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14章
652.ヴィーラ
「ヴィーラ!私だ、アトラスだ!目を覚ませ!」
アトラス様がヴィーラ様に必死に声をかけると…
「ははは!無駄だ!ヴィーラには特に強力な洗脳をかけた…」
大臣がニヤリと笑った。
「ガルバドゥス!お前にそんな事が出来るわけないだろ!」
「ふん!それが出来るのだ!これのおかげでな!」
そう言ってガルバドゥス大臣は胸元から黒い魔石を取り出した。
「あっ!」
私達は顔を見合わせる…あれの力で洗脳などをしていたのか…
「おじさんそれは凄く危険な物だよ!早く手離して!」
私が叫ぶと…
「ん?なんだこの子供は…」
大臣が私達に目を向けた。
「その力をそれ以上使わないで!取り返しがつかなくなるよ!」
「うるさい!もうここまでバレたらどっちにしろ終わりだ!それにやっと魔法が使えたんだ…止める気はない」
大臣はニヤニヤと笑っている。
「ミヅキ、駄目だあれはもう…」
ベイカーさんが私を抱き上げた。
「だからもうそんな悲しそうな顔をするな…あれはあの子供とあの男が決めた事だ。お前には関係ないんだよ」
「うう…」
もうあの魔石で死んで行く人を見たくない…ベイカーさんがもう見るなとばかりに優しく私の頭を自分に押し当てた。
「あれのせいで大臣は魔法が使えるようになり、ヴィーラを操っているんだな…」
アトラス様が確認してくると、アルフノーヴァさんが答えた。
「そうです…ですがあれに頼れば待つのは死のみ…普通の人が扱えるものではないよ」
「だがあいつは離す気が無いようだな…」
アトラス様が大臣を睨みつけると…
「すまんが私はヴィーラを押さえつける。その間にあの大臣と魔石を頼んでもいいか?」
アトラス様がベイカーさん達に囁いた…
「わかった」
ベイカーさんは頷くと私をコジローさんに預ける。
「ベイカーさん…気をつけて…」
「大丈夫だ、すぐに終わらせる」
ベイカーさんはニカッと笑うと大臣の方に向かって行った。
【しょうがない…俺も行くか…】
シルバが私にところに擦り寄ってくると行ってくると声をかける。
【シルバも行くの?】
【うむ、あの白い獣人は結構やりそうだからな…加勢してやってくる。ミヅキはあの毛が触りたいんだろ?】
【えっ?あっ…う、うん!怪我して欲しくない】
【任せておけ!その代わり上手くいったら…】
シルバがチラッとこちらを伺うように見ている。
【さっきの事は許してくれるか?】
心配そうに尻尾を下げる。
その姿のギャップに思わず笑うと
【かっこよかったらね】
私の言葉にシルバの尻尾が激しく動いた。
【それと、アランをどうにかしてやった方がいいんじゃないか?】
そう言ってシルバは嬉嬉としてアトラス様の加勢に行った。
「あっ!アランさん!」
私はコジローさんと顔を見合わせると下ろしてもらいアランさんの元に向かった!
「アランさん!大丈夫!?」
瓦礫を退かそうとするがビクともしない、うーん!と岩を持ち上げようとすると…
ヒョイッと岩が軽くなる。
見るとじいちゃん達が助けに来てくれた。
「じいちゃんアランさんが」
「大丈夫じゃよ、そんな心配する程の事じゃない」
じいちゃん達が岩を退けると
「いてて…」
アランさんが壊れた壁の後ろから出てきた!
「アランさん!ごめん遅くなって…」
「ああ体は問題ない、剣が吹っ飛んで探してた」
アランさんが笑って答える。
「お腹平気?」
蹴られたお腹が気になった…だって凄い音してたし
「ん?ああ…ちょっと脇腹が折れたがまぁ戦える」
服をめくってお腹を見せてくれると赤黒い痣が出来ていた…
痛そう…
でもアランさんは平気そうな顔をしている。
「全く、油断しとるからだ!」
じいちゃんが馬鹿とアランさんの頭を叩こうとするとアランさんがヒョイっと避けた。
「いやあの獣人かなりやるぞ、速さもあるし力も相当なもんだ…腕相撲を手合わせ願いたいな」
「う、腕相撲って…」
ロバートさんがそれを聞いて呆れる。
「ヴィーラ様は力だけならアトラス様より数倍あるぞ…俺では全然敵わない」
「まじか…じゃあこの程度ですんでよかったかもな…」
アランさんは自分の胸と腹を撫でた。
「アランさん…抱っこ…」
私はアランさんに抱っこを頼むと
「ん?珍しいな…」
アランさんが右手で私を抱っこした。
多分怪我が左側だからそっちの手を動かすのが痛いのだろう。
「ごめんね怪我してるのに抱っこさせて…」
私がボソッと謝ると
「ミヅキなんか防具より軽いよ、持ったうちにも入らねぇよ」
アランさんが笑うと
「近づかないと回復魔法バレちゃいそうだからね…」
私はアランさんが怪我をした場所をそっと触ると回復魔法をかける。
「おい!」
アランさんが慌てて背を向けると
「あの禿げが居るところでそんなの使うな!お前の存在がバレるだろ」
アランさんがコソッと声をかけると後ろの様子を伺う。
見るとあの大臣はベイカーさんと戦っていてこちらの様子に気がついていなかった。
アランさんがほっと息を吐くと…
胸に痛みが無くなっているのに気がついた。
「ありがとな、でもこの程度なら自力で治すから大丈夫だ」
「でも…」
私の渋る顔に仕方なさそうにアランさんが笑った。
「まぁせっかく治して貰ったしもういっちょ頑張ってくるか!」
アランさんが私をそっとおろして、頭を撫でると剣を振り上げてベイカーさんの方へと向かう。
「さっさと終わらせて来るからな」
「うん!頑張って!」
ベイカーさんとアランさんが組めばあんな禿げオヤジなんかあっという間だ!
私は頼もしい背中を見つめた。
「グッ!」
順調そうなベイカーさん達に比べてアトラス様が苦戦している。
やはり奥さんに手を出すのは辛いのだろう…
【もういい!お前は下がってろ!】
堪らずにシルバがアトラス様を後ろ足で蹴りあげた。
「あー!」
まさにその瞬間を見てしまった。
王様を足蹴に…私は思わず顔を覆う。
しかしアトラス様がいた場所に斬撃が走った…いたら怪我ではすまなかったかも!
それがわかったのかアトラス様がシルバにお礼を言った。
「すまない…」
【邪魔だ!お前は下がってろ!】
シルバが唸るがアトラス様には通じない
「すまない一緒に戦ってくれ」
シルバの隣に並んでしまった。
「グルルル!」
シルバが不機嫌そうにすると…
「ミヅキ、俺はシルバさんの手伝いに行ってくる!ギルマス達と居てくれ!」
コジローさんが通訳に走ってくれた。
「シルバさん俺も手伝います。まずはアトラス様はお下がりを…いくら国の問題でも伴侶には手が出しずらいでしょうから」
コジローさんが声をかけると
「この国の事で…しかもウエスト国の皆さんだけに任せる訳には…」
アトラス様の申し訳なさそうな様子にシルバはイラッとすると…
【うるさい!邪魔だ!】
パンッ!とアトラス様を叩きつけた。
「えっ!」
シルバの行動にコジローさんは唖然とアトラス様が落ちる様子をスローモーションで見つめていた。
アトラス様がヴィーラ様に必死に声をかけると…
「ははは!無駄だ!ヴィーラには特に強力な洗脳をかけた…」
大臣がニヤリと笑った。
「ガルバドゥス!お前にそんな事が出来るわけないだろ!」
「ふん!それが出来るのだ!これのおかげでな!」
そう言ってガルバドゥス大臣は胸元から黒い魔石を取り出した。
「あっ!」
私達は顔を見合わせる…あれの力で洗脳などをしていたのか…
「おじさんそれは凄く危険な物だよ!早く手離して!」
私が叫ぶと…
「ん?なんだこの子供は…」
大臣が私達に目を向けた。
「その力をそれ以上使わないで!取り返しがつかなくなるよ!」
「うるさい!もうここまでバレたらどっちにしろ終わりだ!それにやっと魔法が使えたんだ…止める気はない」
大臣はニヤニヤと笑っている。
「ミヅキ、駄目だあれはもう…」
ベイカーさんが私を抱き上げた。
「だからもうそんな悲しそうな顔をするな…あれはあの子供とあの男が決めた事だ。お前には関係ないんだよ」
「うう…」
もうあの魔石で死んで行く人を見たくない…ベイカーさんがもう見るなとばかりに優しく私の頭を自分に押し当てた。
「あれのせいで大臣は魔法が使えるようになり、ヴィーラを操っているんだな…」
アトラス様が確認してくると、アルフノーヴァさんが答えた。
「そうです…ですがあれに頼れば待つのは死のみ…普通の人が扱えるものではないよ」
「だがあいつは離す気が無いようだな…」
アトラス様が大臣を睨みつけると…
「すまんが私はヴィーラを押さえつける。その間にあの大臣と魔石を頼んでもいいか?」
アトラス様がベイカーさん達に囁いた…
「わかった」
ベイカーさんは頷くと私をコジローさんに預ける。
「ベイカーさん…気をつけて…」
「大丈夫だ、すぐに終わらせる」
ベイカーさんはニカッと笑うと大臣の方に向かって行った。
【しょうがない…俺も行くか…】
シルバが私にところに擦り寄ってくると行ってくると声をかける。
【シルバも行くの?】
【うむ、あの白い獣人は結構やりそうだからな…加勢してやってくる。ミヅキはあの毛が触りたいんだろ?】
【えっ?あっ…う、うん!怪我して欲しくない】
【任せておけ!その代わり上手くいったら…】
シルバがチラッとこちらを伺うように見ている。
【さっきの事は許してくれるか?】
心配そうに尻尾を下げる。
その姿のギャップに思わず笑うと
【かっこよかったらね】
私の言葉にシルバの尻尾が激しく動いた。
【それと、アランをどうにかしてやった方がいいんじゃないか?】
そう言ってシルバは嬉嬉としてアトラス様の加勢に行った。
「あっ!アランさん!」
私はコジローさんと顔を見合わせると下ろしてもらいアランさんの元に向かった!
「アランさん!大丈夫!?」
瓦礫を退かそうとするがビクともしない、うーん!と岩を持ち上げようとすると…
ヒョイッと岩が軽くなる。
見るとじいちゃん達が助けに来てくれた。
「じいちゃんアランさんが」
「大丈夫じゃよ、そんな心配する程の事じゃない」
じいちゃん達が岩を退けると
「いてて…」
アランさんが壊れた壁の後ろから出てきた!
「アランさん!ごめん遅くなって…」
「ああ体は問題ない、剣が吹っ飛んで探してた」
アランさんが笑って答える。
「お腹平気?」
蹴られたお腹が気になった…だって凄い音してたし
「ん?ああ…ちょっと脇腹が折れたがまぁ戦える」
服をめくってお腹を見せてくれると赤黒い痣が出来ていた…
痛そう…
でもアランさんは平気そうな顔をしている。
「全く、油断しとるからだ!」
じいちゃんが馬鹿とアランさんの頭を叩こうとするとアランさんがヒョイっと避けた。
「いやあの獣人かなりやるぞ、速さもあるし力も相当なもんだ…腕相撲を手合わせ願いたいな」
「う、腕相撲って…」
ロバートさんがそれを聞いて呆れる。
「ヴィーラ様は力だけならアトラス様より数倍あるぞ…俺では全然敵わない」
「まじか…じゃあこの程度ですんでよかったかもな…」
アランさんは自分の胸と腹を撫でた。
「アランさん…抱っこ…」
私はアランさんに抱っこを頼むと
「ん?珍しいな…」
アランさんが右手で私を抱っこした。
多分怪我が左側だからそっちの手を動かすのが痛いのだろう。
「ごめんね怪我してるのに抱っこさせて…」
私がボソッと謝ると
「ミヅキなんか防具より軽いよ、持ったうちにも入らねぇよ」
アランさんが笑うと
「近づかないと回復魔法バレちゃいそうだからね…」
私はアランさんが怪我をした場所をそっと触ると回復魔法をかける。
「おい!」
アランさんが慌てて背を向けると
「あの禿げが居るところでそんなの使うな!お前の存在がバレるだろ」
アランさんがコソッと声をかけると後ろの様子を伺う。
見るとあの大臣はベイカーさんと戦っていてこちらの様子に気がついていなかった。
アランさんがほっと息を吐くと…
胸に痛みが無くなっているのに気がついた。
「ありがとな、でもこの程度なら自力で治すから大丈夫だ」
「でも…」
私の渋る顔に仕方なさそうにアランさんが笑った。
「まぁせっかく治して貰ったしもういっちょ頑張ってくるか!」
アランさんが私をそっとおろして、頭を撫でると剣を振り上げてベイカーさんの方へと向かう。
「さっさと終わらせて来るからな」
「うん!頑張って!」
ベイカーさんとアランさんが組めばあんな禿げオヤジなんかあっという間だ!
私は頼もしい背中を見つめた。
「グッ!」
順調そうなベイカーさん達に比べてアトラス様が苦戦している。
やはり奥さんに手を出すのは辛いのだろう…
【もういい!お前は下がってろ!】
堪らずにシルバがアトラス様を後ろ足で蹴りあげた。
「あー!」
まさにその瞬間を見てしまった。
王様を足蹴に…私は思わず顔を覆う。
しかしアトラス様がいた場所に斬撃が走った…いたら怪我ではすまなかったかも!
それがわかったのかアトラス様がシルバにお礼を言った。
「すまない…」
【邪魔だ!お前は下がってろ!】
シルバが唸るがアトラス様には通じない
「すまない一緒に戦ってくれ」
シルバの隣に並んでしまった。
「グルルル!」
シルバが不機嫌そうにすると…
「ミヅキ、俺はシルバさんの手伝いに行ってくる!ギルマス達と居てくれ!」
コジローさんが通訳に走ってくれた。
「シルバさん俺も手伝います。まずはアトラス様はお下がりを…いくら国の問題でも伴侶には手が出しずらいでしょうから」
コジローさんが声をかけると
「この国の事で…しかもウエスト国の皆さんだけに任せる訳には…」
アトラス様の申し訳なさそうな様子にシルバはイラッとすると…
【うるさい!邪魔だ!】
パンッ!とアトラス様を叩きつけた。
「えっ!」
シルバの行動にコジローさんは唖然とアトラス様が落ちる様子をスローモーションで見つめていた。
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