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第20章 渦紋を描く
12.特別区 それぞれの一幕 2
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■■■前書き■■■
お気に入りや感想、web拍手、コメントをありがとうございます。
頂いた応援は更新の励みになっております。
お盆の渋滞や行列の待ち時間などの時間潰しになればと、昨日、一昨日に続いての連続更新です。
今回は前半がギルキア、後半がリダイスラという国のお話となります。
※現在帰省中なのですが、持ってきたPCでは地図の編集に対応出来ないため、後日改めて地図を更新します。それまではご不便をおかけいたします。m(_ _)m
■■■■■■■■■
◆ギルキア◆
スーランの特別区にあるギルキア公邸内の広い一室。ミルバザートと副官らが思い思いにくつろいでいると、筆頭将軍ユウェンが腹心の第2王子と2人の副官を連れて入室してきた。ユウェンとラルフがソファに座ると、ユウェンはすぐに出された紅茶を一口飲んで深いため息を吐いた。ミルバザートはそんな様子をしばらく静観すると、ユウェンの向かいに座って口を開いた。
「陛下のご様子はいかがですか?」
「やはり我が子の可愛さもあって、別の方法を模索できないかと連日手紙が届いている。だが、マードリア最後の王と似たところがあるというのは、陛下も分かっていらっしゃるからな。親心をお示しになっているが、もはやどうにもならないのもお分かりだ」
「あの2人は意気投合する場面もあれば、喧嘩もしてましたから。本人に自覚はないようでしたが、誰が見ても似た者同士。その末路を考えれば、潔く身を引き、第二の人生を考える方が良いと思うのですが。アレにその親心が伝わるとは思えません」
「他の王子達は、何とか伝手を使って接触を試みようとしているというのに。いまだに事の深刻さが分からず、『俺の誘いを拒否する方が悪い』と大声で言い張っているのを見ると、親心から取り付けた最後の頼みも、おそらく無駄になるだろうな」
「貴族たちが周りを固めた結果、あのように操りやすい人間に育ちましたが、今回ばかりは誰も庇うことは出来ませんでしたね」
「取り巻き達はとっくにアレを身限り、ラルフの方に近付いているのに。それにも気付いていないのは呆れる。お前に頼んでおいた人員についてはどうなっている?」
「着実に集まっておりますが、まだ想定している人数には達しておりません」
ウェーブがかかったオレンジ色の髪をかきあげたミルバザートは、その美しい顔を困ったように歪めた。
「神殿に流した者たちはどうだ?」
「嬉々として戻った者がほとんどです。部隊の再編により順次昇進している様子を見て、部隊内の士気も一気に上がっています。久々に忙しくなって、我々も非常に心が踊ります。
そういえば、ポルペアは国王が来ているそうですが、ご覧になりましたか?」
「市で見たが、成人して間もないくらいの若さだな。マードリアの王子ではあるが、政治経験も外交経験もほとんどなく、風格も見られない。アレが『なぜこちらから申し込まねばならんのだ。あっちが頭を下げて申し込んでくるまで放っておけ』と言って、会談の席を設けられなかったのが残念だ。
まぁ、会談を行った国の話では、冷静を装ってはいるが、経験不足からくる余裕の無さが出て、横暴だった兄王の方がまだ王らしい、と評判になっている。
国民の支持は高いらしいが、それは前王が無能すぎたからマシに見えているだけだ」
「サザベルの件はどうなさる予定ですか?」
「関係性、距離感については慎重に判断しなければならんが、使えるものは使う。いくらディネードが有能でも、王族や副官たちは残念な脳筋しかいない。バカの復讐心ほど扱いやすいものはないだろう」
「シェニカ様の影響を考慮しなければ、ウィニストラとサザベルがぶつかった場合、勝つのは自分達だと確信しているのが面白いですね」
「どの国も茶会に期待しているというのに。我が国はアレのせいでマイナスからのスタートな上に、そこを突かれてしまう羽目になった。
だが、ようやく日の目を見る時が巡ってきた。これまで日陰に甘んじてきた分、派手にやろうではないか。その最初の場にふさわしいのは、やはりポルペアだな」
「我々が本来の力を発揮出来る日が1日でも早く来てほしいです」
「ラルフ、頼んだぞ」
「もちろんです。操り人形にならずに済んだのは、皆様が私に真実と知識を教えて下さったからこそ。あるべき姿に戻すためにも、これからもどうかご助力をお願い致します」
その場にいた全員が深く頷くと、ラルフは手にした紅茶に視線を落として口元に弧を描いた。
◆リダイスラ◆
チャイドの特別区にあるリダイスラ公邸では、王太子や大使、筆頭将軍、将軍、副官、文官らが集結し、大きな机の上に広げられた書類を読みながら難しい顔をしている。時折小さな声でそれぞれ会話しているものの、時間が経っても眉間に皺を寄せる状況は変わらなかった。
「シェニカ様が絶賛した料理について、女将は『パケジー族の料理の秘訣は、この地のハーブ、タイミングばっちりの合いの手、乙女心とパートナーへのアツい情熱を言葉に変える表現力である』と話しただと? 料理に合いの手って餅つきかよ」
煮詰まった状況に耐えられなくなった王太子は、部屋全体に響くようなため息を吐くと、隣にいた筆頭将軍の腹心に話しかけた。
「トリニスタの情報はよく分からん内容が多くないか? 特に料理の話は料理人に聞いても首を傾げるばかりだ。だいたい、料理に合いの手と乙女心と表現力って必要なのか? お子様ランチを1週間連続で注文するって本当なのか? トリニスタの神殿は嘘を書いているのではないか?」
「開示していなかったとはいえ、神殿が公式に作った物ですから事実は事実だと思います」
「じゃあ、なんで1週間もお子様ランチを注文するんだ? 料理に合いの手と乙女心と表現力って必要なのか? お前はどう思う?」
シンと静まり返り、全員の視線が注がれる中、腹心は困ったようにポリポリと顔を掻きながら口を開いた。
「えっと…。料理に合いの手と乙女心と表現力が必要なのかは、正直私にも分かりません。お子様ランチは、1つの皿に多種類の料理が乗っているので、シェニカ様はそういう料理がお好きなのではないかと。そのレストランには、そういう形での料理がお子様ランチしかなかったから、1週間も注文し続けたのではないか、と思うのですが…。
『ネックレスをおつけするつもりで丁寧に恭しく、尊敬の念を懐きながらエプロン(子ども用)を着け続けたところ、非常に温かい感謝の言葉を頂けた。お子様ランチについているおもちゃセットは、お菓子つきの小さなぬいぐるみをよく選ばれた。飽きがこないよう、おもちゃや料理の内容を、ご注文の度に少しずつ変更したこともご好評頂いた』とも書かれているので、料理だけでなく、子供用のエプロンやおもちゃも、お好きなのだと思います…」
「大人が子供用のエプロンを着けてもらって喜ぶものか?」
「シェニカ様の性癖に関する情報はありませんが。子供扱いされたい、という性癖があるのかもしれません」
意見を求められた筆頭将軍が困った様子で返答すると、王太子は納得したような顔になって腕を組んだ。
「なるほど。『可愛いでちゅね~』とか言われたいってことか」
「殿下、それは赤ちゃん言葉です」
「うっ!ううううるさい! じゃあどういうのが子供扱いなんだ!?
ユーベ!お前子供がいるだろ。どう思うか言ってみろ!」
部屋の隅でお茶の用意を始めた文官に即座に突っ込まれた王太子は、顔を赤くして動揺した。名指しされた別の若い文官は、一瞬戸惑ったものの、しばらく「うーん」と唸って必死に考えた。
「『上手だね~』『すごいね~』とかおだてたり、持ち上げて『たかいたか~い』とか、おんぶとか、お馬さんやごっこ遊びなどするのが、子供扱いと思いますが…。大人の女性相手に子供扱いするというのは、私には難問すぎて妙案が浮かびません」
「初対面で子供扱い、というのは流石に失礼に当たるので、カケラの交換が出来るくらい親しくなったころに、そういう扱いに変えるのが良いかもしれませんね。ひとまず、同性の経験豊かな人物の意見も参考にした方が良さそうですので、娼館に行って意見を求めるよう命じてはどうでしょうか」
「そうだな。そうしてくれ」
副官たちの中で一番年齢の高い男が意見を述べると、その場にいた全員が「なるほど」という表情で頷き合った。そして立っているだけで絵になる若い将軍が「あ…」と、何かに気付いたように呟いた。
「もしかしたら、ですが。トリニスタの報告書に、治療院から追い出された者が『シェニカ様は、純白のシルクで包まれた世界に導くビンタが出来る尊い方である』と話したとありますし、ギルキアの報告書にも『護衛に阻まれてしまったものの、シェニカ様には背中を思いっきり踏みつけながら罵って欲しかった』と書いてあります。
あくまで仮説ですが、シェニカ様は子供扱いされながらのSMプレイがお好きなのでは…」
「なるほど、それはありえるな!レイロード、お前そういうこと出来そうか?」
「えぇ、お任せ下さい。私は赤ちゃんプレイからハードなSMプレイまで、どの立場でも結構楽しめる方なので、シェニカ様とは気が合いそうで嬉しいです。早速シェニカ様に気に入って頂けそうな物を探してきたいと思います」
「そ、そうか。頼んだぞ…」
王太子は動揺しながら返事をし、レイロードの腹心は『この顔でそういうプレイを…』と心の中で呟きながら一緒に街へと繰り出した。そして2人がいなくなった後も何となく気まずい空気が残り続け、全員が『あいつ、そういう趣味があったのか』と心で思いながら、黙って書類を読み始めた。
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■■■■■■■■■
◆ギルキア◆
スーランの特別区にあるギルキア公邸内の広い一室。ミルバザートと副官らが思い思いにくつろいでいると、筆頭将軍ユウェンが腹心の第2王子と2人の副官を連れて入室してきた。ユウェンとラルフがソファに座ると、ユウェンはすぐに出された紅茶を一口飲んで深いため息を吐いた。ミルバザートはそんな様子をしばらく静観すると、ユウェンの向かいに座って口を開いた。
「陛下のご様子はいかがですか?」
「やはり我が子の可愛さもあって、別の方法を模索できないかと連日手紙が届いている。だが、マードリア最後の王と似たところがあるというのは、陛下も分かっていらっしゃるからな。親心をお示しになっているが、もはやどうにもならないのもお分かりだ」
「あの2人は意気投合する場面もあれば、喧嘩もしてましたから。本人に自覚はないようでしたが、誰が見ても似た者同士。その末路を考えれば、潔く身を引き、第二の人生を考える方が良いと思うのですが。アレにその親心が伝わるとは思えません」
「他の王子達は、何とか伝手を使って接触を試みようとしているというのに。いまだに事の深刻さが分からず、『俺の誘いを拒否する方が悪い』と大声で言い張っているのを見ると、親心から取り付けた最後の頼みも、おそらく無駄になるだろうな」
「貴族たちが周りを固めた結果、あのように操りやすい人間に育ちましたが、今回ばかりは誰も庇うことは出来ませんでしたね」
「取り巻き達はとっくにアレを身限り、ラルフの方に近付いているのに。それにも気付いていないのは呆れる。お前に頼んでおいた人員についてはどうなっている?」
「着実に集まっておりますが、まだ想定している人数には達しておりません」
ウェーブがかかったオレンジ色の髪をかきあげたミルバザートは、その美しい顔を困ったように歪めた。
「神殿に流した者たちはどうだ?」
「嬉々として戻った者がほとんどです。部隊の再編により順次昇進している様子を見て、部隊内の士気も一気に上がっています。久々に忙しくなって、我々も非常に心が踊ります。
そういえば、ポルペアは国王が来ているそうですが、ご覧になりましたか?」
「市で見たが、成人して間もないくらいの若さだな。マードリアの王子ではあるが、政治経験も外交経験もほとんどなく、風格も見られない。アレが『なぜこちらから申し込まねばならんのだ。あっちが頭を下げて申し込んでくるまで放っておけ』と言って、会談の席を設けられなかったのが残念だ。
まぁ、会談を行った国の話では、冷静を装ってはいるが、経験不足からくる余裕の無さが出て、横暴だった兄王の方がまだ王らしい、と評判になっている。
国民の支持は高いらしいが、それは前王が無能すぎたからマシに見えているだけだ」
「サザベルの件はどうなさる予定ですか?」
「関係性、距離感については慎重に判断しなければならんが、使えるものは使う。いくらディネードが有能でも、王族や副官たちは残念な脳筋しかいない。バカの復讐心ほど扱いやすいものはないだろう」
「シェニカ様の影響を考慮しなければ、ウィニストラとサザベルがぶつかった場合、勝つのは自分達だと確信しているのが面白いですね」
「どの国も茶会に期待しているというのに。我が国はアレのせいでマイナスからのスタートな上に、そこを突かれてしまう羽目になった。
だが、ようやく日の目を見る時が巡ってきた。これまで日陰に甘んじてきた分、派手にやろうではないか。その最初の場にふさわしいのは、やはりポルペアだな」
「我々が本来の力を発揮出来る日が1日でも早く来てほしいです」
「ラルフ、頼んだぞ」
「もちろんです。操り人形にならずに済んだのは、皆様が私に真実と知識を教えて下さったからこそ。あるべき姿に戻すためにも、これからもどうかご助力をお願い致します」
その場にいた全員が深く頷くと、ラルフは手にした紅茶に視線を落として口元に弧を描いた。
◆リダイスラ◆
チャイドの特別区にあるリダイスラ公邸では、王太子や大使、筆頭将軍、将軍、副官、文官らが集結し、大きな机の上に広げられた書類を読みながら難しい顔をしている。時折小さな声でそれぞれ会話しているものの、時間が経っても眉間に皺を寄せる状況は変わらなかった。
「シェニカ様が絶賛した料理について、女将は『パケジー族の料理の秘訣は、この地のハーブ、タイミングばっちりの合いの手、乙女心とパートナーへのアツい情熱を言葉に変える表現力である』と話しただと? 料理に合いの手って餅つきかよ」
煮詰まった状況に耐えられなくなった王太子は、部屋全体に響くようなため息を吐くと、隣にいた筆頭将軍の腹心に話しかけた。
「トリニスタの情報はよく分からん内容が多くないか? 特に料理の話は料理人に聞いても首を傾げるばかりだ。だいたい、料理に合いの手と乙女心と表現力って必要なのか? お子様ランチを1週間連続で注文するって本当なのか? トリニスタの神殿は嘘を書いているのではないか?」
「開示していなかったとはいえ、神殿が公式に作った物ですから事実は事実だと思います」
「じゃあ、なんで1週間もお子様ランチを注文するんだ? 料理に合いの手と乙女心と表現力って必要なのか? お前はどう思う?」
シンと静まり返り、全員の視線が注がれる中、腹心は困ったようにポリポリと顔を掻きながら口を開いた。
「えっと…。料理に合いの手と乙女心と表現力が必要なのかは、正直私にも分かりません。お子様ランチは、1つの皿に多種類の料理が乗っているので、シェニカ様はそういう料理がお好きなのではないかと。そのレストランには、そういう形での料理がお子様ランチしかなかったから、1週間も注文し続けたのではないか、と思うのですが…。
『ネックレスをおつけするつもりで丁寧に恭しく、尊敬の念を懐きながらエプロン(子ども用)を着け続けたところ、非常に温かい感謝の言葉を頂けた。お子様ランチについているおもちゃセットは、お菓子つきの小さなぬいぐるみをよく選ばれた。飽きがこないよう、おもちゃや料理の内容を、ご注文の度に少しずつ変更したこともご好評頂いた』とも書かれているので、料理だけでなく、子供用のエプロンやおもちゃも、お好きなのだと思います…」
「大人が子供用のエプロンを着けてもらって喜ぶものか?」
「シェニカ様の性癖に関する情報はありませんが。子供扱いされたい、という性癖があるのかもしれません」
意見を求められた筆頭将軍が困った様子で返答すると、王太子は納得したような顔になって腕を組んだ。
「なるほど。『可愛いでちゅね~』とか言われたいってことか」
「殿下、それは赤ちゃん言葉です」
「うっ!ううううるさい! じゃあどういうのが子供扱いなんだ!?
ユーベ!お前子供がいるだろ。どう思うか言ってみろ!」
部屋の隅でお茶の用意を始めた文官に即座に突っ込まれた王太子は、顔を赤くして動揺した。名指しされた別の若い文官は、一瞬戸惑ったものの、しばらく「うーん」と唸って必死に考えた。
「『上手だね~』『すごいね~』とかおだてたり、持ち上げて『たかいたか~い』とか、おんぶとか、お馬さんやごっこ遊びなどするのが、子供扱いと思いますが…。大人の女性相手に子供扱いするというのは、私には難問すぎて妙案が浮かびません」
「初対面で子供扱い、というのは流石に失礼に当たるので、カケラの交換が出来るくらい親しくなったころに、そういう扱いに変えるのが良いかもしれませんね。ひとまず、同性の経験豊かな人物の意見も参考にした方が良さそうですので、娼館に行って意見を求めるよう命じてはどうでしょうか」
「そうだな。そうしてくれ」
副官たちの中で一番年齢の高い男が意見を述べると、その場にいた全員が「なるほど」という表情で頷き合った。そして立っているだけで絵になる若い将軍が「あ…」と、何かに気付いたように呟いた。
「もしかしたら、ですが。トリニスタの報告書に、治療院から追い出された者が『シェニカ様は、純白のシルクで包まれた世界に導くビンタが出来る尊い方である』と話したとありますし、ギルキアの報告書にも『護衛に阻まれてしまったものの、シェニカ様には背中を思いっきり踏みつけながら罵って欲しかった』と書いてあります。
あくまで仮説ですが、シェニカ様は子供扱いされながらのSMプレイがお好きなのでは…」
「なるほど、それはありえるな!レイロード、お前そういうこと出来そうか?」
「えぇ、お任せ下さい。私は赤ちゃんプレイからハードなSMプレイまで、どの立場でも結構楽しめる方なので、シェニカ様とは気が合いそうで嬉しいです。早速シェニカ様に気に入って頂けそうな物を探してきたいと思います」
「そ、そうか。頼んだぞ…」
王太子は動揺しながら返事をし、レイロードの腹心は『この顔でそういうプレイを…』と心の中で呟きながら一緒に街へと繰り出した。そして2人がいなくなった後も何となく気まずい空気が残り続け、全員が『あいつ、そういう趣味があったのか』と心で思いながら、黙って書類を読み始めた。
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