ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

文字サイズ
特大
283 / 656
11章

426.解体

「ウィードさん、解体少し見てもいいですか?」

ミヅキがウィードに話しかける。

「ん?ああ…いいが嬢ちゃんが見ても楽しくないと思うぞ?」

ウィードさんはプリンを大事そうにしまうと解体を再開する。

しかし台が高くてよく見えない…

「見えない…ベイカーさん!」

ミヅキがベイカーに手を伸ばすと、ベイカーがミヅキを抱き上げる。

ウィードはミヅキの視線を気にした様子もなく手際よく魔物を捌くと

「凄い!ユゲルさんと同じくらい上手いね」

ミヅキがベイカーに言うと

「嬢ちゃんユゲルの知り合いか?」

ウィードが手を止めてミヅキを見た。

「ユゲルさんはギルドの登録した町でお世話になりました!解体の仕方教えてくれるって!」

「ユゲルの奴、こんな子供に何を教える気だ!」

ウィードが呆れると

「なんだその話…俺は聞いてないぞ?」

ベイカーがミヅキをじろりと見つめる。

「あ、あれ?言ってなかったっけ?」

ミヅキがあさっての方向をみてとぼけている。

「確かに冒険者なら解体出来た方がいいがミヅキには必要ないだろ」

「えー!でも必要な技術なら覚えたい!」

「駄目だ!解体なら俺がやってやる!」

「ぶー!」

ミヅキが不貞腐れると

「ははは!いいじゃねぇかそんな年で解体に興味持ってくれるのは嬉しいもんだ!だが俺の仕事でもあるからな持ってきてくれればチャチャッと捌いてやるぜ」

ウィードが逞しい腕を見せる。

「ほら、こう言ってるだろ。ここのおじさんに任せておけばいいんだ」

「わかった…」

渋々頷くとその後もウィードが捌いてるのを興味深そうに見ていると…

「クッ!こいつは硬いのがきたな…」

先程までスルスルと動いていたウィードさんの手が止まる。

「どうしたの?」

ミヅキが聞くと

「こいつは皮が硬いの魔物でな…力任せにすると刃を傷めちまう…」

ウィードが硬い鱗の隙間に刃を入れる。

「あっ!そう言えばウィードさんリュカの剣に興味があったんだよね」

ミヅキは思い出すと、神木の木を取り出してウィードさんが使っている解体刃を見ると同じ形に加工する。

「おい!ミヅキ!」

ベイカーが止めるまもなくあっという間に仕上げてしまう。

その様子をウィードさんが口を開けて唖然と見つめていると

「はい!良かったらこれ使って見てください」

ミヅキがそこら辺の木でも渡すように神木のナイフを渡す。

「じょ、嬢ちゃん…これは…」

「ん?リュカと同じ素材のナイフだよ?」

「おい!こいつ何者だ!お前ら誰だ!」

ウィードが保護者のベイカーに怒鳴ると…

「ミヅキ…神木をそう軽々と人に渡すなよ」

「えー?駄目だった?ウィードさんは渡しても大丈夫そうだと思ったけどなぁ~」

ミヅキがニッコリと笑う。

「あっ!お前A級冒険者のベイカーってやつか!てことは…それの連れの黒髪の女の子…」

そう言ってミヅキを見ると

「ミヅキって言います!テイマーしてまーす!」

ミヅキが元気よく手を挙げて自己紹介した。

「お前らが話題の冒険者達だったのか…話だけは聞いていたが噂ばっかりで本物に会えるとは…」

「ベイカーさん凄く有名なんだね!」

ミヅキが驚くと

「お前のせいだろうけどな!」

ベイカーがミヅキの頭を叩く!

「いたーい!何するの…」

ミヅキが頭を抑えていると

「ベイカーさん女性を叩いたら駄目ですよ」

テオがミヅキを庇うように頭を撫でる。

そんなのほほんとした様子にウィードは

「本当に本物なのか?噂ではこの国も潰せるほどの力を持ってるなんて大袈裟に言っていたが…」

「それは大袈裟だよね~」

ミヅキがリュカ達を見て笑うと…

「「……」」

みんなが目をそらす…

「お、おいなんだよその反応…怖ぇなぁ…はは…は…」

馬鹿な噂が本当の様に感じてウィードが笑いとばす。

「ウィードさん…そんな訳ないじゃん…見てよこんなに可愛いか弱い女の子だよ?」

テオがミヅキを見せる。

「そ、そうだよな!そんな奴がいたら今頃大騒ぎだよな!」

「そうそう!」

リュカが頷くと

「前にドラゴンが来た時に暴れてた奴らでもない限り無理だよな!」

「ソウダネー」

「ムリダネー」

リュカとテオがウィードさんから目を逸らしながら頷いた…。

ウィードは気を取り直してミヅキから貰ったナイフを見ると…

「いや…坊主の剣も凄かったが…これはいいなぁ…」

ニヤッと笑うと

「じゃあちょっと試しに切らせてもらうな」

ウィードがミヅキを見るとニヤリと頷かれる。

先程まで刃が通らなかった場所に神木のナイフをつけると…スルッとナイフが魔物の皮を裂いた。

「おお!」

気持ち良い切れ味にウィードの顔がほころぶ。

「これは凄い…」

いつもなら時間のかかる魔物の解体が半分の時間で終わる。

「こいつは気持ちいいほどの切れ味だな…木のナイフとは思えん」

ウィードはナイフについた血を拭うと

「ありがとうな」

刃の方を持ってミヅキにナイフの柄を向ける。

「ん?」

ナイフを返そうとするウィードにミヅキが首を傾げると

「それはウィードさんにあげるために作ったんだよ」

「いや、こんな高価な物はもらえない」

ウィードが首を振って断る。

「ならこれをあげる代わりにリュカ達の解体を格安にしてあげてください」

ミヅキが頼むと

「そんな事でいいのか?」

「うん、これからお世話になると思うからよろしくお願いします!また揉め事に巻き込まれたら力になってください」

「ミヅキ…」

リュカとテオがミヅキを見つめる。

ミヅキは二人に笑いかけると

「ベイカーさんの防具が出来たらまた王都を少し離れるからねリュカ達はせっかく冒険者になったんだからここで頑張ってね」

「嬢ちゃんがそう言ってくれるなら喜んでやらせてもらうよ、それでこのナイフがもらえるなら文句はない」

「元々あげる予定だったから気にしないで下さいね、あっ、あとリュカ達の他にも何人かいるのでよろしくね」

「おお!ドンと来い!」

ウィードは胸を叩いた!

ミヅキはウィードさんにリュカ達の事をお願いすると受け付けへと戻る。

するとリク達が依頼書を手にミヅキ達を待っていた。

「遅いよ~」

リクが不貞腐れた顔をすると

「ごめんごめん!解体のウィードさんにみんなの事お願いしてたから」

「そ、そうか…なんか悪かったな」

リク達が急かした事で気まずそうな顔をすると

「初めの依頼だもんね!気持ちはわかるよ、それでどんな依頼にするの?」

「俺はこれがいいと思うんだ」

リクが依頼書を見せる。

そこには…

「オーク集落殲滅…」

「俺達向きじゃないか?」

リクがリュカに笑いかける。

「面白そうだな!コジローさんどう思う?」

「うーん…オーク集落か…ランクは一応Cランクか…そんなに大きくない集落なのかもな」

「どうかな!?ベイカーさん」

今度はベイカーに聞いてみると

「まぁコジローがいるなら大丈夫じゃないか?」

「「「やったー!」」」

「じゃあ早速受け付けに出しに行こうぜ!」

リクがコジローさんを引っ張っていく。

「どうする?俺達もついて行くか?」

ベイカーがミヅキに聞くと

「うーん…そうだね!昨日の事もあるしリュカ達の邪魔しないように見るだけでついて行こうか!」

「じゃあついでに俺達も何か依頼していかねぇか?」

【いいな!】

シルバが賛成する。

「あっじゃあ作りたいものあるから…向こうはオークだから…私達は鳥系がいいな!」

「おっ!いいね!じゃあちょっと依頼書見てこようぜ」

ベイカーとミヅキはお目当ての依頼書を探しに行った。
感想 6,830

あなたにおすすめの小説

【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します 表紙

【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します

「子供っぽい嫉妬はやめろ」私が命懸けで出産した日、夫のヴィンセント侯爵は初恋の人の所へ行ってしまった。理由を説明して欲しいと言うと、子供っぽい嫉妬をやめろと厳しい声で言われてしまう。しかも初恋の相手がいきなりやってきて「侯爵様は昔から私を命懸けで助けてくれるんです」と悪びれもせずに言い放った。妻よりも初恋相手を優先する夫は必要ないので私は夫を初恋相手へ返品した。すると生まれてから一度も人に頭を下げたことのないヴィンセントが、ボロボロになって私に頭を下げてきて⋯⋯。
恋愛 連載中 長編
文字数:94,149
過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜 表紙

過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜

過保護な父と兄たちに囲まれて育った少女。 初めての外は危険だらけ——のはずが、全部“秒で解決”。 溺愛×コメディ×ほんのり成長の、ほっこり家族物語。
恋愛 完結 短編
文字数:20,369
転生先で冒険者専門のお弁当屋さん始めます〜助けてくれた冒険者兄弟にお礼をしたかっただけなのに、大繁盛してしまいました〜 表紙

転生先で冒険者専門のお弁当屋さん始めます〜助けてくれた冒険者兄弟にお礼をしたかっただけなのに、大繁盛してしまいました〜

保育士として働いていた莉子は、ある日の仕事中に暴走してくる車から子どもたちを守り、死んでしまう。 しかし、目が覚めるとそこは深い森の中。 ここはどこだろうと彷徨い歩いているうちに狼のような獣に襲われかけたものの、間一髪のところで冒険者の兄弟、ベクターとゼノに助けてもらった。 家族が宿屋をやっているから、と行くあてもない莉子を拾ってくれた二人。 やってきたのは、リーベル王国の国境付近にある街、ベルン伯爵領。 そこにある人気の宿屋に身を置くことになった莉子は、様々な事情を知りながら身を寄せることへのお礼のため、ベクターとゼノにお弁当を作ろうと決意して──?
ファンタジー 連載中 長編
文字数:124,638
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか? 表紙

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
ファンタジー 完結 長編
文字数:148,101
『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜 表紙

『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜

元・社畜SE、今世は国宝級の赤ん坊!? 最強の父様とお兄様が過保護すぎて、一歩歩くだけで国が揺れちゃいます!
ファンタジー 完結 長編
文字数:187,096
捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした 表紙

捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした

神殿で無能と決めつけられ、三歳で捨てられた少女リリア。 辺境伯家に保護された彼女は、厳つい辺境伯やお兄様たち、領民にまで溺愛されながら幸せな日々を送ることに。 けれど実はリリアは、数百年に一人現れる伝説級の聖女だった。 これは捨てられた幼女聖女が、たくさんの愛に包まれながら成長していく物語。
ファンタジー 完結 短編
文字数:36,970
悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません 表紙

悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません

乙女ゲームの悪役令嬢・セレフィーナに転生した私。 破滅回避のため、目立たず静かに生きる――はずだった。 しかし現実は、三人の兄による全力溺愛&完全監視生活。 外出には護衛、交友関係は管理制、笑顔すら規制対象!? さらに兄の親友である最強騎士・カインが護衛として加わり、 静かで誠実な優しさに、次第に心が揺れていく。 「恋をすると破滅する」 そう信じて避けてきた想いの先で待っていたのは、 断罪も修羅場もない、安心で騒がしい未来だった――。
恋愛 完結 短編
文字数:14,447
初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました 表紙

初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました

夫婦となって初めて迎えた夜、セレンティアは夫リオールから「俺には、愛する人がいる」と告げられる。 彼が初夜を済ませた理由は、三年後に白い結婚として婚姻無効を申し立てられないようにするためだった。 けれどリオールは知らなかった。セレンティアの祝福《一日回帰》が、自分自身の身体にも使えることを。 セレンティアは自分の身体の時間を一日前へ戻し、三年間、侯爵家の妻として務めを果たすことを決める。 夫に愛されるためではない。三年後、白い結婚としてこの家を出ていくために。
恋愛 完結 短編
文字数:12,593