放課後はダンジョンに行って憂さ晴らしのつもりがいつの間にか学園最強になってたことに気が付かなかった

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第二百三十九話 運送屋、うんそうや!

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それから半年しないうちに混乱は完全に収まった。
たかが、誰でも出来る仕事をしていてそれを悪用していた者達がかなり消えただけだ。その程度の仕事なら、誰がそこの後釜に入ってもすぐにどうにか出来る。
しかもわがままな阿呆はすべて消えているので、内部や取引先との話し合い等は理性的に合理的な内容で行われ、最善の方向性を見出して即座に復旧に向かう。各方面みなそのようになっていった。
そして驚くことに、今までの人員の1割も満たずに、しかも仕事量は5%ほどになっていた。

クズが余計な仕事をそれだけ作り出していたということだった。

あの翌日の運送屋と工場長との飲み会には他の連中も来た。10人くらい集まった。
多くの者達の実家は自営業。元工業高校に来るだけあって、そういう関係は多い。なので、似たような問題を起こされていた。問題を押し付けられていた。

「もすこしどうにか耐えてくれ。そうだな、半年もかからんと思う。」ドーラ
何言ってんだこいつ?みたいな目で見られたが、
「今対策が始まったから」ドーラが続ける。

「うん、ドーラの言うとおりだよ?クズども皆消したので、あとはまともな人達がその混乱収めたらきっとよくなるから。ならなかったらまた同じことするから!」ユータ

「何の事言っているのかわからないけど、まぁユータが?そう言うんなら、なんかでっけーことが動いてるのかもしれないな?って。」運送屋
「おう、かもな」工場長
他の連中も、まぁ、だなぁ?とか幾分納得ぎみ。

あれ?俺信用無いの?(ドーラ)

違うと思う。学内で力を見せつけたのはユータだけ。ドーラはそういうの無かったでしょ?
しかも、卒業後さっさと外国行ってしまうし。それだけでも「何者だよっつ!!」という得体のしれない?評価を得ていたのだ。


さて、そういう彼らもこの路線沿線なので、たまには居酒屋で高校の先生達とばったり、というのもある。

そういう居酒屋
「え?ユータがそんなこと?ドーラも?」先生
「うんそうや!」運送屋
「0点だな」
「相変わらず甘くないなぁ先生は」
「俺はギャグには本気だぞ?」
なんで先生やってんだか・・

「まぁ、わかるな。」先生
「わかるの?何が?どう?いつ?誰が?どこで?」
「うん、5w1hだな。まだ覚えていたか、エライぞ!」
「あっはっは!で、どうなのよ?」

「うん、彼らは、なんというか、宇宙人?じゃないな、異世界人?あ、ユータはこっちだったっけ?」
「??せんせい大丈夫?酔ってるか?」
「いや、シラフに近いけど。おまえら、卒業の時にユータにペンダント貰ったろ。お前と工場長が。」
「ああ、まだ持ってるぜ?」

「あれ、ムータン王国の王様しか発行できないやつだ」
「・・・王様、土産物屋かなんかのオーナーなの?」
「そうきたか・・・」あのとき聞きに来たから説明したのに、残念なやつ、とか思う先生

なんだかんだやっと理解させた先生。
「へぇ、よくわからんが、外国みたいな世界にある国のえらいさんなんだ?いつの間に?」
「そうだな、まだそこは訊いていないけど、高校のときからかなぁ。結構変わっていったろ?見る見る間に」
「ああ、面白いほど強くなってく感じがしていたな、あの頃」
そこだけですか・・・

「だから、彼らからすりゃ、この世界なんか屁みたいなものなんじゃないかな?」
「屁かよ」
「だって、あの戦争思い出せよ。一日だったろう?たった一日で終わった。世界の大半の軍が消え失せた。」
「お米の国も荒れ地のみの世界になったってTVで映していたな。信じられなかったけど。」
「そう、それ。信じられなかった、というのが間違い。事実をそのまま受け入れないから、いつまで経っても事実を知りることができない。」

「目の当たりに、そのものを自分の目で見てみなきゃ、なかなかそんなことできないよ。無理言うなよセンセー」
「まぁそれはあるな。しかも目の当たりにしても信じることを拒否する者も多いからな」
「そりゃないでしょ」

「例えば、ドーラとユータが目の前で消えたら、信じるか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あったわ・・・・・」
「え?みたの?」
「おう、・・・先生も?」
「うん、何度か」

ビールこそ、話しているので乾きを覚えるから無意識に飲むが、つまみは全く減っていなかった。

ーー

(どーらーーー!!!)
シュン!!
「呼ばれて!」ドーラ
「飛び出て!」ユータ
「「じゃらじゃらりーん!!」」ドーラ&ユータ

「何ごっこ?」校長
「なんでもないです!!」ユータ

校長室である。
「・・・そうそう、理事長、容認したよ。」校長
「実はな、あのあとすぐに教員達が・・・
と、校長が教員たちがドーラの国に校舎を作ってそっちで授業やりたいといい出したこと。生徒の大半も行きたがるだろうとか言い出して、いろいろなんか大変になったこと。理事長もわけわからなくなり、「俺もうカネないから!そこがどうにかなるんだったら好きにやってみろ!」ってことになった。ホントの所、理事長のところもやばくなりつつあるんだ。なのでそこだけ気をつけてもらえれば・・・。

ということだった。
「んじゃ、とりあえず寄付しとく」
と、ドータはストレージから大金貨1万枚出してどしゃ!どしゃ!どしゃ!と、デカイ方の革袋を校長の机に置いた。
日本円換算で今いくらのかしらんが、大金貨1枚で一家4人が1年間どうにか暮らせる程度になるのが今の物価。

で、すぐにガンダを呼んできた。
ムータンに転移して異世界門で向こうの島に出てからドラゴニアに転移。すぐにガンダを捕まえて「行くぞ!」。で、ガンダも「わかった」だけで即日本の高校に戻ってきた。5分ほど?最短記録だね?
ちなみにあの洞窟を通ったら、途中で寝てしまうので半日からまる一日ほどかかる。

ガンダは高校をマークして、次回からすぐ転移して来られるようにした。
そしてざっくりした計画をその場で作り、来週から第一陣を転校生として入れてみる。
で、ドラゴニア側でもこの学園のドラゴニア校の校舎と教員用宿舎を作ることになった。

「ドラゴニア校は、小学校からでいいんですね?」ガンダ
「ええ、最初はまだ先生が集まらないので、先生の数に合わせた生徒数にしてくださいね!」校長

「ドラゴニアの教育も一緒にできないか?」ドーラ
「おう、そのほうがいいよな。こっちの先生にもそういうの知ってもらうほうがいいだろうし」ガンダ
「ほほう、今日意味ありますな!どのような?」
「剣とか得物使う戦い方、体術、魔法、読み書き、計算、日常常識や応用、かな?今あるのは」ガンダ
「・・・・・・全く、、いや、計算と読み書きは似たようなものでしょう、が、それ以外は全く違いますな!!」
「どう?面白い?」ドーラ

「早く見てみたい」校長
おもしれーやつ!×2

「あ、先生たちも向こうに済めば、そのうち魔法使えるようになるかもよ?」ドーラ
「え?そうなの?!儂も向こう定住しようかな。」
「こっちは?」
「行き来すりゃいいことだし。」
「転移使えいないでしょ?」
「・・・たのむよう!!そこらはどうにかたのむよう!!」校長
責任者の校長が行きっぱなしはだめだからね!
顔を見合わせるガンダとドーラ

「んじゃ、ガンダ・・・」
「わかりました、先生たちの魔法授業を、毎日放課後行うよう組みます。」ガンダ
「おおお!!神よっつ!!感謝しますっつ!!」校長
なんだかなー

後をガンダに丸投げてドーラは逃げて帰った。


自宅の部屋
「どーだった?」
と床にごろごろして新刊漫画を読み漁っているドラゴニアN02。

「おう、ガンダに丸投げしてきた。なんか、ドラゴニア校を作るみたい。」
「へぇ!やるねぇ!流石だね!!」
感心し、喜ぶユータ。全くびっくりしていない。

「びっくりしないんだ?」
「うーん、あの先生たちなら、やりかねない?」
まぁな。

「そのうち、旧ムータンにもムータン校とか作ったりしてな!」
「ありえる!」
あっはっはっはっは!!


その頃の居酒屋
「そう言えば、ユータは最初ムータン王国に行っていたんだよな?」
「ああ、そういう話しだったよな?でも引っ越しちゃったろ、あの国」
「うん、一つの国、まるまる残ってるんだよな?」
皆ごくりっ、とツバを飲み込む
誰かが意を決して

「一カ国、まるまる学園」
だーっはっはっはっはっは!!
居酒屋の半分以上が先生たちだったので、居酒屋全体が笑いに包まれたようになった。

斜め上を行く先生達であった。
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