せっかく異世界に来たんだから楽しまないと!ポジティブ女子の異世界生活

三園 七詩

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42.再会

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「ん?」

アヤカはなんだか聞き覚えのある声に耳を傾けた。

「ほう…死にたいと?」

「は、はい…私たちは人の国に戻ってももう居場所などありません…どうかここで終わりにしたい…」

ガクッと地面に座り込むともう動く気がおきないようだ。

「ま、まさか…」

アヤカはやっぱり聞いた事のある声に携帯を取り出し地図アプリを開く。

すると一つの点滅がその奴隷を示していた。

「もしかして…バーバラ?」

アヤカが伺うように声をかけると

「えっ…」

深くフードを被っていた人物が顔を上げた…その拍子にフードが取れると少しやつれているがバーバラだった。

「バーバラ!」

アヤカが近づこうとすると

ガシッとリムドに腕を掴まれて止められる。

「不用意に近づくな…それに何か病気を持ってるやもしれん」

リムドが汚い物でも見るように顔をしかめた。

ムッ!

アヤカはカチーンと頭にきた!

「リムド酷い!バーバラはこの国に来てすっごく良くしてくれた初めての友達なんだよ!そんな酷いこと言うリムドなんて嫌いだね!」

アヤカはリムドの手を払うと構わずにバーバラに駆け寄った!

「バーバラ!」

アヤカは笑顔でバーバラの手を掴むと…

「ど、どちら様でしょう…魔族様の知り合いは…いないかと…」

バーバラはカタカタと震えて下を見ている。

握ったその手は冷たくやはり震えていた。

「バーバラ!私だよ…あっ…ミリアお嬢様のフリしてたからわかんないかな…」

「ミリア…お嬢様…?」

バーバラが知った名前にやっと顔をあげてくれた。

アヤカは目が合うとにっこりと笑う。

「あの時は騙してごめんなさい、ミゲルさんに仕事だとミリアお嬢様のフリしてたんです」

「あ、ああ…あああ」

バーバラは口と目を大きく開けて固まった。

「バーバラ?」

アヤカが伺うよう首を傾げると…

「お嬢様…確かにそっくりでございます…でも似ているのはお顔だけでしたね…」

バーバラは悲しそうに俯いた。

「ど、どうしたの?なんでバーバラは奴隷に?あの屋敷でメイドだったでしょ?」

アヤカは倒れそうなバーバラを支えながら聞くと

「忘れもしません…あの日、お嬢様の部屋にはしばらく近づくなと言われた次の日…いつもの様にお嬢様のお世話に向かうとそこにはもうあの優しかったお嬢様はいませんでした…」

バーバラはポロッと涙を流した…

「あれが本当のお嬢様なんだよ…俺達は騙されてたんだ…」

他の奴隷の男が話し出すと…

「ノエルさん!」

「俺を知っているって事は本当にあの時のお嬢様なんだな…」

「ま、まさかここにいる奴隷ってあの屋敷の皆さんなんですか!?」

アヤカはフードを取る奴隷達を見つめた。
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