ヒアソビ ~定年教師と蕾たち~

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第一話

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「あっ、いやっ……だめっ、先生っ! そんなこと、されたら……あたし、死んじゃうっ」

「ふふふ、何を言っているんだい? 君が挑発してきたんじゃないか」

「ああっ! ズルいっ、そんな、とこ、せめられたら……」

「逃がさないよ。私を本気にさせた罪は償ってもらおうか」

「あああっ! だめっ、だめっ、だめえぇっ!!!」

順番待ちをしている私の耳に、楽しそうな二人の声がこだまする。

「むうぅ、ずるい……」

私は、すでに先生と一戦を交え、散々手玉に取られた後だ。

「はぁ、はぁ……」

由佳は、力尽きたように床に倒れこんで、荒い呼吸をしている。結局、由佳も、先生にいいように弄ばれて終わった。

「はは、由佳くん、中々上手くなってるじゃないか。楽しませてもらったよ」

先生は、由佳を優しい目で見ながら、労っていた。そして、由佳は先生に少しむくれた顔を見せながら、負け惜しみを言っている。

「さて、志保くん。君も、もう一回かい?」

そんな二人のやりとりを眺めていたら、先生が、私に声をかけてきた。もちろん、私の答えは決まっている。

「はい、もう一度です」

「ふむ、いいでしょう。かかってきなさい」

私は先生の隣に座った。

「でも、今度は……二人掛かりでお相手します」

「ふふん、先生相手じゃ、このぐらいのハンデがないとね」

由佳も、床から起き上がると、私の反対側の先生の隣に座りなおした。

「私を、楽しませてくださいね」

しかし、先生は、まだまだ余裕たっぷりに、私たちに笑いかけてきた。















「やったぁーーーっ!」

「うん、うんっ!」

勝敗が決した瞬間、私と由佳は握っていたモノを放り投げて、抱き合った。

「ついに、負けてしまったか……」

先生がそう言ってボヤく。先生の視線の先にあるテレビ画面には、勝者と敗者が映し出されていた。 

「イェーイ。ご褒美ゲット!」

由佳は、先生にドヤ顔を向けて嬉しそうにしている。正直、私もニヤケそうになるのを必死にこらえていた。嬉しいのだから、しょうがない。

「では、私たちはお泊まり権をしょ、所望します」

深呼吸をして、気を落ち着かせて言おうとしたけど噛んだ。先生は、笑っている。私は、自分の顔が真っ赤になるを感じた。

「まあ、いいが。家に連絡は……」

「ウチは問題なしで~す。親は夜勤だし」

相変わらず、由佳の家は放任主義だった。

「私は、先生のところに泊まるって言って出てきたので、大丈夫です」

むしろ、親には頑張れって応援されている。母にも、父にも。

「じゃあ、問題ないか」

先生は、帰れとは言わない。

私たちは、先ほどまで遊んでいたテレビゲームを片して、布団を敷いた。

三つ並べて。




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