ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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10章

338.逃げ

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(その声…ベイカーさんとセバスさん…)

ミヅキは後ろから聞こえた大好きな人達の声に振り向きそうになるが…

【シルバ…お願い…】

辛そうにシルバを見つめると

【今は…無理、逃げて…】

ミヅキは寂しそうにシルバに抱きついた…

【ミヅキ…どうしたんだ?】

ミヅキのいつもと違う様子にシルバは心配そうに声をかけると

【お願い…】

ミヅキは絞り出すようにただそれだけ言った…

シルバは訳がわからなかったがミヅキの願いに頷いた。

【分かった、あいつらから逃げればいいんだな?】

ミヅキはシルバの顔を見ずに下を向いたまま頷いた…

シルバは力が抜けたミヅキを背に乗せると、力いっぱい踏み出しベイカー達からミヅキを遠ざけるように走りだした…。

「「えっ?」」

ベイカーとセバスが唖然と立ち尽くす…

【ミヅキ!】

【なんで?】

プルシアとシンクが後を追おうと飛び立つと、その姿をみてベイカー達もハッと我に返った!

「ミ、ミヅキ…なんで?」

「先程…私達の声は届いていましたよね?」

セバスがアラン達に確認すると…

「ああ、二人の声を聞いて体が反応していたぞ…お前らなんかしたのか?」

アランが疑うように二人を見ると…

「ミヅキちゃんを怒らせるような事でもしたんじゃないの?」

ミシェル隊長もジトッと目を細める。

「何かしたも…ミヅキにずっと会ってないんだぜ…」

ベイカーがミヅキと別れた時の事を思い出すが…思い当たる節がなかった、一方セバスは…

「もしかして…一人にした事で私達を幻滅したんじゃ…」

「ミヅキが?」

まさかとベイカーが笑うが…その顔は次第に強ばり不安が浮かんでいる。

「私達の事を保護者失格だと…呆れてしまったのでは?」

さらに動揺させるような事を言い出すと…

「ミ、ミヅキ…」

ベイカーがミヅキを追いかけようとすると…

「ミヅキに謝らねぇと…心配させた事、不安にさせた事…そんでもってもう一度ちゃんと戻って来てもらう!」

「そうですね…ミヅキさんとこのまま離れるなんて…考えただけで無理です。すみません、アランさんとミシェルさんこの場を任せても?」

セバスが気を失っている子供を見ると…ミシェルが頷き抱き上げた。

「この子は任せて、私達も後から追いかけるわ」

「ああ、ちゃんと謝って来いよ」

アランがバンッ!と背中を叩くとベイカーとセバスはシルバの後を追いかけて行った。

「だけど…ミヅキちゃんがあの二人を怒るかしら?」

ミシェル隊長が首を捻ると

「そうだな…ミヅキの事だから怒られると思って逃げたのかもしれねぇな」

アランがクックッと可笑しそうに笑う。

「何笑ってるのよ!ミヅキちゃんが本気で逃げたら私達じゃ捕まえられないかもしれないのよ」

「確かになぁ…相手があのシルバ達だもんな…」

アランが他人事のように呑気にしていると

「アラン隊長はいいの?もうミヅキちゃんのご飯食べられなくなるかもしれないのよ?」

ミシェル隊長が脅すように言うと…アラン隊長が目を見開き愕然とする!

「な、なんでだ?怒ってるのはあいつらにだろ?俺たち関係無いよな」

焦ってミシェルに詰め寄ると…

「そうかもしれないけど、ミヅキちゃんとベイカーさん達が仲違いしたらもう二度と王都には寄り付かなくなると思うわよ」

「へっ…」

アランが考えもしなかった事をミシェルに言われ…

「大変じゃ無いか!早くあいつらを仲直りされないと…」

アランの目の色が変わる!

するとそこに騒ぎを駆けつけた部隊兵達が現れた…

「隊長!ミヅキちゃんは見つかったんですか?」

セシルがアラン隊長に近づくと…

「ミヅキは見つかったが…今ベイカー達から逃げている…」

「は?なんで?」

セシルが思わず聞き返すと

「ミヅキを捕まえろ!今すぐベイカー達に会わせるんだ!急げ!」

「は、はい!」

セシルは他の部隊兵に命令を伝えると部隊兵達が街中に散らばって行く、その様子に…

「な、なんか…大袈裟なことになってないかしら…」

ミシェルは不安な気持ちを抱きつつアラン隊長の後を追いかけて行った…。



シルバは街の民家の屋根をかけていると…

「ミヅキー!待て!」

ベイカーが凄い形相で追いかけてきた…

【ミ、ミヅキ…ベイカーが来たぞ】

【やだ…ベイカーさんなんで来たの…】

(私の事呆れたんじゃないの?)

ミヅキはチラッと後ろを見ると…凄い怒っているベイカーの顔が見えた

【お、怒ってる…】

ミヅキが怯えると

【あいつ…何に怒ってるんだ?】

シルバが不思議に思っていると

【私に怒ってるんだよ…】

ミヅキの沈んだ声がする

【なんでミヅキに怒るんだ?】

【そうだよ、ミヅキ何もしてないじゃん】

シンク達も否定すると

【私が言う事聞かないから…だからここに置いてったんじゃないの?だから一人にされたんでしょ?私が悪い子だから…】

【ミヅキが悪い子?】

【そんな訳あるか!】

【そうだよ!それに仮にあいつらがそんな事したらタダじゃおかないよ!】

シルバ達が怒ると…

【じゃあなんで私ここにコハク達といたの?変な部屋で病気だって言われたよ…】

【くぅ~ん…】

コハクがもどかしげな声で鳴くと…

【それは…】

シルバが誤解を解こうとすると…行く手に斬撃が飛んできた。

【うわっ!】

シルバが思わず避けると

「シルバ!止まれ!ミヅキと話をさせろ!」

ベイカーがシルバの行く手を阻むように攻撃を仕掛けてきた…

【あいつ…頭に血が上ってるな…】

シルバがベイカーを睨むと

【今、ミヅキと話してるんだ!黙ってろ!】

シルバも負けじと風刃を飛ばすが、ベイカーがヒラっと避けた、すると後ろの民家に直撃して屋根が吹っ飛ばされる。しかし二人は構わず

「ミヅキ!話をさせてくれ!おい!こっちをみろ!」

ベイカーがミヅキ達に当たらないようにしながら進路の妨害をするように攻撃をしていると…

「やだ!なんにも聞きたくない!もうお別れだとか言うんだ!」

「はぁ?そんな事許さねぇぞ!」

ベイカーが別れの言葉にさらに攻撃に力が入ると…今度は前方にセバスが現れた…

【くっ…今度はセバスか…】

シルバが顔を顰めると

【私が行こう】

プルシアが前に出た

「プルシアさん退いて下さい、ミヅキさんに話があります」

【なんかわからんがミヅキが嫌がっている…今は引いて貰うぞ】

プルシアが咆哮を放つと…

「駄目ですか…」

セバスが残念そうに顔を顰め、

「なら力づくで止めさせていただきます!」

プルシアの咆哮を防壁魔法で防ぐと…そのまま流れるように攻撃を返した。

プルシアの咆哮がそのまま返ってくると…

【避けろ!】

プルシアとシルバがお互い横に飛び退く…咆哮はそのまま城の方へと向かっていき…外壁に直撃した…。

「ミヅキさん!話を聞いて下さい…私達が頼りないのは分かります…しかし許されるならまだあなたの保護者でいさせて欲しい」

セバスがミヅキに叫ぶと

「お願いだミヅキ!もう一度俺たちにチャンスをくれ…俺は…まだお前のそばに居たいんだよ…」

ベイカーさんとセバスさんの必死な叫びに…

「えっ…」

ミヅキがようやく顔を上げて二人の顔を見た…
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