放課後はダンジョンに行って憂さ晴らしのつもりがいつの間にか学園最強になってたことに気が付かなかった

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第百十三話 ムータン、始動02

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翌朝、昼食後、
ユータとドーラは海に行った。扉を使って。
で、ニヤたちから海産物を貰い、そこで作っている海の魚のヒモノも貰った。
ムータンに持っていくつもりだ。新鮮な海の魚は珍しいだろうと。

ここ、海の宿に客が居ない場合、基本的には皆夜には邸に戻って一緒に夕食を食べる。
人魚達が来るのは昼間。安全ならば昼間の方がいいという。
「ケーキとお茶の色は夜だとあまりよくない」だとも言っている。

今日は海からの帰路は、高空を飛んでいく。
もし、こっちに国ごと移転する場合、どのへんがいいだろう?と良い場所が無いかなー?と思ったのだ。
「暑くても大丈夫かなぁ」ユータ
「そればっかりは、来てもらわんとわからないじゃないか?感覚だからな」ドーラ
ここらへんは冬に雪は降らない。冬も暖かい日が多そうなくらいだ。
農業や牧畜にはよさそうだけど。


邸に着き、ユータが忘れていたカメラと機材を出して部屋に置いておく。じゃないと永久にストレージ内に、とかなりそうだし。
落ち着いた時に有志を募って説明しようと思っている。
夕食を食べてすぐにムータンに戻る2人。もちろん大きめの魔石、そしてクズ魔石と言われるほどの小さなものもたくさん持って。
戻るのも一度あの洞窟に出て転移でムータンだ。少し洞窟で眠るだろう。

ーー

ムータン南隣国。その国の北の地方都市にある、世界最強軍隊国家領事館の一室。
「行方不明?」
「はい、連絡員が数名。」
「一度に数名?なんでだ?まとまっていたのか?まとまるなんてなんて馬鹿なことを!」
「いえ、ぞれぞれ別口です。皆、ムータンに出入り予定でした。こちらに帰ってくるはずの2人。向こうの拠点に行くはずの1人が。しかも一人は裏ルートなのにです。」

「どっかで酔っ払って寝ているとかねーだろうな?」
昔あったことを思い出すその上司らしい男。

「ええ、それらしいのがいないかチェックはしたのですが、、、」
くそ、、とその上司っぽいの。
「逃げるとか、なんかちょろまかしたとか、3人に繋がりがあったとか、調べとけ。理由を見つけろ!被害があったら漏らさず報告しろ!」
「わかりました」
碌でもないことをして、バレるのが怖くなって逃げたんだろう、と思ったらしい。そういうのが多い組織なのだろう。なかなか低レベルで良い。

標的国内の大使館でオペレーションはもろわかりなので、最近はやっと当該国内ではなく隣国の大使館がオペレーションを担当するようになった。これも電子機器の発達のおかげだ。
が、ムータンは電気が不安定なのと、大したことない国と認識されているので、昔ながらの連絡員利用で行っていた。

が、工作員数は思った以上いるようだ。一時に3人が連絡で動くとなると少なくとも常時20、多くて50とか、、
余程バカなのか、拠点予算が利権化してるのか、、人数多けりゃちょろまかすことがより多くできるのだ。
どちらにしても、大した能力はなさそうである。

ーー

洞窟の中
「ユータ、起きろ、行くぞ!」ドーラ
「え?もう朝?」ユータ
・・・どうだろう?まぁユータねぼけてるんだし、、

目をしっかり覚ませたユータがドーラを連れて早朝のムータンに転移。
あ、(転移している一瞬の間)
ムータンの王宮の前庭隅の市達の家の居間に出た。
「見た?」
「うん、みえちゃった、、」
なんか、にんげん?が、どっかにとばされていく?それも、なんか形状が異常になってて、、

「生きてるんかな?」ドーラ
「どうだろ?でも飛ばされる奴だからどーせ敵だよねー」ユータ
ぶっとくなったよなユータも、、と感心するドーラ

まぁ、、転移する空間は同じようなところを使うって聞いたことあったが、、こういうことなんだなぁ、、とドーラはわかった。

王宮の厨房に海産物を持っていった。
コックの知らない魚、見当つかない魚などはいなかった様子。知ってるけど使ったことないという。山国だからね。毒持ちとかないので大丈夫だろう。
干物は喜んでくれた。わかっているモノだからだろうね。

奥から市の声が聞こえたような気がしたので覗いてみる。
食堂の表側にある居間?茶を飲んだりするのんびりスペースで、市が王様に気を練るのを教えてる。
ダンマスがある程度教えていたはずだが、市のほうがいいだろう。
なにせ人間で、同じく魔力ゼロから始めて、今はどうにか全身にもまとえるようになったくらいだ。薄ぅーくだけどね。なにせ保持魔力が少なすぎる。

市と一緒に指導員をやるタカがこっちに来るのは早くても一月後だろう。パスポートとビザを取らねばならない。バイトも今日明日でやめますとはできない。
でもその間に生徒は増えているだろう。

そして
埋めた魔石が出すマソもそこそこになっていることだろう。
マソを出す魔石に関しては、ダンマスが管理(出す量とか残量チェックとか)している。ユータは魔石交換係。

ーー

昼食後に少し休んで茶をしている。
「魔法習いますよー、ってここの人たちを呼んでも、皆???じゃないかなぁ」市
さすがプロのインストラクター。

「モチベーションってやつだな!」ドーラ
「そう、どうすりゃ魔法を使ってみたい!ってなるかなぁ?」
王様は聞き上手なのかな?ユータとは別方面であまり喋らない。

「ぼくらが日常で使ってやれば?」ユータ
「だな、、で、何が彼らにとってそそるのか?を見つけるのが先だな」ドーラ
「じゃ大まかな方向性は、、」市

「そうですね、わかりやすく親しみやすい普段接触してるもの、灯火とか、水を出すとか、火をおこすとか、でいいんじゃないでしょうか?」
王様にとって今いる、ドーラ、ユータ、市は皆魔法の先生だ。だから丁寧になっている王。さすが人間ができている。肩書かさに偉そうにとかしない。

「そんなんでいいんですか?」市
「そのほうが怖がらないでしょう?」
まぁそうか、、最初は怖がちゃうか、、、と皆納得。

「んじゃ、街灯増やす?」ドーラ
「それじゃうちの電設のほうに」
「いえ、柱も皆魔法で作りますので大丈夫です」ユータ
「経験腐るほどあるからな!ドラゴニアで。」ドーラ
「はぁ、、それではお願いします」
王様今ひとつピンとこない様子。当然だろう。

ーー

市は、午後は城の警備の人に魔力を練ることを教え、ユータとドーラは首都郊外にいく。
近隣の村に行ってみる。

「こんちゃーす!村長いる?」と声をかけ、案内してもらう。
で、街灯作るけど、いる?いるならどこらへんにほしい?と訊く。
で、そこの風景に似合いそうなデザインで街灯を作る。
魔石はユータが用意した小さいのものを入れ、暗くなったら明かりがつくように魔法をかける。

周りで見ていて目を丸くしている村長や村民たちに、「これは電気はいらないから。暗くなったら勝手に灯るから」と説明。わかったかわからんのかわからなかったが、彼らはうんうん頷いていた。
一通りその村の必要と見られるところ、暗くなったら危険そうなところ、などに設置して、次の村に向かう。
飛んだり、速く走ったり、で。

どこでも村人が珍しがってぞろぞろついてきて作業を見ているので、話しながらやったり。なのでのんびり作業。
午後は遅くまでやってやっと村3つ終わった。

そうこうしているうちに明後日はユータの卒業式の日。
当然ドーラも行く。
クラスメイトや先生たちに何かムータンのお土産買っていこうとなった。

夕食の席でムータン土産に何が良いかとか話していたら、王様が、
「それじゃ、私が用意しよう。も少し早く知っていたら良いのが作れたのだが、、明日の帰りまでに用意しよう」
と行ってくれたので、甘える。

100人くらいいるかも、、とユータが言うと、少し引いたが、まぁ日本人はそういう、友人を多く作るんだろう、、と思い直した様子。
「・・多いね、、友人、、」と言っていたので。
知り合いも少し仲良くなったら友人扱いだから、他の地域よりはフレンドリーだと思う。ユータの周囲はそういう奴らばかりだ。

翌日午後、王様から出来上がったものを貰って日本に転移した。

「「ただいまー!」」
「おかえりなさーい!」
懐かしい自宅の匂い!すっぱい?あれー?こんなんだったっけー?
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