放課後はダンジョンに行って憂さ晴らしのつもりがいつの間にか学園最強になってたことに気が付かなかった

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第百二十六話 ジョニー発見

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その晩は街に銭湯があったんで先に湯を浴びて、それから適当に良さげな食堂を見つけて入ってみた。

「なんか、久しぶりに向こうの世界とウチ(ドラゴニア)以外の食堂でゆっくりメシ食ってる感じするけど」
「そうだねー、ずっと慌ただしかったからね。こんなに落ち着いたのは、どんくらいぶりだろう?」

外で食べると、ドラゴニアの食事がどんだけ恵まれているのかを再確認できる。
ユータの家で食べる食事が外のレストランなどで食べるよりも美味しいのと似たようなものだ。
でも、
ドーラは知らない。
ユータの母さんは、ドーラが不憫なので、ドーラがいるとどうしても丁寧に美味しく作っているのだ。
それは父さんもユータも薄々感じていることだが、言わない。

宿の寝心地は、まぁ、そんなもんだろう。ユータ達は世界を行き来するごとにあの洞窟の中で寝てしまう。なので寝心地は土より良ければ「いいね!」なのだ。

翌朝、宿の一階の食堂で朝食を食べた後、もいちどジョニーに念話を送った。だが反応はない。
なので冒険者ギルドに行ってみた。
まずジョニーの事を訊く。
ドーラが説明した受付はジョニーを知らないので、他の人に聞いてみる、と聞いて回ってくれた。
居合わせた冒険者にはジョニーを知ってる者が居たが、最近は見ていないということだった。
礼を言ってギルドを後にする。

ーー

その頃、
ジョニーは手下2人とダンジョンに潜っていた。
ダンマス相手のように、念話者双方がそれなりの力量を持っていれば、それに応じて障害を突破して通じる。が、一方が弱いと無理な場合が多い。障害が少しあるだけでも駄目だったり。聞こえるけど返事できなかったり。

今回は聞けもしなかった。
ジョニーは魔法より剣技の方の男なのだ。

ジョニーの連れの一人は魔力保持量が多く、でも本人は魔法を習ったり特に練習したりとかしていないので、日常に仕える程度しか使えない。なので、ドーラの念話が来た時”なんか気になる”程度には感じたが、それがジョニーに宛てたものと気づくことはなかった。
もう一人は剣が好きで自分なりに鍛錬しそこそこになっていた。その後ジョニーが教えたらメキメキ実力を上げている。魔法の子は女子。剣の子は男子。2人は幼馴染で、村ごと焼き払われ、家族の安否さえわからないという。

ジョニーはこのレベルの低いダンジョンで2人に実践を経験させようと、数日前から潜っている。

ダンジョンの魔獣は大概が、死んだら小さい石、魔石になる。それを売ればカネになる。だから冒険者はダンジョンに潜る。地上の魔獣は多くが食える。だから美味いものは高く売れるが、持って変えるのが大変だ。
地下(ダンジョン)と地上の大きな違いはそこらへんだろう。

なので、食ったり持って帰ったりするのが大変ではないダンジョンは、実戦経験を積むのに良い。負けたら死ぬが。

「ジョニー、今どこ?」
「ここは、8階層ぐらいじゃないか?」
「曖昧だなー、、」
「まぁな、、そこらへん間違ってもたいしたこたない、、マップが無いんだからここ」
楽チンダンジョンと呼ばれている新人養成ダンジョンなのだ。
ベテランと一緒なら、バテるまでやって戻ってくりゃいい、って感じの。
それでも、戦闘を知らない者が単独で入ったら大概すぐ死ぬ。

「も一つ下に行ってみるか?それともまたにするか?躊躇したら戻る、これは大原則だ。」
「んじゃ戻る。俺いま一瞬躊躇した」
「おし、エライぞ。それがお前の命を救うんだ。お前とお前の相棒の命をな。」
「おう、わかった。肝に銘じる」
「よしよし、いい子だ」
髪の毛をわしゃわしゃする。

この子達は10歳から12歳くらいだろう。田舎なんで正確な年齢なんぞわからないし、村のものも散り散りになっているのでもっとわからない。

ジョニーも転移できるようになってるが、それは自分のみ、か、どうにかあと一人連れて行けるかどうか、というくらいだ。なので、歩いて登っていく。
こいつらにも、ドラゴニアに帰ったら学校に行かせて魔法を習わせ、身体強化や魔法剣を覚えさせよう。そうジョニーは思っている。

ドラゴニアに居る時「学校って子供にはいいもんだ」と見てて思ったのだ。
まず、友人ができる。中には相性の良い者もいるだろう、それだけ多くの子どもたちが居るのだ。もしかしたら一生の友人になるかもしれない。
そういう友人には、早く出会うに越したことはない。お互いに助け合い高めあっていけるから。

次に、ドラゴニアでは皆働いている。危険な事をしなくても、責務を果たして自分の食い扶持を稼げる。かつ、経験を詰める。いろいろな仕事がある。ベテランになったら、移動を許してもらえる。
目安は、外に行っても其の仕事で他のベテランと張り合えるか?だそうだ。

そういうのを2つ3つ持てれば、もうどこにでも行けるだろう。自分一人でもできるのだから。

機会、それさえあれば、人には可能性が多く生まれる。
そして、自分の経験が積み重なれば、その”機会”は、自分で生み出せる。
ただ、社会が、あれやっちゃだめだ、これやっちゃだめだ、と規制ばかりしていると、機会自体が存在しなくなる。
ドラゴニアには規制はない。
上っ面や口先は通用しない。無口で無愛想だろうが、いい仕事を責任持って完遂する者は、皆みとめる。そういう目を持っているのだ皆。

なので、こいつらにもそれを自分で作り出して、確固たる自信を付けてもらいたいと思っている。

ジョニーは、自分には機会が無かった。だから頑張る子を見ると、放って置けなかった。


2階層あたりで疲れたので、子どもたちを少し眠らせる。干し肉を食べさせてから眠らせる。
ジョニーは2-3日眠らなくても大丈夫だ。一人でやって来た者の大半は同様だ。ソロだと交代で見張りはできない。

子どもたちが起きたら、また歩き始める。
途中、少し魔獣がでる。子どもたちに対処させる。
女の子のほうは少し弓を仕えるけど、仕留めるまでには至らない。力が弱い。穫れるのは鳥かうさぎくらいだろう。
男の子のほうは、ゴブリンくらいなら一撃で仕留められるようになっている。なので2-3匹の複数も対処できてる。

あとはドラゴニアに帰って、教練で皆といやというほど訓練し、狩りに行って試してみて、また訓練し、を繰り返せば強くなっていく。
合間に魔法を覚えて魔法剣に体力強化。

そんなことを考えながら歩き、目の前に魔獣が出たら無意識に抜刀で両断し、2人が目を丸くし、そのうち出入り口に到着。

「あー、やっぱ外はいいなー、さっぱりするわー!」ジョニー
「おっさんくさいなー」
「おっさんだよもう、、疲れが翌日まで残るからなぁ、、」
「それじゃ、銭湯行ってよくもみほぐさないとね」
「俺、マッサージしてやろうか?」
「ありがと、でもまがそこまでおっさんではないかな、、ありがとな」

とにかくメシと風呂とベッドだ、、と、早足で街に向かう。
だいたい、ダンジョンの近くには街がある。半日くらいから一日かからない距離が多い。
ダンジョンができたら街ができるのだ。

街の門に近づいた時、
(ジョニー!!どこだーー!!!)と、念話
(あ?ドーラ?)ジョニー
(やっと届いた!どこに行ってたんだよ!探したんだぞ!今どこだ?)
(今?・・・・?)
「なぁバックス、この街の名前知っているか?」
「俺にそんなの訊くなよ」
「だよなぁ、、ソラリスは?」
「多分、ドンゴレゲス?そんな名前だったかも、、」

(多分だけど、、ドンゴレゲスだって、、、)
(まーいーや、今ジョニーの場所特定できたから、、)
シュン!
「まいどー」ユータ
「よお!」ドーラ

目を丸くする2人の子。
一般では、まだ転移魔法はほとんど見ないほど使い手は少ない。ドラゴニアがすごいだけ。

街に戻って風呂入ってメシクッて寝ようと思ってたとこだとジョニー。
んじゃ俺らも行く、とドーラとユータ。
5人で門を入る、その時に門番にいい宿を聞く。


「市場の近くのパマの宿、、パマの宿、、、あ、あそこだ、、、」
がちゃ、がらんがらん、、
「い”ら”っしゃーい”」
?だみ声?

・・・・・・・
「ああ!だから!!パパとママを足して二で割った!!」ユータ
ドッコン!!と肘打ちをユータに食らわせるパマ?
でも平然としてるユータ。当然でしょ。

「あれ?いやね、、この子平然としてるわ?鈍いのかしら?」
傷つくユータ、、

「おっさん、、、おばはん?どっち?」ドーラ
「おねいさんと呼びなさい」
「それは少し無理かな」
ドッコーン!
でも平然と、ドーラ。

「あらあら!!どーしちゃったの?私がだめなの?だめになっちゃったのかしらっつ!!」
おたおたし始めるオカマさん。

「ダイジョーぬ、この子たち魔獣より頑丈だから」ジョニー
「あら?そうなの?ふーん、そうよね、アタシのエルボー食らって破裂しなかったのなんかいないんだから」
そーゆーのを客にいきなりくらわせるのかよ、ここは、、、

と見回すと、、、あれ?結構客居るじゃん?
「ふふん!おどれーてるわね?うちはね、メシが美味いのよ!メシがうまぁいのっ!!」
そーですか、、

とりあえず部屋を2つ、女の子は一人で、と思ったら、
「1部屋でいいです、もったいない」
おう、ガッツだな!

なので5ベッドにしてもらって1部屋。

ジョニーからの話はあとで聞くとして、早速風呂に行く。
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