
※〝彼〟とは三河家の長男である安成
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