192 / 253
第百八十九話 新居(仮)
しおりを挟むこっちの世界では新婚旅行とかの習慣は一般的にない。なのでマッハとセレーネは日常に戻る。
でも新婚さんだから新しい日常だ。
しかし新居はまだ出来ていなかったので、仮の住まいをドーラとユータとワリディ(姫)で作っておいた。人魚島の浜の宿の近くに。
新居はドラゴニア王都と人魚国(水中)に作っている最中。ドラゴニアの方はニヤがやると言ったので任せたドーラ。人魚国の方はワリディがやると言った。
宿から海沿いに浜を少し歩くと小さな入江がある。その奥側にこじんまりした家を作っておいたのだ。
高潮時にも波が来ない所だと見当つけたが、一応家を1m近く高くして床下に空間がある。風が通って夜などは涼しく感じられるだろう。あまり時間なかったのでパッパと作ったこじんまりした家。家具や調度品などはニヤにお願いしておいた。ニヤはオールラウンダー?いろいろ能力高いのだ。
寝室、居間、食堂、客間2つだけの木造の小さな家。周囲は20mほど木を伐採して見通しを良くしている。
この島には魔獣や凶暴な猛獣は居ない。なのでその程度でよいだろう。畑にしても良いし、庭にしてもよい。
森との堺には、低い位置に石で作った、機能的には灯籠のようなものを配置し、その上部は魔石で発光する灯火になている。周囲が暗くなると発光する。オレンジがかった柔らかめの光だ。
それを作った時、結構よかったので、浜の宿の周囲や浜と森のキワにも多く配置した。
まだまだ多く居るテント暮らしの者達も喜んでくれた。
なのでついでに簡単な東屋みたいな小屋を数カ所設けたり、浜のすぐ先に筏をいくつか浮かべたりしておいた。
また、客が多く来ているので、いつのまにか森の中を通って人魚国の池まで小道ができていた。そこにも灯りを配置した。小道の灯りの形はきのこの形にして、素材の石は半透明にしておいた。評判はよかった。
結婚式の晩はマッハ達は邸に泊まったが、翌日は新居(島の仮の家)に移った。
ドーラとユータとワリディが案内した。
「ここは仮の家なんだ。小さめだけど邸をドラゴニア王都と人魚国に作っている。」ドーラ
「え?2つもいいっすよ!」マッハ
「一応な、マッハの今後がここ(人魚島)だけで済めば人魚国の家だけで済むんだけど、セレーネにドラゴニアにも住ませてみたいんじゃないか?」
「まぁ、、そうっす、、いろいろ」
「そういうわけ。姫がドラゴニアに遊びに行く拠点にもなっていいだろうし」
「え!そんなこと、目論んでな、い、わ、よ?・・・ほんの少しだけしか・・。」ワリディ
「・・・いいわね、地上の家。素敵ね、可愛いし。」セレーネ
「そういえば、ダンジョンでは毎日どう生活していたんだ?」
「海があるんで、訓練終わったら海の中」
そうですか
「まだ少し体が重いし、寝ていると下側が痛くなるけど、ダンマスは慣れると言っていたので、ここでの生活は楽しみだわ」セレーネ
「無理するなよ?たまには人魚に戻って海で体調戻せよ。」マッハ
「ありがと、その時はそうするわね」
(マッハも、随分かわったねぇ)ユータ
(ああ、来た時は尖ってたからなぁ)ドーラ
家の中に入ってみる。
なかなかよさそうな感じに仕上がっている。
カーテンの柄が魚、台所の小皿の形が魚とかはニヤの趣味が大きく出ているw
シャワールームにはバスタブをおいて、しかもでっかいのにしてあるのは、セレーネが人魚形態でのんびり浸かれるように。
ベッドはでっかいダブルベッド。
しかも長さが長い。寝ていて寝ぼけて人魚形態になっても尻尾がはみ出ないように、というのかな?しらんが。
各部屋の窓はでかい。ここは風通りがいいのででかくした。窓の外の上側にはひさしがある。日差しを遮るのと、スコールのときにも窓を幾分開けられるように。ガラス窓はない。木の観音開きの扉が外についている。
家の前に小さなテラスがある。手すりは無い。どこからでも出入りできる。
そのテラスには小さなテーブルとイス二脚。
一通り見て回り、玄関に戻ると
「ドーラ、ユータ、姫様、どうもありがとう」マッハが言った。
「ホント素敵なお家。ありがとうございます!」セレーネ。
人魚とひとのつがいの話は聞いたことは誰でもある。が、おとぎ話のようなものとか、昔そういうのが居たという伝聞でしかなかった。
リアルな進行形では、皆の知る中ではマッハとセレーネのみだ。
「・・・まぁ、いろいろあるけど、仲良くな。一生一緒にいられるようにってのは、本人達の努力次第だ。俺らにできることはたいして無いんだよ。俺らにできることはするが、お前達が一緒に幸せになろうという気持ちをいつも持ち続けることが大切だ。お互いを大切にしろ」ドーラ
「はいっ!!」マッハ
「ええ、肝に銘じるわ」セレーネ
「・・・・・・・あんた、つがい持ったことあるの?」姫
「・・・昔のことは知らない」ドーラ
**いつも読んでいただきありがとうございます!。すみません、猫が具合悪く、申し訳後いざませんが今日はここまでになります**
0
あなたにおすすめの小説
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
ダンジョン学園サブカル同好会の日常
くずもち
ファンタジー
ダンジョンを攻略する人材を育成する学校、竜桜学園に入学した主人公綿貫 鐘太郎(ワタヌキ カネタロウ)はサブカル同好会に所属し、気の合う仲間達とまったりと平和な日常を過ごしていた。しかしそんな心地のいい時間は長くは続かなかった。
まったく貢献度のない同好会が部室を持っているのはどうなのか?と生徒会から同好会解散を打診されたのだ。
しかしそれは困るワタヌキ達は部室と同好会を守るため、ある条件を持ちかけた。
一週間以内に学園のため、学園に貢献できる成果を提出することになったワタヌキは秘策として同好会のメンバーに彼の秘密を打ちあけることにした。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-
すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン]
何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?…
たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。
※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける
縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は……
ゆっくりしていってね!!!
※ 現在書き直し慣行中!!!
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…
アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。
そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!
合成師
あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます
neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。
松田は新しい世界で会社員となり働くこととなる。
ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。
PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。
↓
PS.投稿を再開します。ゆっくりな投稿頻度になってしまうかもですがあたたかく見守ってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる