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第五十話 たびだちー!!
しおりを挟む「王族や貴族がまともな国に行ってみたい。」ドーラ
「うーん、、、俺、国を出たことないし、、あまりそういうの聞いたこと無いなぁ、、どこのダンジョンがいいとか、何処の魔物が強さの割に高いとか、そーゆーんばっかしだから、、」ガンダさん
「魔法の先生、魔女なんだけど、、あの王都に住んでて、この国は居心地悪い、って言ってた。だから他にいいところがいあるんだろうけど、、」
「魔女って?」ユータ
「魔人の女」ドーラ
そーなんだー、、
「参考になるかどうか、、、東のほうに行くと、、あ、元いたあそこの国から東の方に幾つかの国を越えていくと、海に突き当たるようです。そこから南に降りると、大きな国があるそうで、そこは、孤児が居ない、と聞きました。その理由は、その話をしてくれた人も知りませんでした。裕福なのか、子供は全て兵隊に取られてしまうのか、、よくわりません。」院長先生
「あ、その南の国、居心地いい、と言っていた冒険者がいたな。そいつはいいやつだった。なので、多分だが、いい国なんじゃないかな?」
珍しくザクさんが長く発言。
「どーする?元の国のあたりから東に何カ国も越えるか、、もしくはこの領地からそんまま東に向かえば、多分その国だぜ?」ドーラ
「このまま行こうか?そのほうが、この国の周辺もわかるし、、」
「だな!」
「よし、決まった!明日の朝に発つ。あまり遠くないところでは夜にこっちに戻ってくるかも。かも、だからね?
で、なんかあったら、、、まぁ、、たまに帰ってくるから、、」
ドラゴンは大雑把だと思う
「んじゃこれ、、」とテイナとニヤとマキが、ユータにマントを着せてくれた。
「かこいいじゃん、、いーなー」ドーラ
ドーラにはこれ
と、
ユータとおそろいの少し小さめのマント。
黒地に、向こうから持ってきた金色の糸で刺繍がされている。ドラゴンの。
そしてその刺繍の下に、ドラゴニアと書かれている。
「魔法を付与していないの。ユータの方が格段に強いから。だから自分で、最低でも防御だけは付与しておいてね」テイナ
「うんわかった。どうもありがとう!!」
「おう!かっこいいの、ありがとうな!!」
翌朝
「んじゃいってくる!」
「いってきまーす!」
マントだけが新装備、他はいつもと一緒。何も持たず、ユータがプチドラゴンになったドーラを抱え、転移した。
「あっけないな、、」ジオ
「まあ、転移だあからなー」マキ
「感慨もなにも無いにゃ」
「まー、魔法使いはこんなもんよ、、私も早く転移くらいできるようにならないと、一人前とは言えないわっつ!!」テイナ
・・・・・・(ジオ)
ジオもまだ使えない。正確には、街中くらいの距離ならできる、だけ。
昔なら、それだけでも使えれば教会に連行されていたレベルだ。が、今はユータとドーラがすんごいので、赤子レベルに見えてしまう。
更に、子どもたちもみるみる魔力量が増えていっている。
彼らはいずれ、転移、前にいた本館や孤児院くらいまで転移できるようにはなるんじゃないか?と思える勢いだ。
先輩として負けられねぇ、、と思っているので、子どもたちより一回でも多く魔力を使い切ろうと思って、毎日がんばっている。
皆が切磋琢磨して、前向きにガンバッている。
ユータの、とんでもなく素直なところが、いつのまにか皆に感染しているのかもしれない。
東に数百キロ。上空高く。
日本だったら、東京駅から新潟くらいまで?名古屋とか大阪くらいまで?
「あれだな、、やっぱ見える範囲に転移するのがいいな」ドーラ。
「うん、途中、何があったかさっぱりだね!」
なので、人がゴマ粒くらいに見えるんじゃないか?程度の高度で飛ぶことにした。
結構寒いのと風が当たるんで、バリアを張りながら飛ぶ。ドーラはユータの背中に乗ってる。
ユータはうつ伏せで飛んでいる。
ユータは前方と下の方、ドーラは周りを見ている。
本人達は知らないが、大体時速80から100キロ位の速度が出ていた。追い風や無風だと100程度,向かい風だと80程度だろう。
ドーラは下に続く森の中に、たまに魔獣の巣や、コロニー(村)などを見つけていた。
魔獣でも、強くても狂暴ではない種類もいる。
知性があるのも少なくない。
だが、人の気配は全く感じなかった。
夕方、川の辺りに降りた。
「どうする?ここなら帰れるけど、、」ユータ
「帰ろうか、で、明日は今朝転移しちゃって見てなかったところを見てから、ここに転移で戻ってきて、そこからまた飛ぼう。」
「うん、わかった」
と、またドーラを抱えて転移。
「「ただいまー」」
夕飯後、報告はほとんど無い。
「なんにもなかった。森と川だけ」ユータ
「俺は、遠くに魔獣のコロニー一つ見つけた。コボルトだから意思疎通できるかも。ただ、遠いな。奴らの足でもここまで3日以上かかるだろ。」
「んじゃ、国がもっとでかくなるまでは、接触無いなー」ガンダ
「となると、今の所、南と、西の川向う、それと、山側の峠のところ、を警戒すればいいんじゃないかな」
「現状、確実なのは峠の向こう、馬車で1日か2日くらいの場所に、あっちの国の村がある、ってことが確実なだけだ。」
「んじゃ、峠に、イザという時用に罠掛けとけば?」ドーラ
「どういう?」ユータ
「んー、山崩れ起こして全軍壊滅させるとか、、」ドーラ
「それじゃ後が大変!死体が腐ったらたいへんよ!」テイナ
「半年我慢すりゃ消えるだろ?」
「いや、半年もこっちに腐敗臭くるのは、、いやかな、、」ジオ
「ボクもちょっと、、だめかな」マキ
「やっぱり、私が毒の雨で、、」テイナ
「あー、忘れてた、、マスター、どうしたろ?」ドーラ
ぼふん!
「呼ばれて飛び出て、じゃじゃまるう!!おまたせえ!!皆のダンジョンマスターだよー!!」
陽気な?妖気な?おっさん登場。
(よかったな、今日帰ってきておいて、、)ドーラ
(ほんとに!!)ユータ
「いや、呼ばれなかったら来なかったよ、流石に。ボクはこれでも人見知りでね!」
「皆の!とか言ってたくせにー。」ドーラ
「まー、お約束かな?」
なんの?
「いやだな、、小さい子達との、に決まっているじゃないか?」
「ダンジョンに小さい子は入っていかないけどね?」ドーラ更にツッコミ
「あ、あのおっちゃんだ!」と、食堂組の一人が叫んだ。
「あー、ホントだー」と、ほかの子達も言い合う。
???大人たち。
食堂組のリーダーが、大人の疑問を理解し、
「あのね、孤児院に居た時、なぜか大人が居ない時、たまににこのおじさんがお菓子とか持って、遊びに来てくれていたの。」
「・・・何してんの?ダンジョンマスター?」ドーラ
「いやー、だって、ダンジョンって殺伐としすぎててさぁ、、癒やしがほしかったわけよ」
あまりにも人間臭すぎるダンジョンマスター!!
誰も突っ込めない。悪くて。
「まぁ、、しかたねーな、、、」ドーラさえも突っ込まない、いや、突っ込めない!
「そうそう、、あれだ、、敵を殲滅するための楽ちんで安全な魔法だったね?」
「あ、そうそう、できた?」
「まぁ、似たようなの?」
・・・・一応、、どーゆーやつ?
「まず!
(いくつもあるのか、、、)
「マグマ!、その一帯をマグマの海にする。勿論その上にいたものは全て燃え尽きるし、岩石だって溶けちゃう。なので、威力は最高だね!でも、結構魔力使うよ?」
で?
「次に、真空。巨大竜巻を周囲に起こして、目的の場所に空気がなくなるようにする。そこの場所にいる生き物は、空気がなくって窒息死。」
まぁ、、なかなかよさそう?
「次に、穴。例えば、その兵隊1万人が居る場所の土を深さ10m分、どっかに転移させる。で、皆落ちる。10mじゃ、死ぬよね。で、直後にその土を戻せばお墓まで完成!便利でしょ?」
まぁ、、でも死体活用できない、、
「死体活用したいの?ゾンビ?ウゴいね?」
?ウゴい?なんかの間違いかな?
「いや、死体を全部戻したいんだよね、敵の本拠地に。一人も生き残ってなければ、次に攻めて来ようとしても、兵たちが逃げちゃうでしょ?全員死亡する戦闘なんてさ。」
「ははー、そういうのがいいのか、、んじゃ苦しそうにん死んだ顔になってるほうが効果的だね。ああ、だから毒なのか、、うん。
毒は地面を汚すからどーだろう?と思ってたんだよね。
バリアで敵を囲んで、そのなかに毒ガスを充満させる。もしくは、その中の空気を全て抜いちゃう。
ってのでも、悶絶して死んでいくから、死に顔は凄い形相だよ?」
「そのへんでいいかな?」ドーラ
「わたしは、マスターのおすすめでいいと思う。」テイナ
どっかのレストラン?
ドーラが頼み込み、ダンジョンマスターは、テイナができるようになるまで付いていてくれることになった。
「ダンジョン、いいの?」
「うん、ザブマスターがいるから」
「聞いたこと無いが?」ドーラ
「うん、君がいなくなって人手が足りなくなったんで追加した」
ほう、ドーラはそういうこともやっていたのか、、
ダンジョンマスターのお手伝い業務もこなしていた10階層ボスのドラゴンw
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