ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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10章

346.ピース

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「その後はラウロさんに助けてもらってマリアさんの教会でお世話になったの」

「もしかしてそこでパンを作りませんでしたか?」

「えっ!作った!作ったよ、なんで知ってるの?」

ミヅキが不思議そうにして驚いた顔をみせると、セバス達が苦笑する。

「街で美味しいパンを売ってると話題になってましたからね」

「そっか~喜んで貰えたなら良かった。マリアさん達にもお礼に行きたいなぁ」

ミヅキがマリアさん達の顔を思い浮かべていると

「そうですね落ち着いたらお礼に行きましょうね」

「うん!そこでアイシャとかアーク達とも知り合ったんだ、みんな捨てられたりした子だったんだって…」

「そうですか…」

「私も捨てられた子じゃないかって言われて…」

その時の事を思い出し寂しそうにすると

「本当に子供を捨てちゃう人がいるんだね…それが凄い悲しかった…でもみんなめげてなくて元気でね…凄い励まされたの、だからお礼にパンの作り方を教えたんだ」

ミヅキの話にセバスがミヅキといた子供の事を思い出した。

「あっ、そう言えばミヅキさんと一緒にいた子も保護して連れて来たんですよ。その教会の子供でしょうか?」

「えっ?一緒にいた?」

ミヅキが首を傾げると

「青い髪のミヅキさんと同じくらいの年の子ですよ」

ミヅキが青い髪と聞いてピースを思い出す!

「もしかして…ピース!あっ…そうだ一緒に連れてきちゃったんだ…」

ミヅキの顔色が悪くなる…

「ピースはどうしたの?ピースも私と同じ病気で…後遺症で目が見えないんだよ…」

心配そうにセバスを見ると

「大丈夫ですよ、薬を飲ませて隣の部屋で寝かせていますから」

セバスが安心させるように言うとミヅキが両手を差し出す。

「なんですか?」

ミヅキの可愛らしい仕草にセバスが笑って首を傾げ思わず手を取ると

「ピースの所に連れてってくれますか?」

ミヅキからの抱っこのお願いに抗える訳もなくセバスは言われた通りにミヅキを抱っこすると、隣の部屋のピースの元に連れて行った…

ミヅキはベッドで寝ているピースを見ると

「やっぱりピースだ」

「ミヅキさんのお知り合いですか?」

(ピース…どこかで聞いたような…)

セバスが名前に反応するが思い出せない…

「どっかの御屋敷で二人のおじさんに仲間の所に連れて行ってやるって言われた時に会ったの」

ミヅキの言葉に…

「…すみません…その事をもう少し詳しく教えていただけますか?」

セバスさんが落ち着いて聞くが…

(目、目が笑ってない…)

ミヅキが引き攣ると…

「き、気がついたら運ばれてたので、詳しくは…口を塞がれて静かにするように言われたんだよね…ちょっと怖かった…で、でもムーが助けてくれて…逃げた先の部屋にピースがいたんだ」

「今回は本当にコハクさんとムーさんが大活躍ですね。私からも何かご褒美をあげないと…」

「本当に…コハク達が居なかったらと思うと…」

ミヅキとセバスが話している声に反応してか…ピースがモゾモゾと動き出した…

「あっ、ピースが起きそう」

ミヅキがベッドに降ろして貰うと…

「ピース…大丈夫?」

ピースの手を握りしめると

「う、うーん…その声…ミヅキ?」

ピースが目を開こうとすると…

「うわっ!」

顔を隠してうずくまってしまった!

「ピース!どうしたの?」

ミヅキがピースの体をさすると

「め、目が…」

「ピース…まだ目が治ってないんだ…」

セバスさんを見ると

「しかし…ミヅキさんが治った薬と同じ物を投与したんですけどねぇ…」

セバスがピースのおでこを触ってみる。

「熱は無いようですが…」

「す、すみません…大丈夫。光がいきなり見えたからびっくりしただけだよ」

ピースが目を瞑りながら起き上がると…

「ああ、今まで見えてなかったので目が慣れていないのですね…」

セバスが窓を見ると…デボットとレアルがカーテンを引いてくれる。

部屋が薄暗くなると

「これでどうでしょう…そっと目を開いて見てください」

セバスが優しく声をかけると…ピースがゆっくりと瞳を開いていった…。

「ミ…ヅキ?」

ピースは目の前にいる笑っている女の子と目が合うと名前を呼んでみる。

「うん、ピース見るのは初めましてだね」

ミヅキが手を差し出すと…複雑な表情で手を握り返した。

「どうしました?まだよく見えませんか?」

セバスがピースの曇った表情が気になり聞いてみると…

「あっ、いえ!大丈夫です。初めての声の方ですね…新しい薬師様でしょうか?この度はありがとうございます。病気を治す薬を作って頂いたこと感謝致します」

ピースが姿勢を正すとセバスに向かって頭を下げた。

「おお…こりゃあ…」

「素晴らしいですね」

デボットとレアルが後ろで驚いていると

「確か…ピースさんと言いましたよね…私はセバスと申します。確かに私が薬を飲ませましたが作ったのは私ではないのですよ…」

セバスが微笑むと

「ふはっ!ピース何その喋り方!どっかの王子様みたい!」

ミヅキがかしこまった喋り方のピースを笑うと

「王子様…」

「ピース王子…」

「あっ…」

セバスとデボットとレアルが顔を見合わせる…

「あれ?ミヅキに言ってなかったっけ?僕はサウス国第一王子なんだよ」

薄暗い部屋の中でピースがキラキラの笑顔でミヅキに微笑んだ。

「えぇぇぇー!!」

ミヅキが叫ぶと…

「どぉしたー!」

「何があった!」

ベイカー達が隣のミヅキが寝ていた部屋に駆け込む音がする…

「ミヅキ!セバスさん!」

ベイカーが叫ぶと、デボットが隣の部屋の扉を開く…

「デボット!ミヅキはどうした!」

ベイカー達が部屋になだれ込んで来ると…部屋にいるミヅキと向かい合い…拾った子供と目が合った。

「なんだ?叫び声が聞こえた気がしたが…」

ベイカーが男の子とミヅキに近づくと

「坊主起きたんだな、大丈夫か?」

ベイカーが男の子の頭にポンと手を置くと…

「べ、ベイカーさん…」

デボットとレアルの顔が引き攣る…

「なんだ?ミヅキの新しいボーイフレンドか?」

アランも顔を出すとピースの頬を軽くつねる。

「ミヅキの友達にしちゃ優男だな、もっと鍛えないと駄目だぞ!」

ポンと背中を叩く…

「アラン隊長まで…」

レアルが頭を抱える。

「すみません…僕も鍛えたいのですが、父と母がなかなか許してくれなくて…これから精進致します」

ピースが頭を下げると…

「なんだ?今までの奴らと違って礼儀正しい子だな?」

ベイカーがピースの対応に驚くと

「リュカ達と違って品があるな」

アランもピースをまじまじと見ると…

「ベイカーさん、アランこちらの方はサウス国のピース王子です」

セバスさんが二人に教えると

「はじめまして、ピースと申します」

ピースが手を差し出すと

「「えぇぇぇ!!」」

ベイカーとアランが同時に叫び声をあげた。
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