狂犬を手なずけたら溺愛されました

三園 七詩

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29.二度目の街

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 お父様は次の日、夜遅くに自分の仕事を片付けて清々しい顔で帰ってきた。

「さぁラーミア!これで明日は一日中一緒にいられるぞ」

 お父様は帰ってくるなり私に抱きついて笑顔で報告する。

「旦那様、出来るなら毎回あのスピードで仕事をしてくださっていいんですよ」

 アデリーさんはなんだか疲れた顔でため息をついている。

「アデリーは明日行けないの?」

 疲れた様子に無理をさせては駄目かと聞いてみた。

「いえ!お嬢様の為なら仕事を放棄してでもついて行きますよ」

「お嬢様、私も行きますからね!今度は絶対にそばを離れません!」

 ステファンさんも並々ならぬやる気をみせていた。

「二人ともありがとう」

 二人が居てくれるのがとっても頼もしく、お礼を言う。
 すると目尻を下げて二人が近づいて来た。
「おい」とお父様が私をくるっと後ろに隠す。

「それ以上近づくな、ラーミアが怖がるだろ」

「旦那様酷い!」

「お嬢様は私達に平気です!」

 二人は後ろでお父様にぎゃあぎゃあと抗議していた。

「さぁラーミアは明日の支度もあるし早めに休みましょうね」

お母様はそんな騒がしいお父様達から私を奪うとナディアと共に部屋へと向かった。

「お母様、ヨハンは?」

「ヨハンはミルクを飲んで今はぐっすり寝ているわ」

そう聞いてホッとする。明日は問題なくみんなで街に行けそうだった。

「お母様、明日はドレスを見に行くんだよね?」

「ええ、いつも来てくれているお店に行くから安心して。そこはラーミアも知ってると思うけど従業員は女性だけだからね」

「うん」

あの出来事があったあのお店はあの後すぐに潰れてしまったらしい。
私のせいかと思ったがお父様が絶対に違うから安心するようにと言ってくれた。

その後すぐにあの時対応してくれた女性店員さん達がまた屋敷に訪れた。

なんでも新しいお店を立ち上げたらしく、お母様がそのお店の資金など援助してる。
なので前と同じように屋敷までドレスを見せに来てくれていた。

「今子供のドレスに力を入れてるらしくてラーミアに着せるのを楽しみにしてるのよ」

「フレアさんが?」

お店の店員さんの名前をいうとお母様が笑顔で頷く。

フレアさんは前のお店でもずっと担当してくれていた今のお店の店長さんだ。

その後も変わらずお付き合いしてて私もすっかり顔と名前を覚えていた。

「フレアさん優しくて綺麗だから好き」

「ええ、お母様も彼女を気に入ってるの。ラーミアが同じで嬉しいわ」

お母様と少し明日のドレスの話をしているとファッとあくびがでる。

「さぁラーミアはもうおやすみなさい、明日は素晴らしい日にするからね」

「お母様……おやすみ、なさい」

私は半分眠りながらお母様のおでこのキスを感じて眠りについた。


「リリア?」

ラーミアが眠りにつくとクロードが部屋に顔を見せた。

「今寝たところよ」

リリアに言われてベッドを覗くとラーミアが気持ちよさそうに寝息をたててい。

私はそっとラーミアの髪を撫でるとリリアと共に部屋を出ていった。

「明日は何としてもラーミアを守らないと」

「ええ、昨年の事がありますからね」

リリアの不安そうな顔を見て私はギュッと抱きしめる。

「明日は私も行くから大丈夫」

私の笑顔にリリアもホッと笑顔を見せた。
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