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42.間接

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マリーが元気そうに目を覚ました事で屋敷のみんなはほっと胸を撫で下ろした…

まだ病み上がりなので医師のセドリック先生からもう少し一人でゆっくり休ませるようにと強く念を押された。

「しかし…まだマリーは小さいし誰かがいてあげないと…」

ジェラート様が心配そうにベッドで横になっているマリーをチラチラと気にしている。

「それは私が見ておきます!この子は幼いですがしっかりしておりますから、私一人いれば大丈夫でしょう」

セドリックは必要ない!と断りを入れる。

「では私も…先生のお世話も致しますので…」

トーマスさんが当然のように笑うと

「トーマスさんも大丈夫です!それよりも屋敷の者達がこの部屋に来ないように見ておいて下さい。自分の事は自分でできますから」

「な…!」

トーマスさんまで断られると他の者達は何も言えずに部屋を出るしか無かった…

「じゃあ、マリー…私達は行くね…寂しくなったら呼んでくれていいからね」

ジェラート様はマリーの頬を撫でながら名残惜しそうに声をかける。

「だいじょうぶよ、おとーしゃまはおしごとがんばって」

マリーからは寂しさは感じられずにニコニコと手を振り送り出されてしまった…

肩を落としてフローラ様に寄り添われて扉の方へと向かう。

「マリー様…何かありましたら私にも声をかけて下さいませ」

トーマスさんが声をかけると

「うん!でもトーマスしゃんはおとーしゃまみてあげて…なんかげんきないみたい」

マリーにお願いと手を合わせて頼まれてしまいトーマスさんはわかりましたと寂しそうに頷きジェラート様のあとをおった。

その様子をみてマリーは満足そうに笑う。

そんなマリーをみてセドリック先生は何か変だと首を傾げた。

その後もみんなでマリーに声をかけようとするのでセドリック先生が睨みつけ屋敷の従者達は後ろ髪を引かれる思いで自分達の部屋に戻って行く、そして最後にテオドールとシリルが挨拶に来た…

「マリー、私は残ってもいいんだよ」

「ぼくも…マリーとねたい…」

「ふふ、おにいしゃまわたしはだいじょうぶです。それよりもシリルといっちょにねてあげて…シリルもそれならさみしくないよね?」

マリーは二人の手をぎゅっと握りしめた。

「わかったよ、マリーがそれを望むなら」

テオドールはマリーに繋がれた手を見つめて頷いた。

「ぼくも…」

シリルもコクっと頷くと「いいこねー」とマリーに頭を撫でてもらい嬉しそうにしている。

「マリー…早く元気になってね。マリーがいないと私は寂しいよ」

テオドールはそういうとマリーのおでこにチュッと軽くキスをした。

「えっ…」

マリーがびっくりしていると…

「ぼくも!」

同じところにシリルがテオドールの真似をしてキスをする。

その様子に…

「なりゅほど…ふたりともありがとう!」

何がなるほどなのか…満足そうに笑い頷く…

セドリックはマリーの様子を注意深く観察していた…
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