放課後はダンジョンに行って憂さ晴らしのつもりがいつの間にか学園最強になってたことに気が付かなかった

uni

文字の大きさ
95 / 253

第九十五話 潜入してみた

しおりを挟む

ユータとドーラは北の森の街に行き、ギルドでまた少し情報収集。
橋の北側に敵はいなさそうだという。皆すんなりこっちに来ることができているらしい。傭兵討伐した後、ジオとジョニーが少しの間国境の詰め所に残って様子見ていたけど問題なさそうなので戻ってきていた。
その後も向こう側に変化は無いということだ。

「傭兵が嫌がったんじゃね?全滅だもんw」ドーラ
「だよねぇ、、冒険者相手の楽なお仕事です!!とかの募集で行ったら、結局最もハードな100%死亡の現場だった、みたいな」ユータ
あっはっはっは!!×2

「命や人生掛かってるのに騙されるバカいないよな!」ドーラ
「・・・・・・・・・」
「いや、こっちの世界では、だ」
「まぁ、それなら、、」

ということで、姿消して空飛んで向こう側に。

「へぇ、道ができてるんだねぇ」
「作った、というよりは、歩く者が多いので道になった、って感じだな」
毎日のように逃げてくる人がいるのだ。

「でもこれからは他の2つの国にも分散されるだろうからな」ドーラ
「あー、そうだね、、逃げやすくなっていいね」
ここの西にあるラットビア、北のイスターニャにも逃げられるようになるだろう。双方の王達が向こうの冒険者ギルドをどうにかしてくれれば。
まぁ、その前にこっちのは潰すけどね。

ターロが言ってた街があった。多分ここだろう。街中に入ってひと目がない所で姿を表す。
表通りに出て歩いてみる。
「・・これでもマシな街なんだよなぁ、、」
「うん、あの兄弟の言うには、、」ユータ

殺伐だとはあまり感じない、けど寂れている。死にゆく老人みたいな感じをさせている街。
茶店に入ってみる。まずゴンザールの銭が使えるかどうか訊くと、「ウチの国の銭よりありがてぇ」とのこと。
茶と茶菓子を頼み、少し様子を訊く。

ここの領主は兵と傭兵を連れて中央に行ったらしい。そのまんまだという。
「大きな商人達も逃げちゃってな、、領主が戦争の準備の借金して帰ってこないだろ?王都滅亡したと言うし、各地から集めた兵も全滅だと言うし、、この国に居た大商人は皆破産したか、しなかったのは他国に逃げたし、、
残った領主の一族が勝手するので、どんどん人がどっか逃げちゃってな、欲かかなけりゃ、ここはゲスザンスでもマシなほうだったんだけどなぁ、、」
だという。

ユータ達は西から来たことにしておいた。銭はゴンザールから来た者と交換したことにした。
冒険者ギルドに行ってみた。
誰も居ない。
職員もいない。
ホコリが溜まっている。

ドーラとユータはまた飛んで東に向かった。

音速近くで四半時(30分程度)でデカイ街発見。降りてみる。
また街中を歩く。
さっきの街より幾分殺伐としているかな?

でもさほど変わらず。
茶店に入るが、似たような話。でも先程の領よりゲスみたい。ここも領主と全兵力が居なくなったと。
「せいせいしているよ」とのことだった。

領主の家族の男手が全て一緒に行ったらしく、残った女手も「兵がちらほらしかいないし、その兵も言う事聞かないので、誰も領主の家族の言う事なんぞ聞きゃしない」だと。

また、どこの領が悪いとかいう噂はまだ入っていない様子。
あまりほかから逃げてきていないのかな?

幾つかの街をまわったけど、ほぼ一緒。
山賊も出ていない様子。町から町への行き来もあまりないので山賊やっても獲物が居ないみたいだし。
「兵がほぼ完全に全て連れて行かれた」
ので、盗賊になるような兵は残っていないのが幸いしたのだろう。

「良かったね、全部潰しといて」
「ああ、言葉通りひと踏みでぷち!だったからな」
あっはっはっはっは×2
兵らが残っていたら、ほぼ全てが勝手なことして国内を蹂躙していたろうと、住民たちからの話で容易に想像がついた2人。

ターロとジーロが居たという北にも行ってきたが、やはり他の国からすりゃダメダメな領主だった様子。これでマシだっつーんだから、ゲスザンスはどこまでクズだったんだ?と吃驚な2人だった。

で、聴取した全ての街で、他に領主が残っている街を訊いたことがない。とのことだったのと、各街の冒険者ギルがもぬけの殻だったので、調査終了。
ゴーミに向かう。


ゴーミ。ゲスザンスとの国境の町。
ここまで空を飛んできて地上を見ながら来た。
ゴーミに入ると畑が多くなった。しかも手入れもゲスザンスよりはマシに見えるほど。
もちろんドラゴニアの畑に比べりゃダメダメだが。

街はずれの茶店に入ってみて、昼を食べながら色々訊いてみる。
ゴーミは、「まともな領主は兵を出さなかった。領主も病気と称して、代理の者と少数の傭兵雇って行かせただけだ」とのこと。
ここお領主はマシな部類で、税も「半分しかとらない」という。
他に比べれば50%は多い。経済破綻に確実に向かうレベルの搾取だ。

一般人の収入から30%、そこが吸い上げの限界。どんな名目だろうが、一般人達の収入から「黙っていても取られる分」が30%を超えたら、そこの経済は確実に衰退に向かう。(一般層を国内マーケットの一部として見た場合。江戸時代などは農民などをマーケットの一部としていなかったのであそこまで搾取できていたとみられる。この世界ではそれは奴隷層に当たる)

だからドラゴニアやまともな国ではほぼ税を取らない。支配層は自分でビジネスを持ってそこから領や国の経営費用をひねり出している。
また、貨幣の鋳造量を増やすこともする。貨幣発行を多くするとインフレに成って経済悪化するとかいうデマを振りまく奴はこの世界にいない。もとより非兌換貨幣という詐欺をせず金銀銅を使っているのだから。

経済活性に少しのインフレがいいとかいう嘘を振りまく奴もいない。
なので、そこらへんはまだ随分マシだった。

まぁ、この世界の奴等がそんな低レベルな嘘に騙されるのいるとは思えないが。
向こうの世界を勉強したドーラとダンマスは、そこら辺を理解していた。2人は聡明だけどね。ひとじゃないけどw

ゴーミを一通りまわってみて、夕方になったので、ゴンザールに近い街の宿に泊まって見ることにした。

「珍しいねぇ、、お客さん、どっから来たの?どこに行くの??」
「そういうの訊いた奴がどーなったか、知りたいか?」ドーラ
「・・・けっこーです、、すみません」

ゴーミの者達は総じて「こすっからく」見える。
人目を気にするくせに小賢しい小ずるさがよく見え、騙すために人目を気にしてるんだなぁ、、と、もろわかる。
もちろんドーラだからわかるのだろう。騙される無能な奴等も多いので、こいつらのそれが成り立っているのだろうから。
「そーやって、今までこの国が成り立ってきたんだなぁ、、」とドーラは思った。

国(支配層)が国民を作るというのもあるが、そこの者達が国の資質を作ってるのが大本だ。
それを変えることはまずできない。国民全員入れ替えれば可能だろうけど、意味ねぇ。
ここも、放置だなぁ、できれば全部燃やしておきたいな、あとあとを考えると、、と思うドーラ。

ゴンザールに入りたい。どっかに抜け道在るんだろ?正直に言えば生き残ることできるぞ?
と散々いろいろ言ってもヒントもなかった。ほんとに行くことができないのだろう。
「海も入ることすらできなくなった。どーやればゴンザールに行けるかこっちが知りたい。そんな方法あればそれだけでひと財産だ」と言うのは本当らしい。

翌日、その街をまわってみたが、それらしき気配すらない。
が、ゴンザールに入りたいがためにこの街に来た人間も少なくない様子。
食堂や茶店のあちこちで、それらしい話をしている。外部のものだからそういうところで情報を集めるしか無い。

ドーラとユータは邸に転移で戻った。

その晩、皆(各国王達含む)が夕食を終えたあとのお茶の席で、調査結果を皆に報告。
「なので、ゲスザンスとゴーミから入ってくる者達に注意したほうがいいぞ。もう、根っこがゲスなのが多いから治し様が無い。あんなのに入られちゃ、社会が悪くなる。
悪意ってのは心が弱い者には感染しやすいぞ。」

「・・・どうでしょう、うちのダンジョンから人手を貸しましょうか?モモンガ一族」ダンマス
「ガンダ、王様達、モモンガ達を見てきたの?意味しってるの?」ドーラが訊く
「ああ、ダンジョン船も、北の森も見せたから、、」
「ええ、わかってます。悪意在る者はどっかに飛ばされると。」ゴンザール王

「んじゃ、借りるか?」と、ドーラは王達の顔を見まわす。

「「「お借りします」」」

あとでダンマスが各国の国境を見て回り、必要ならアドバイスと手助けすることになった。
「親ってありがたねぇ!」ユータ
「そうだよなぁ、、」ドーラ
なんかへんなところでありがたがる2人。

「あれだな、、あの2カ国をほぼ封鎖状態にしておかないとな」ガンダ
「あと、時折調査し、よくなっているか悪くなってるかの状態をチェックしないとな」ドーラ
「そうだね、消すほうがとても楽で後々を考えるとソレしか無いはずなんだけど、残してそういうやり方を試してみるのも必要かもね!ダメならその時すぐに消せるもんね!!」
と、ユータがどんどん、、なんか、、とっても強く頼もしくなってきている件!!(ドーラ)
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

ダンジョン学園サブカル同好会の日常

くずもち
ファンタジー
ダンジョンを攻略する人材を育成する学校、竜桜学園に入学した主人公綿貫 鐘太郎(ワタヌキ カネタロウ)はサブカル同好会に所属し、気の合う仲間達とまったりと平和な日常を過ごしていた。しかしそんな心地のいい時間は長くは続かなかった。 まったく貢献度のない同好会が部室を持っているのはどうなのか?と生徒会から同好会解散を打診されたのだ。 しかしそれは困るワタヌキ達は部室と同好会を守るため、ある条件を持ちかけた。 一週間以内に学園のため、学園に貢献できる成果を提出することになったワタヌキは秘策として同好会のメンバーに彼の秘密を打ちあけることにした。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン] 何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?… たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。 ※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける 縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は…… ゆっくりしていってね!!! ※ 現在書き直し慣行中!!!

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…

アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。 そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!

合成師

あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。 そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます

neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。 松田は新しい世界で会社員となり働くこととなる。 ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。 PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。 ↓ PS.投稿を再開します。ゆっくりな投稿頻度になってしまうかもですがあたたかく見守ってください。

処理中です...