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第百四十八話 暇すぎるギルド ドーデスネン
しおりを挟む翌朝の朝食後、ケーキを探しに通りを歩いていた。
なんか忘れてるなー、なんだっけ?まいっかー、、と思ったドーラ。
ローラが、くんくんくん、、いい匂いがこっちから、、、とか言いながら小走りに行く。
ドーラとユータも走って追う。
かちゃ、からんからんからん!いらしゃいませー、、
ケーキをいくつか食べ、一息ついた時に思い出したドーラ。
「あ、ギルドだ!」
「え?ギルド?どうしたの?」
「・・・俺ら、冒険者の旅、しているはずだよな?」
・・・もーどーでもいいかな?とか思っている顔のユータ。
「いや、食べ物紀行やって帰ってから、皆にどういうんだよ?」
「あ、、、それは、、ローラが食べまくり?」
「・・・ジョニーが他国に探索に出て、帰ってきた時に”美味しい旅してきました!”とか言ったら、ユータはどう思う?」
「・・・それは、、、何が美味しかった?って、、、」
・・・あれ?こんな駄目な子だったっけ?
「もーいいから。ローラ、それ食べ終わったらギルドに行くからな!」
「グルメ?!!!行く行くっ!!」
「どこをどー聞けばそうなるんだよっつ!!!!」
ーー
ギルドはあまり混んでいなかった。つか、冒険者いない。ゼロ。
受付の掲示板。ほとんど何もねぇ、、
仕方が無いので、ひとつだけ開いている受付に行く。
「こんちゃー、ほかから来たんだけど、、ここって仕事無いの?」ドーラ
「あー、以前は護衛がそこそこあったらしいんだけど、、今はもうそういうの出ないし、将軍の部隊が見回りしてるからねぇ、、。魔獣の出る森なんかこの辺には無いし。ほんとはもういらないじゃないかなぁ、この支部。」
「おっちゃん、ゴンザールの人?」
「お?知ってるのかい?」
「まぁ、、今のまともなギルドはゴンザールとドラゴニアのギルドだろ?」
「ああ、というか、前のギルドの連中は皆逃げちゃって、全て閉鎖してるんだってさ。おかげで問題なく支部を出せてるからいいんだけど、、ここは、いらないよなぁ、、」
「んじゃ、他のことやれば?」
「どんなことだい?」
「ゴンザールとの連絡所とか、ゴンザールからこっちに出てきたい商人や職人などを手助けするとかさ」
「ああ、いいかもな、こっちはこれから全体的に立て直しだからな。考えてみるわ、ありがとな。ときにあんちゃん達はどこから?」
「俺らはドラゴニアから」
「・・・・・・すげー、、の?」
「?、何が?」
「いや、魔法とか、剣とか、いろいろ?」
「すごいって言われても、、、どういうのが凄いのかってんがわからんし、、、」
「んじゃ、暇なんで、訓練所で手合わせしてくれる?」
「いいぜ!」
ーー
「ごめん、全くわからない、何がなんだかっつ!!!」職員、地べたに寝転んでぜーぜー言っている。
「・・・速過ぎたかな?」
「そういう問題か?、、よし、そうだとしよう、で、どこをどーしたらそこまで早くなれるんだ?」
「えーーーー??そう言われると、、いつの間にか?」
・・・・・・・・・・
「んじゃ、魔法、見る?」ドーラ
「先に、どんなんができるのか聞かせて」
「メテオとか
「はい!良いです!ありがとう!!終わり!!ご苦労様でした!!」
「んじゃ、残りの2人にもやらせる?」
「・・・どうなの?君が特別強いの?あの2人はフツーなの?」
「うーん、俺と変わらんかな?」
「ぶっぶーーーっつ!!!!!もういーですーー!!ありがとう!!!満腹ですっつ!!!
いらねーじゃん、ゴンザール、同盟に入ってりゃ軍も戦力も無しでいいじゃん、ドラゴニアから2-3人借りて来りゃ終わるじゃん、、
とかぶつぶつつぶやいている職員。
「いや、違うぞ?日常的に魔獣や盗賊などから守れるのは、軍と冒険者だけだぞ?国民、町の人が頼るのは軍と冒険者だぞ?俺らは敵国を殲滅するのは得意だけど、毎日全部の街を見回ることなんか出来ないぞ」
と、ドーラが職員のぐちに抗議。
「・・・ま、そうか、、、そうだよな、、、ギルドは地域密着だもんな・・・・・んじゃやっぱココの街には必要ねーよ、、」
「だから連絡所だと!」
「あ、、あーそーだったっけ、、、そうそう、、忘れてた、、」
戦力差がかなりあったことが彼を混乱させてしまったようだ。
ちなみにここのギルド、職員3人だけみたいだった。「仕事無いからな、いんだよそんで」と、その職員。
「んじゃ、食い歩き続行ーーー!!」ローラ
うん、明日は馬車に乗って次の町に行くからな?と念を押すドーラ。
ーー
翌朝は寝ぼけている2人をどうにか馬車に乗せ、次の町に向かう。
この馬車は次の街で一泊し、その次のデカイ街まで行くという。次の街は駅馬車の拠点にはなってないそうだ。
「まぁ、、村が少しでかくなって街になったところだからな」と御者。
「おっちゃん、次の街の近くには魔物の出る森とかあるのか?」
「ああ、少しは出るみたいだ、幸い街道に面していないから助かるけどね」
期待できそうである。
ローラが起きた。
「あ!何?いつの間にっ!!!まだ存分にあの街で食べ尽くしていないのにっつ!!!」
・・・・・「全部食べたらもう次に来てもおもしろくないだろ?」ドーラ
「・・・・・そうね、、次のためにとっておくのもいいかもね」
なかなか素直である!
この馬車も日の出から少したっての出発だったんで、朝食休憩がある。
馬車が茶屋に停まると、やっとユータが起きた。
茶屋にはごはんものがあったので、3人共定食を食べる。焼き魚定食、うどん定食、そば定食。うどんやそばに握り飯と佃煮、漬物が付いたもの。
うどんやそばとごはん?まじかよ?と思ったが、御者に訊くと美味いと言うので注文した。
なかなか行けた。
食事して少し経ってから馬車は出発し、少しづつ登っていく。
「次の街は少し高い場所にあるんだ。涼しくていいぞ」と御者。
御者は何かと話しかけてくるドーラが気に入ったようだった。
登り始めると、周囲の景色から田んぼがなくなり畑ばかりになり、そのうち林とかが多くなってきた。
少し空気が旨くなってきた気もする。
「空気が気持ちよくなってきたね、気温も少しいい感じに?」とユータ
「やっぱそうか、、、高原か、、ムータンみたいかな?」
「あそこまで高いとこまで行くのかな?」
「どいうだろう、夕方には着くようだから、そこまでは高いとこじゃないか、、」
「高さはわからんが、、温泉あるぞ温泉!気持ちいいぞー。それに飯も美味いぞ。山からとってくるもんなんで、山鳥やきのこなんかうめぇなぁ、、」御者
「え!そうなんですか!それは期待できますねっつ!!」ローラ
「街を食べ尽すなよ?」
「しませんよ、、」
「・・・あんたら、、冒険者じゃ、ないの?食道楽の旅なの?」御者
「一応冒険者です。でも美味しいのも好きです!」ユータ
「・・・まぁ、、なんだ、、いいな、、そういうのも」
気を使ってくれた?
そんなこんなで街の端が上の方に見えてきた。
「そうだ、あそこまで上がりゃ、到着だ。あといっとき(2時間)ほどかな」
見えてから、2時間、、結構登るんだなぁ、
山なんかそうだよね、見えてから歩き続け、、、かなりたってもなんか近づいてないのw
やっと直線の道の先に街が見えた。
「到着だ、やっと付いたぞ、もうすぐ停車場だ。皆さんお疲れ様!」御者
ナンターラ山の街に到着。
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