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170.再会

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「では、行ってまいります」

ローズがバルトと出かけようとすると

「少しお待ち下さい。今警護の者をお呼びしてありますから」

スチュアートさんがニコッと笑う…機嫌の良さそうな様子に首を傾げていると…

トントン!

部屋をノックする音がする。

「あっ来たようですね」

スチュアートさんが開けようと扉に近づくと…

「あれ?この匂い…」

ローズがクンクンと鼻をひくつかせる。

「お待ちしておりました」

スチュアートさんが扉を開くとそこにはカイルと同じような服を着た兵士と…

「クリス!」

「姉さん!」

弟のクリスが立っていた!

ローズはクリスに駆け寄ると…

「なんでここに!?どうしたの?」

クリスの体をぺたぺたと触る。

「どうしたもこうしたもないよ!あんな手紙一つで王都に残る事になったって!」

クリスがプンプンと怒っていると、後ろに立つニコニコと笑っているスチュアートさんとクレアさんに気がつく。

「すみません!ご挨拶が遅れました。タウンゼント男爵家の長子のクリス・タウンゼントと申します。スチュアートさんとクレアさんで間違いございませんか?」

二人に頭を下げると

「はい、この度は遠い所よくお越しくださいました。先般はお手紙で失礼致しました…お姉様のローズ様には大変お世話になっております」

スチュアートさんとクレアさんが同じ様に頭を下げる。

「「やめてください!」」

クリスとローズが声を揃える!

「お世話になってるのは私です!」

「失礼だなんてとんでもない!スチュアートさんのお力添えでこうして王都に来て仕事も頂けました!」

「えっ?」

ローズが驚いてクリスを見ると

「手紙って何?クリス王都で働いてるの!?」

「そうだよ、姉さんの手紙には大丈夫しか書いてないんだもん!後は僕と父さんの事ばかりで…その後にスチュアートさんから細かな詳細と仕事の口添えをしていただいたんだよ」

「いえ、口添えなんて…ただ有能な若い者を探していると聞いていたのでクリス様の事を思い出しまして…ローズ様の弟君ならさぞ有能だと思いまして」

「そうなんです!クリスは本当に出来る子で!」

「もう、姉さん…恥ずかしいよ…」

クリスは赤く頬を染めながらも嬉しそうに笑っている。

「それに王宮はちゃんと出来る方しか取りませんよ。いくら口添えをしたからと言って必ずしも雇って貰えるわけではございません。ちゃんとクリス様の実力だと思いますよ」

スチュアートさんが笑 微笑んで頷く。

「そうだな、スピアさんもクリスには期待していると言っていたぞ」

「えっ…」

「あっ…」

急に話し出した兵士に皆が顔をいっせいに向けると

まずい…と兵士は口を押さえた。
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