狂犬を手なずけたら溺愛されました

三園 七詩

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5.クロード視点

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医者はリリアや数人の従事達と話していたようですぐに駆けつけてきた。

ラーミアは意識がないので医者が来ても騒ぐ事はなかった。

医者はすぐにラーミアの様子を確認する。

「どうだ!  ラーミアは!」

「大丈夫です。だいぶ落ち着いています、これは極度の緊張から安堵して気を失ったのでしょう。呼吸がしやすいように鼻水を取って熱冷ましを飲ませておきましょう」

医者はテキパキと処置をするとすぐに部屋を出た。

「気がついた時に男の人が側にいない方がいいでしょう。申し訳ありませんがそれは父親である侯爵様も同様です」

「わかっている」

「なぜかはわかりませんがお嬢様は男性が怖いようです。普通なら赤子にあのような反応は中々みられないのですが・・・」

「どんな時に見られるんだ」

「そ、それは・・・」

医者は言いにくそうにしている。

「許す、話してくれ」

「はい、お嬢様がそうだとは思えませんが・・・以前同じような症状の女性にあったことがあります。その人は男性から暴力や暴行を日常的に受けていて・・・その、男性不信になっておりました」

「暴力・・・」

ラーミアに暴力をふるった男がいたのかと拳に力が入る。

「ありえませんわ、ラーミアは生まれてからこの部屋を出たことはなく私とメイド以外には会っておりません」

リリアがはっきりと答えた。

「はい、ですので原因が・・・」

医者もわからないと首をふった。

「とりあえずは落ち着くまで男性を近づけるのはやめた方がいいでしょう、物事が理解できるようになってから徐々に慣らしていくのがいいかと思います」

「わかった。あとすまんが何かあった時に女性の医者を紹介して欲しい。あなたが悪いというわけではないが・・・」

「わかっております。信用出来る医者を紹介します」

医者は気分を悪くする事なく屋敷を後にした。


「ラーミア・・・」

医者が帰るとリリアとラーミアの様子を見に行った。
寝ているからと私も少しだけ近くに行くが気がつく前にすぐに退けるようにと立って待機した。

するとラーミアがまたうなされながら手を上げる。

「あっ、その手を握ってやってくれ」

私がそう言うとリリアはフッと笑い私の手を取りラーミアに近づける。

「ラーミアは今日は起きませんよ、あなたが握ってあげてください」

「しかし・・・」

また熱でもあがったら大変だ。

しかしリリアは大丈夫だと私の手をさらに引っ張った。
そしてラーミアに手が触れるとその指をまた掴まれた。

「ほら、ラーミアもちゃんもわかってます。あなたが本当は優しく頼もしい父親だって」

リリアに促され私はラーミアが手を離すまでその小さな手を握りしめていた。
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