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第六十二話 新しい二街、それぞれ
しおりを挟むダンマスは王様達を王都に送ってきた。海辺の町から王都に向かう途中に捕まえてきたのだった。なのでその途中に戻すよりは王都に送ってやったほうがいいよね?。
ユータ達は帰ろうかと思っていたが、マキが砦の街を見てみたい、といった。
「そー言えば、俺らもまともに寄ってないよな?」ドーラ
なので顔見世ついでに寄る。
でかっくなったドーラがブレス吹いた時、大混乱した砦をなだめに領主様が行った時に主要なメンバーに会っただけで、街の中は見ていなかった。
「ちーっす!」とドーラが砦の城門脇の通用口にいる衛兵に。
「・・・・・どっかで、、、みたね?少年、、」衛兵
「このあいだ、でっかいドラゴンの時、領主様と来たろ?」
「ああ!あの時の、、そうか、君も居たね、」とユータを見る。
「はい、、あのあと新街道作りましたけど、その後どうですか?」ユータ
「・・・君達が?」
「おう、俺らだぜ?」ドーラ
「あの領主様、説明していないのかな?」ユータ
「・・・まぁ、俺ら下っ端だから聞いていないだけだろうけど、、まぁいいや、今日は何?」
「うん、あそこに庭園見えるだろ?」
「ああ、さっきいきなり出来たね。驚いたよ」
と言っててもさほどには見えない。やっぱ大きい山ほどのドラゴンにまさる驚きなんか、それほどあるもんじゃないよね?
「あれ、うちの国とここをつなぐ地下水路なんだが、それ作り終えたんで、少しここで休憩させてもらおうかな、って」ドーラ
「ああ、まぁそのくらい自由にしてよ、領主様の連れだからな。自分ちと同じにしてりゃいんじゃないか?」衛兵
「ありがとな!」
ぞろぞろ入る。
大きめの村を囲んだ砦。
茶店、食堂、雑貨屋、市場、幾つかの宿はここらに魔獣を狩りに来た冒険者用だろう。
この砦は、新街道の入り口と、ダンジョンの入り口の間にある。
「そのうちに、、いつか、、ここらが、この国第二の街になるんじゃないかな?」ドーラ
「なるかな」マキ
「なるでしょうねぇ、、あの水路ダンジョンに行くには、新街道を通ってここまで来なければなりませんし。
この国の王都と水路の出口が離れててよかったですね」ダンマス
「そうだねぇ、、」ユータ
「そうなの?」養殖組リーダー
「王都に、水路の出口があったら、どうなっていた?」ダンマスが少年に訊く
「便利になってた」
「だよね、他の地域は?」
「・・へ?そのままだろ?」
「うん、そうだ。では、今の状態だと?」
「王都や他の地域から、水路の入り口に、ここに来る?」
「うん、その間の部分が発展する。」
「ほかの部分は?」
「今までのまま。でも、この国だけではなく、この国の側の国の人々、商人達は、どうかな?」
「俺らの国とこの国がうまくいったら、皆この国を羨むんじゃないかな?」
「そうだ。だからこの国に来るだろう?」
「人が動き、モノが動けば、景気は良くなる、まぁ、その分問題も多くなるけどね」ダンマス
「でも、悪意がある者は、ウチラの国に来られない、ダンマスのおかげで。」マキ
「そーゆーこと」
あ、ちょっと席外すよ?すぐ戻る。
とダンマスはすぐ消え、すぐ戻ってきた。
「ああ、少しな領主に頼みごとした。王が居たのでついでに許可貰った。この砦の前に街作ってもいい、って。」
??
「何、ほんのとっかかりになる街さ。この砦が自分達ででかくなるようにね。ついでに、ウチの子達も使おうかなって。」
休憩後、砦の外に出て、
新街道の森の出口から、ダンジョンの入り口まで、この砦の前を通って、魔法で太めの道を整備したダンマス。
砦を挟んでこっち側に建物を幾つか作った。食堂、雑貨屋、宿屋、鍛冶屋、荷馬車たまり。全て一軒のみ。
まだ開店しない。
砦の衛兵達は感心して見ていた。もう下手なことでは驚かないのだww
「近々うちのダンジョンの子達にここの店を任せましょう。ガンダさん達が帰ってきたら、水路を正式に開通します。
人の往来は激しくなるでしょう。」
「そうなると、一軒じゃ足りなくなり、砦の者達がどんどんやらなきゃならなくなる、ってことか」ドーラ
「そーゆーこと。最初にここをそういう場所にしてしまうのが肝心なんですね」ダンマス
「例えば、新街道の出口で誰かがこういうのを始めちゃったら、ここは恩恵受けられなく成っちっゃってた、ってことね」マキ
「そういうこと」
なるほど、、と少年は、なんとなくだけど納得した。
「んじゃ、俺達も、なんか考えてやっていいのかな?」少年
「ああ、どんどんやりなさい!」ダンマス
「ダンマス、変わってねーなー、そーゆーとこも」ドーラ
いーなー、ドーラと付き合い長いんだなー、、と羨ましいユータ。
「ドーラをとってっちゃった癖に、何思ってるんですか?」ダンマス
ああ、そういうことになるのか、、
「そうですよ?あの子はあなた達と居ることを選んだんだから」
「ごめんなさい、、」ユータ
「あっはっは、子供が独り立ちするのも、親の立場なら嬉しいもんですよ」ダンマス
「ダンジョンのイメージ、随分変わりました、、」ユータ
「まぁ、、人間でわかってたのって、あの大魔法使いとその剣士だけだったですからねぇ、、」
「・・・知ってるんだ、、」
「ええ。この世界の主だった生きモノのは、多分皆知っているんじゃないですかね?」
長生き、、、
「ですよ?」
そういった知っている生き物たち、は、ユータの立場、それに協力しているドーラの立場をそれぞれ考え、それなりにわかっていた。
ーー
ドラゴニアに帰ったみんな。
ダンマスはまた朝からニヤをダンジョンに連れて行って、違う階層主と闘わせはじめ、
ユータとドーラはもうダンジョンに魔力を与えなくてもよくなったので、
「今晩、帰ろうぜ?」ドーラ
別に、こっちでは夜でなくともよくなってるよね?
とユータは思いつつも、夜のほうが問題少ないんでそーしようと思った。
「なんか、向こうにおみやげに成るもの、あるかなぁ?」ユータ
「んー、、、とりあえず、外ぶらつくか、、そのうちなんか、気づくだろーー、、もしかしたらw」ドーラ
邸から噴水までの間の通りをぶらついてたとき、、
「あ、、お金、」ユータ
「?必要ないだろ?」
そう、このドラゴニアは国民のみで、皆で一家のような生活をしているんで金は使う場所がない。必要ない。
「でも、他の国の人が来るよ?」ユータ
「ばっ!!、ま、まずいなっ!!どーしよ!!」
邸に転移し、満月の3人とダンマスを呼んで会議。
「ひとまず”外部向けの街を作っとく”」で進め、ガンダさん達が帰ってきてから本格的に決めよう、となった。
ダンマスも手伝ってくれるというので、
ダンジョンの出口から、ブレス跡を挟んで東側、つまり森側をドラゴニアの街程度に開拓。
その周囲を農地に。魔獣に対する安全スペースになるから。
その外側をまた掘りにして、魔獣や猛獣が農地に来にくくする。
開拓はあとあとでいいから、とにかくできることをやっておく。
となった。
ドーラは、魔獣コロニーが在る場所があったら、そこを避けるようにブレスを吐いて、その内側を確保。
山のようなドラゴンのブレス跡に近づく魔獣や魔物はまずいない。
ダンジョン入り口を起点に、東と南の森を幾分ドーラが踏み潰して街と農地の場所を確保。
ユータとダンマスが倒木処理、土地を均す。ドーラは農地の外周に爪の先で堀を作って、ユータが魔力ドレインして元に戻る。
中央の街は5キロ四方程度。でも最初に建物建てたのはダンジョン入り口から2キロ程度の大通り沿いのみ。
目印に、その5キロ四方の中心に噴水のロータリーを作って、大通りをそこに伸ばし、そこから四方に他の大通りを伸ばした。
よって、現状では、ドラゴニアの街と、ダンジョン入り口の街は繋がっていない。
「・・・これ、、、いいですね。。」ダンマス
「そうなの?」ユータ
「ああ、、そうか、ダンジョンみたい、、」ドーラ
「そうです。外から来た者が入れるのは各階層。関係者のみが入れるバックヤードやそっちの空間に入れる部外者は居ない。内部の者になったら入れるけど。ユータさんがダンマス部屋に入ったのは、私があなたを内部の者認定したからですよ。」
「え、どうも、、、光栄です、、、えへへへ」ユータ
・・・・まぁ、、嬉しいんならいいけど、、、(ダンマス、ドーラ)
「その境界はしっかり守っていたほうがいいですよ」
とダンマスは言った。その物言いは、今までとはなんか違っていた。
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