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第七十一話 ゴンザールの危機!
しおりを挟む冒険者訓練を受けている子どもたちの上級者達20人ほどは、半月ほどで楔帷子と防具に慣れた様子だった。そのうち4人が第一班として銀月の3人に連れられて森には入っていった。
その間、残った子達に、ジョニーとユータとドーラで武技を、テイナとニヤで魔法の稽古をつける。
皆「次は自分だ!」とばかりに稽古に気合を込め、どんどん上達していこうと貪欲だ。
銀月達が森に入って4日目に戻ってきた。成果はかなりあった。
「この分なら、二、三ヶ月でパーティで独り立ちできるんじゃないかな?」とガンダさん
一人で森に入るのは無理だが、パーティで入るのなら大丈夫だろう、というわけだ。
「初期の満月くらいになるんじゃないかな?」と。
初期と言われても僕は知らない、と思っていたら、
「ユータと出会う少し前の頃だとさ」とドーラ。
へぇ、、もうあの子達がそこまで!?すごいなぁ、、
それからユータとドーラはゴンザールの荒れ地と森の境の砦まで転移で行った。
あれからそんなに経っていないのに、もう砦の外に宿屋、食堂、雑貨屋、鍛冶屋、馬車屋、停車場などができていた。
あ!、とドーラが宿屋に入っていく。ついていくユータ。
「こんちゃー!」ドーラ
「はいはーい!、、あ!!」宿の人
「おお!おまえかー!」ドーラ
話を訊くと、宿の人は元12階層の階層主で、ここに来るために階層主辞めたそうだ。
ダンマスに「行く?」って訊かれたんで二つ返事で了承したとのこと。
「皆お前のこと知ってるからなー、できれば面白いことやオイシイことしたいだろう?」
彼らの言うオイシイことは、字の通りの正直に「食べたらオイシイものを食べる」こと。
でも人食いとかは禁止されている。
で、今出来ている建物は皆ダンマス配下のだという。
で、他に建築始まっている建物が幾つも在るが、それは砦の中から出てきた者達のだという。
「オイシイか?」ドーラが訊く
「ああ、オイシイな!でも、お前んとこはもっとオイシイと聞くぞ?」
「ああ、今は飯もケーキもうまいぞ!」
「いいなぁ、、」
「そう嘆くな、うちの国はまだできたばっかで落ち着いていないけど、落ち着いたらここにもケーキ屋と飯屋出してやるから」
「おお!待ってるからなっ!!」
宿屋の店主になったその12階層主は、ここの領主様の指名を受け、ここらのまとめ役をやっているそうな。
そのことを砦の者達は知っているそうで。
「ダンジョンマスターの子たちなので信頼できるし、強い!」と頼りにされてるそうな。
裏切らないし半端なく強いという者はなかなか得がたいものだ。
ついでだから砦の中も見ていこうとドーラ。
砦に入る時に衛兵たちから情報を貰う。
最近は周辺国の一般社会にまで、ドラゴニアとゴンザールのことが広まっているので、ゴンザールに来る者は倍増しているそうだ。
おかしな奴等もいるんじゃないのか?とドーラが聞いたが、多分居るでしょう、でも一人ひとり確認はできない、と衛兵達。そりゃそうだな。
砦の中もなんか以前より景気が良くなっている感じがする、活気が前回と比べてかなりあるようだ。
「ここも良くなってるんだねぇ」
「ああ、良かったな!。でもな、その分、ほかの国の冒険者や商人が少なくなるんじゃないかな?そこらの国の上の方の僻みや妬みが恐ろしいことになるかもな」
「えー、どーしよードーラー!」
「まぁ、その時は、思いっきり暴れようぜ?!!!」
いいのかな?いいんだろーな?まぁいっか、、悪党退治だろうから、、
そこからボクらは森の中ほどの街に飛んだ。
以前行ったことのある街。そこまでの旧街道沿い上空を飛んで様子を見ながら行った。
街の入口付近に降りると、
「大丈夫なようだな」とドーラ。
冒険者の多くが中間の街に行ってしまって、こっちは魔獣が増えてるんじゃないか?と危惧していたドーラ。
ああ、なるほど、玉突き効果とか言うんだっけ?と思うユータ。まぁ、、似たようなもんかな?
街の中に入る。
「よかった、以前と変わらない感じだなー」ドーラ
「うん、活気が在るね」ユータ
ギルドを覗いてみる。
ここも人の出入りは前回と同じ、、扉は開けっぱなしになるように石が置いてある。
ざわざわ感が増えている?
「以前より騒がしいね?」ユータ
「ああ、以前は人が多くても、静かだったよな?」
「お、お前たち、前の、、」冒険者が声を掛けてきた
「あ、あんときの、、、、おにいさん」ユータ、よく言葉を選んだ!!おじさんといいかけたが、ちゃんとおにいさんと言えたユータ!!
とびらにつっかえ棒をかけたときに褒めてくれた冒険者だ。
そんな些細なことをも覚えているってのがベテラン冒険者、とくにここの冒険者達の凄い所だろうな。
「ここもどんどん他国から来るモンが増えてなー、、あのドラゴニアとの同盟からなー。」
「よくなったのか?悪くなったのか?」ドーラ
「ああ、まぁ良くなったんだろうけど、、ほら、よそから人が多くなると、当然やり方もそっちと違うし、いざこざも起きやすいんだよな、、」
ああ、、、
「まぁ、、当分は、、それに慣れるまでは仕方ないけどな、、うまくやってくやり方ができあがるだろう、そのうち。」
とその冒険者は悲観はしていない様子。
「へんな奴等はこないのかい?」ドーラ
「うーん、、ほかの国のおエライさんみたいな奴等ってことか?」
「おう、えらそーで何も出来ねーくせに、欲ばっか、って奴等」
「あっはっは!国境で追い返してるってさ。この国にはドラゴニアが付いているんだ、よその大軍が来たって追っ払ってくれるだろうよ!」
(・・・・責任、重大だな?)ドーラ
(うん、、なんか、そっちの国境も見ておいたほうがいんじゃない?)ユータ
(ああ、だな、、)
「うん、ありがとう!んじゃそっちをちょっくら見に行ってくるから、安心してな!!」ドーラ。
シュン!!
ユータがドーラを連れてく形でゴンザールの北部国境に転移した。
あれ?
うん。
まずドーラが不穏な空気を感じた。ユータもすぐにわかった。
なので上空に飛ぶ。
2000mくらい?人が見えなくなるくらいに上がって北の方を見る。
平野に砦が在る、でっかい砦、あの荒れ地の砦の倍くらい。
「新しいな、、できたてだぞ、、、兵も凄く居る。サーチしてみる、、、、、1万はいるなぁ、、あ、ここ以外にも、もっと西にもなんか感じるな、、イケるか?」
「うん、わかった、行ける。」
シュン!!
ゴンザール北部国境の西側、東部北側の国とは別の国との国境。
その北側に広がる平原。
ここにも砦ができている。同様にデカイもの。
「ああ、ここも兵が満載だ、、、」ドーラ
「ユータ、荒れ地の砦の前の宿に転移してくれ」ドーラ
シュン!
「おーっす、度々わるいなー、、」ドーラが宿に入っていく
「ああいいさ、なんかあったんだろ?不穏な気配ばりばりしているぞ?」
「ああ、少し手伝ってくれないか?」
2カ国相手。
二度とゴンザールに手を出さないようにしたい。
兵は、それぞれ1-2万くらい。今は、ここの砦の倍くらいのところに篭っているが、すぐに侵攻してくるだろう。
「で、どーするか?だ」ドーラ
「あれじゃねー?頭潰せばいんじゃねー?」元12階層主
「やっぱりそう思う?だよなぁ、、兵を潰してもまた集めるか、卑怯な手を考えてめんどくするか、とかになるからなぁ、、最初に頭潰すのが最善だよなー」ドーラ
「んじゃ、俺とおまえで、一箇所ずつ、だな?」宿主
「わるいな、、でも、このユータが魔力半端ないので、お前ももっとでかくできるから、楽できるぞ」
「ああ、感じがしていたからわかってたけど、、ちなみにおまえ、どこまででかくなったことある?」
「・・・頭が雲の上で、ずっと下に頭を下げないと何も見えないのがめんどくさかったことがある、、」
「・・・・・・かっけぇーーー!!俺もやってみてー」
「いや、、そんときはユータすっからかんになっちゃったから、、」
「そうか、、んじゃ坊主、ユータか、、ユータの保護も必要だな、ウチの連中皆で行くわ!」
ちなみに元12階層主はミノタウルス系の最強種だという。
同じ大きさだと、腕力では俺より強い、とドーラ。
魔法の攻撃にも強く、でも自身はあまり魔法を使えないそうな。なのでトータルでは余裕で勝てるぜ!とドーラ。
せこせこせこせこ魔法でやってねちねちねちねち攻撃してくるんだもんなぁ、、、とぼやくミノさん。
ミノさんは、ダンマスが名付けてくれたとのこと。「外に行くと名前が必要です」と付けてくれたのだそうだ。
「んじゃ、これから潰しに行くか!!」ドーラ
「「おー!!」」ユータ、ミノさん
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