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第二百四話 ダンジョンの森の入り口の宿
しおりを挟む晩飯時に紳士を皆に紹介した。ガンダはやはり興味を持ったらしくいろいろ話したがった。
ドーラは念話でガンダに「あとは全部頼むな!」と丸投げした。
ユータとドーラは邸で寝ていこうかとも思ったが、せっかく調査の旅中である。
「以前のダンジョンの森の入り口の宿に行こうぜ?」ドーラ
「うん、そいやまだ行ってなかったね。泊まりたいねー」
ユータもそうだった様子。
建物は新しくなってるけど、懐かしいのだ。
少し遅い時間だが、宿の食堂を遠視して、Okやってる。
シュン!
「ちーっす!」ドーラ
「あ、どーら?珍しいね?」と、厨房のカウンターにいる厨房班の子。
「おう、遅くに悪いな。泊まりに来た。」ド
「よろしく!」ユータ
「あー、懐かしいな、作りが以前のと同じ?」
「うん、ほぼ一緒かなー、これ、ニヤが作ったんでしょ?」
「おう、ニヤが自分で担当するって言ってたから皆で作ったんだろうさ、いやよく覚えていたな?」
「なんか、初代の人達皆呼んだみたい。みんなであーだこーだやってたって。」
「すげーなー・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・うん・・・・・」
「エール2つもらえる?」ドーラ
「はーい!」
二人は隅の席に座った。
(ユータ、内緒な?)
(うん、皆忘れてるんだよ。ボクも今思い出したとこ!言わないほうがいいね!)
そう、ここらにあった建物、全てユータのストレージにはいったままなのだ。
ほんとはドーラがニヤに頼む時に思い出して一応一言言っておくべきだったのだが、忘れていたのだ。
(でも、本館とか、銭湯とか、あるよ?ここのよこに出したら皆喜ぶんじゃ?)
シっ!
「おまたせー、肴はいる?」
「なんかいいのあるの?」
「んー、ありきたり。昔のままみたい、あじつけ干し肉、あじつけヒモノ、酢漬けの唐辛子とにんにく、特製ソーセージくらいかな?」
「あの、、何その酢漬け唐辛子にんにくって、、恐ろしげだね?」ドーラ
ユータはそそられている様子である。
「おいしいよ?すこしからさが残っているけど。」
へぇ?からさ、少なくなってるんだ?
「んじゃ、それと、ソーセージを二人前ヨロシク!」
「まいどあり!」
「あ!、ここ、風呂ってどうなってんの?」
「一階奥にあるけど、そんなに大きくないよ。皆見計らって入っているから、空いていたら入ってね」
(しかたねーか、)
(だねー)
(従業員、しゅーごー)
と、ドーラ、念話で従業員全員に集合かける。
「あ、ドーラとユータだ」と皆覚えている様子。一緒に飲んだ連中だ。
そして、
「にゃっつ!!」ニヤも邸から跳んできた。
(・・・・あちゃー、まいいか)
(開き直ろう!)ユータ
「はーい皆さん、銭湯出すとしたらどこがいい?」
「「「「「「出す?」」」」」」
「あ、思い出したにゃっ!!」
「「だいせいかーい」」ドーラ&ユータ
「うん、今まで忘れてた!」
「仕方ないにゃ、ニヤも忘れてたニャ!」
((ほっ!))
「使うなら本館も出すぜ?」
「にゃ!、どうする?ダンジョンの入り口付近に建ててもいいにゃ!」
ニヤは経緯を皆に説明する。
「ここをダンジョン入り口に移動させて、ここに本館ってのもできるぞ?」ドーラ
うーん、と皆考える。
従業員の大半は元冒険者で、ドラゴニアの者は、厨房に指導している女子と、今来たニヤだけ。
「魔獣大発生とかなったら危ないし、私だけだよ?今は」と、厨房班の子(ヨッシー)。
他の元冒険者達はその子から指導受けているのだろうが、まだまだの感じだ。
「だよなー、んじゃ、とりあえず、この建物の裏側の街道に面して本館置いとく?その間に銭湯にして。」
「・・・ま、そんな感じかな?お客さん増えているし、街道通る人も多くなってるし。」
「いーにゃにゃいかにゃ?おみゃーら、だまってにゃいでにゃにか言うにゃ!」
「うーん・・・・・」と腕組みして悩む元冒険者たち。
「あ、以前、ダンジョン入り口とココの間に馬車走ってたよね。あれ再開出来ないかな?」
「そうそう、あとあの魔石にならないへんな魔獣、あれの引取も再開したら皆喜ぶぞ?」
「あー、あれよかったよなー、あれでくいつなげたもんなー」
「そうそう、死なずに済んでたぜ俺」
ほう、ここに来たのは元常連ばかりか。いいね!
「わかったにゃ。んじゃ、馬車再開はお前らに任せるニャ、担当決めてやるにゃ。ユータ、あのときの馬車は?」
えっと、、、
「あのときのかわからないけど、馬車が何台かストレージに入ってるや。いくつ居る?」
「お!3台ほど貰っていい?」
「はい、ほいっと、宿の横、街道側にだしておいたから。」
「「「おー!!」」」
「ダンジョンまでの道を広げにゃいと危険だからにゃ?見通し良くするにゃよ?!!」
「「「ういっす!」」」
「魔法使ってがんがんやればいい。魔法の訓練になるからな」ドーラ
「伐採した木は丸太にして保存しておくと、あとで使えるからね!」ユータ
「「「なるほど・・」」」
「ヨッシー、たのむな?」ドーラ
「まかせて!」
夜だけどよく見えるから、ユータとドーラは街道のダンジョンに行く小道側からこの宿、銭湯、本館、食堂、雑貨屋とならぶように建てていった。当時のは邸を除いて全て出した。
銭湯は上モノだけじゃ使えいないので、また温泉を掘り出してきて管を繋いだ。
ニヤは、運搬班のサーラからスライムを1匹借りてきてヨッシーに渡した。
「あとでモブ魔獣食わせてレア魔石にする裏技教えるニャ!ニャイしょにゃ!」と言って。
「あー、あれ始めちゃうと馬鹿みたいに金持ちになった気になるけど、勘違いするなよ?ちゃんと皆貯めといて、嫁さん貰ったら家と畑かって百姓するなり商売するなりここでそのまま続けるなりして・・」
「ダイジョブにゃ。ヨッシー、そのへんの手綱、しっかりやるにゃ!」
「まーかせてっ!!」
・・・・・なんか、大丈夫そうな感じである。
「人手が足りないな?」
「従業員募集の張り紙出すか?」
「街のギルドにも貼っておこうか?」
「ギルド行った時、知り合いいねーか見てこない?」
「そのほうがいいかな」
「仕方ない、ヨッシー、厨房班から本館の食堂(本館と別体になっている)に一人入れてもらえるかな?」ドーラ
「そうですね、まだ皆料理はいまいちなので必要ですね、頼んでみます」
そう。まだここが開業再開してからあまり経っていないのだ。
だからベテラン従業員までには育っていない、というか、新人?
でも、元客だったので、どういうのが嬉しかったか、良かったか、などはよく知っている。それは常連客でなければわからないことだった。
だから厨房班と元冒険者達はうまく行ってるのだろう。
「完全移譲できるまで、5年くらい掛かるにゃ・・」
「長い目でいこうよ」ドーラ
「急いじゃいけないね!のんびり!」ユータ
急ぐ必要ないからね!
寝る前にやっと食べれた酢漬け生唐辛子とにんにく、まぁ、お酒に合ってうまかった?
そのせいかぐっすり眠れたユータとドーラだった。
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