【完結】売られた令嬢

三園 七詩

文字の大きさ
53 / 98

53.

しおりを挟む
口を塞ぐシドにフレッドは睨みをきかせる。

「誰が誰に惚れてるって?」

「あっ、いや…あの馬鹿王子、いえ、馬鹿ジョージが…」

「そんなわけあるか!ロレッタはあいつに泣かされて……」

フレッドは途中で言葉を止めて、口をおおった。

「そう言えば寝てる時、ロレッタは泣きながら男の名前を言っていた…あの馬鹿ではないと思うが、もしや他にも想い人が?」

何やらブツブツと言い出す。

「王子?大丈夫ですか?」

シドは心配になりフレッド王子に声をかけるが完全に一人の世界に入ってしまい帰ってこない。

「もしもしーどうするんですかー?ロレッタ様にはもちろん内緒にしておくんですよね?」

ロレッタと聞いて王子が帰ってきた。

「もちろん今は絶対に会わせん!そんな馬鹿な奴らを会わせたらせっかくここに馴染んできたロレッタがまた殻に閉じこもってしまう」

「ならどうします?もう面倒だし追い出しますか?」

シドはなんだか面倒になってきた。

「いや、一度そいつらと話がしたい…」

「王子として会うのですか?」

「いや、どうせ向こうの元王子とは顔も合わせていないのだ。お前の代わりに話を聞いてくる」

「駄目です。あなた一応王子ですよ?いくらこの国を継ぐつもりがなくとも何かあったら一大事です」

「ならお前もこい!」

「えー!」

フレッドはシドを掴むと肩に乗せた。

そしてそのままジョージ達の元に向かおうとする。

「ちょっと!王子行くなら着替えてください!その姿ではすぐにバレますよ!」

「そうだな、ではお前の服を借りよう」

シドを担いだまま部屋へと向かった。



「ジョージ様…誰も来ませんね」

レミリアはお腹を擦りながらジョージを見つめる。

「あいつ…何やっているんだ!来たら文句を言ってやる!」

ジョージとレミリアはあれから誰も部屋に来ることなくただただ待っていた。

ぐぅ~

「お腹…空きましたね」

ジョージの腹がなるとレミリアは気を使って微笑んだ。

「す、すまない…はしたない真似を…」

自分の腹の音を最愛にレミリアに聞かれた事に恥ずかしさから怒りに変わる。

「一体いつまで待たせれば気が済むんだ…」

怒りが限界に達した時にその扉は開いた。

現れた男にジョージは掴みかかった!

「おい!頼んでいた食事はどうした!レミリアが空腹なんだぞ!今すぐ何かもってこい!」

「ちょ、ちょっと落ち着いて下さい!ジョージさん離して」

掴みかかられてシドは落ち着くように声をかけるが興奮しているジョージは顔を真っ赤にして話を聞いていない。

「いい加減にしろ…」

すると後ろについてきた男にジョージは首根っこを掴まれると猫の様に引き剥がされた。

「お、下ろせ!」

身長差からジョージは宙ぶらりんになる。

足をばたつかせて離せと叫ぶがビクともしなかった。

「元王子とお聞きしましたが、この様な姿…嘆かわしい。王族ならもっと誇りをもて」

男はジョージを下ろすとジロッと見下ろした。

「くっ、くそ…」

「ジョージ様!大丈夫ですか!」

レミリアが駆け寄りジョージを心配する。

「酷いです!」

レミリアは男を見上げると……

「えっ……」

その姿に頬を染めた。
しおりを挟む
感想 290

あなたにおすすめの小説

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

「最高の縁談なのでしょう?なら、かわってあげたら喜んでくれますよね!」

みっちぇる。
恋愛
侯爵令嬢のリコリスは20歳。立派な嫁きおくれである。 というのも、義母がなかなかデビューさせてくれないのだ。 なにか意図を感じつつも、周りは義母の味方ばかり。 そん中、急にデビュタントの許可と婚約を告げられる。 何か裏がある―― 相手の家がどういうものかを知り、何とかしようとするリコリス。 でも、非力なリコリスには何も手段がない。 しかし、そんな彼女にも救いの手が……?

悪役断罪?そもそも何かしましたか?

SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。 男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。 あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。 えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。 勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。

婚約破棄が聞こえません

あんど もあ
ファンタジー
私は、真実の愛に目覚めた王子に王立学園の卒業パーティーで婚約破棄を宣言されたらしいです。 私には聞こえないのですが。 王子が目の前にいる? どこに? どうやら私には王子が見えなくなったみたいです。 ※「承石灰」は架空の物質です。実在の消石灰は目に入ると危険ですのでマネしないでね!

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

【完結】私から全てを奪った妹は、地獄を見るようです。

凛 伊緒
恋愛
「サリーエ。すまないが、君との婚約を破棄させてもらう!」 リデイトリア公爵家が開催した、パーティー。 その最中、私の婚約者ガイディアス・リデイトリア様が他の貴族の方々の前でそう宣言した。 当然、注目は私達に向く。 ガイディアス様の隣には、私の実の妹がいた── 「私はシファナと共にありたい。」 「分かりました……どうぞお幸せに。私は先に帰らせていただきますわ。…失礼致します。」 (私からどれだけ奪えば、気が済むのだろう……。) 妹に宝石類を、服を、婚約者を……全てを奪われたサリーエ。 しかし彼女は、妹を最後まで責めなかった。 そんな地獄のような日々を送ってきたサリーエは、とある人との出会いにより、運命が大きく変わっていく。 それとは逆に、妹は── ※全11話構成です。 ※作者がシステムに不慣れな時に書いたものなので、ネタバレの嫌な方はコメント欄を見ないようにしていただければと思います……。

処理中です...