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第二百五話 冒険者たち
しおりを挟む今、せっかくドラゴニアに帰っているのだから、と、中間の街の冒険者ギルドに転移する。
ドラゴニアの中では多分ここが一番大きい。なので、多分だけど、情報も多いんじゃないかな?とか?
ギルドの玄関ドアは開けっ放し。出入りがひっきりなしだから。
なので中も人混み。
ドーラは背がちっさいからこういうとき不利。なのでユータが前に出てひとをかき分ける。
というか、ユータの前をぎりぎり避けている。なんか、森を歩いているときに無意識に木を避ける、な感じで歩いてくるユータを避ける周囲の冒険者たち。
「便利な能力だな?」ドーラ。そんなの見たことなかった。
「うん、僕も最近気がついた。なんだろうね?便利だけど♪」
ユータが真後ろに迫ると、流石に少し、視界の端にユータが入ったくらいに振り向き、ユータがそのまま通れるくらいぎりぎりに避ける。それでさえも何か無意識にやったように見える。
雨がポツポツ降ってきたら無意識に木の下を通って歩くのと似たようなものだろうか?
受付も並んでるかな?と思ったら、やっぱ並んでいた。
「どうする?他行くか?」ドーラ
「そーだねー、素直にダンジョン側の街のギルドに行っておけばよかったねー」
だなー。
「お、久々じゃねーか?今日はどうした?」最初の頃にあったおっちゃん冒険者がドーラの肩を叩く。
「久しぶり!まだ冒険者やってたの?引退して楽したら?」ドーラ
「おいおい、、まだはえーよ。っても、もう畑も狩ったけどな♪」
「まじ?どこにどんだけ?」
「この街の外れに、2ブロックほど。自給自足程度だな」
「なんだよ、もうこの街から一生出ないのかよ!」
「あっはっは、ココで十分なんだよ、ここが気に行ってんだよ。」
「まぁ、冒険者には、というか、ここに住んでる者達にはいい街だよな」
「ああ、そういうこった。」
ま、他の街もそうだけどな!
「そうそう、おっちゃん、ゲスザンスやゴーミに出したこっちのギルど、どの街に出ているかわからないかな?」
「なんだそんなことか?付いてこい」
だんだんだんとおっちゃんは階段を登っていく。3階に上がったとこの部屋の扉を叩く。ガンガン!!ノックじゃないよね!!
「おう!あいてるぞ!」怒鳴り声が中から
がちゃ、きぃー
「お客だギルマス」
「?、あ、いらっしゃい?珍しいね?どうしたんですか?」ギルマス
「あれ?砦の?」
ゴンザールの荒れ地の砦で見たことある人、兵士だったかな?
え?知り合い?って呟くおっちゃん冒険者。
「ええ、もうあそこは安全だからこっち頼むって送られて。」
「お気の毒で・・・、まぁ、宜しく頼む。」ドーラ
「俺は行っていいな?」おっちゃん
「あ、一緒に聞いておいてくれるかな、こっちの冒険者たちにも知っておいてほしいことだ。」ドーラ
ギルマスが下に茶を言いつけに行こうとしたら、ユータが「僕が」と代わりに行った。
ギルマスとおっちゃんはソファに座り、ドーラの話を聴きはじめる。
各地にに魔獣は出る。
ドラゴニア以外だと、魔獣を狩るのは冒険者や兵士でないと難しい。なので、兵士が居ない地域にや兵士だけでは足りない地域にギルドが支部を出して冒険者が稼げるようにする。
が、ろくでもない街や地域に行きたいと思う冒険者はいない。
ゲスザンスやゴーミのようなところは、未だに街をチンピラ共が支配して悪事を働いている。
行く価値の無い街。
でも、最近そういう街にも、このゴンザールドラゴニア冒険者ギルドの支部が建ち始めた。
ゲスゲスな街の連中をマシにしていくためだ。
ゲスゲスな者達は、それが当たり前で自然なことだと思い込んでいる。自分達の行動を善いこと、正しいことだと思いこんでいる。だから奴等だけだと悪化することはあれ、人間社会として良くなっていくことは在りえない。
でも、そこにもまだ子どもたちがいたんだよ。これからも生まれてくるだろうし。
で、ドーラは記憶から画像をギルマスルームの壁に投影した。
茶の用意をお願いして上に戻ろうとしたユータは、その様子を遠見と聞き耳で捉えてたので、ちょうどよい、と、一階の食堂の壁いっぱいにドーラの映写するその動画を投影した。
>受付に一人だけいた。
「あれ?ドーラ、さん?」受付の元冒険者
「おう、久しぶり、こんなとこにいたのか?」
「ええ、手伝ってくれっていうから手伝ったらいつの間にかココ?」
「気の毒に・・いや、悪かったな。ありがとうな。この街で人死にが出ないようにしていたのはお前のおかげか」
(202話)
ここから始まり、3人の子どもたちがうなずき、ゴラーンに年長の子に魔法と剣を教えてやってくれ、と言った所で終わった。
ユータはギルマスルームに戻った。
「「・・・・・・・」」ギルマスとおっちゃん冒険者
「ということだ。まぁ、こんな感じで人知れず頑張っている奴がいるんだよ。どうにかしたくってな、だから今ゲスザンスとゴーミに出している支部の場所を知りたいんだ。」ドーラ
「わかりました。今回の、というか、ギルド全体のことを取り仕切っているのはダンジョン側の街にあるゴンザール離宮です。主にアッテウス様が、主な支部のギルマス達を集めて会議を行い、必要なことを決めています。
支部に関することには離宮は基本的にはタッチしません。冒険者と職員が、そして同時に冒険者と職員にとって、”良識と善意”がある支部にしていればいいだけです。
多分、今回のそれは読み間違えでしょう。ドーラさんとユータさんがこのように知らせてくれたおかげで私達も動けます。
ゲスザンスとゴーミに出した支部の地図はここにもあります。」
と、ギルマスはデスクの後ろにごちゃごちゃ丸まっている長い巻物の一つを出して床に広げた。
2×4mくらいのでかいもの。
ドラゴニア、ゴンザール、ゲスザンス、ゴーミの地図。
各地に赤い点がある。
「この赤い点が支部です」
「ありがとう、念写した。もう仕舞っていい。」ドーラ
((流石だ・・))
何のリアクションや矯めすら無く念写を知らぬ間、一瞬で。
「ユータ!」
「うん!」
「世話になった」ドーラ
シュン!と2人は消えていった。
そのギルドの一階の食堂。
外に出ていく者はいない。入ってくる者は、その異様な雰囲気を側の者に聴く。そして頷いて近くに座る。
皆思ったことを言い合っている。
「俺らもたまには近くでいいから、向こう側に出向いて向こうの支部エリアで数日稼ぐのもいんじゃねーか?」
「いいこと言う!まず俺らができることからだな!俺はそれをやってみようと思う。」
ああ、俺らもそうするか、とチームになっている者達。
「なんか、向こう側は人間の方が危険そうだから、数人でパーティ組んでいくのが安全じゃね?」
「あー、そらそーかもな。向こう行く時は、ここに張り紙してパーティメンバー募集ってやれば?」
「それでいいな!」
おう!
ユータも、ドーラも、ギルマスも、おっちゃん冒険者(超ベテラン)も知らないうちに、彼等は盛り上がって動き始めていた。
これが今のゴンザールとドラゴニアの冒険者達。
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