黄昏と黎明のヴァルプルギス

uni

文字の大きさ
15 / 15
ーーchapter Oneーー メインストーリーから?ストリームから?跳ばされて?・・左遷組なのだろうか・・・

ーー015 なし

しおりを挟む

今日はちびどらの狩り実習を始めるという。
当然俺も一緒に行く。うさぎもちびどらと兄弟同様なので行く。
まずはゴブリン狩りだとのこと。五分厘刈り、とかの坊主頭ではない。昔初めてゴブリンって聞いた時、五分刈じゃ済ませない酷い監督の居る野球部?とか思ったよ。
で、その部員達を五分厘って呼んでるのかと思った。

「森を火事にさせないで、獲物だけを燃やし尽くす、という練習です」
と、ドラゴン人おっちゃん。
なかなか高度な技だな。
俺も一緒に練習すればよかった、と思った。

「おっちゃん、今度俺にも教えて?」
「・・・いいですよ。そう言えば、魔力は異常にありますが、使える魔法は偏ってるし少ないんでしたね。」
ほう、そうなんだ?自分じゃわからんよ。つーか、この世界の一般人って、ギルドの禿さん、もみあげさん、それとおっちゃんと娘さんしか知り合い居ないし?

・・・この世界を見てみたいな、と、この時はじめて思った。
が、うさぎを連れて行くわけにはいかんよなー。うさぎはここに湧いた来た向こうの世界の者達の案内人だ。よそに行くと、湧いた人はここで訓練する機会を失うだろう。知識を得る機会を失うだろう。強く成れないだろうな。

まぁ、ちびどらが独り立ちするまではココに居るし。
街に顔出してりゃ、いろいろ知るだろう。


と、おっちゃんを迎えに行ってから街に戻って、ギルドに顔出したり、街をぶらついたりして毎日を過ごしていた。
稼ぐ必要無いんで・・・硬貨をコピーできたんで・・・・。本物の金とか銀とか銅なんで本物だからいいの。

ちなみに、ココの世界のおかねは、大昔の日本とかみたいなもの。日本は最初中国の銅銭を使っていた。自国で作れるように成ってはじめて硬貨を造って。
肝心なのは金属の種類と含有量と重さ。

なのでまるまんまコピーできれば本物だということ。
発行が利権になっていないのだ。
それだけでも本物の自由な世界だなーって思えるなー。

必要以上にコピーするつもり無いし。贅沢するつもり無いし。魔法で作るより買う方が確かなモノの場合が多いので(職人の経験には敵わない)、買うほうがいいけど、必要なもの以外買わないし?


数日後、朝から街をぶらついていると・・
あ、もみあげさん・・
先の方の店にでっかい体格のもみあげさんが、なんか売っている店頭でおばはんと話している。
近づいていくと・・
果物?

「・・うなんだよ、だから・・。・・あー、タコ、だっけ?」
と、そばに来た俺を目に止めて言う。
「当たりです。果物ですか?」
「おう、でも無いようでなー、聞いてるんだ。そうそうおかみ、もすこし丸くってな茶色でな、しゃきしゃきでなー、少し青臭いけどその匂いもよくてな、甘いんだ。」
「なし?」
「お?知ってるのか?長十吾郎なしってやつだ。」
おしいっつ!!

「ここらなら気候的にはありそうですね」
「だろう?」
「うんじゃ、こんど仕入れに行った時聞いとくよ。見つかったらギルドでいんだね?」
「おう、禿の方に伝えておいてくれればいい、たのむな!」
「わからんけどね。期待しないで待ってな!」
あっはっは!

「おう、またせたな、じゃ飲みに行くか?」
「ちょっとまってください。俺も土産に買ってくんで。これとそれとあれとあっちとその赤いのととなりの紫のを20個ずつください」
「「・・・・・・・・・・・」」
「・・おまえんち、どんだけ子供いるの?」もみあげ
「何人だろう?」うさぎが一匹、うさぎが二匹、うさぎが・・
えっと、18人?18匹?

「18人くらいすかね?」
「「孤児院?」」もみあげ+おばちゃん
「いや違います。動物小屋?」
何言ってんだこいつ?みたいな顔になった2人。
まーいーやとおばちゃんは木箱にわらを入れながら果物を詰め始め、木箱は10個くらいになった。

「で、馬車呼ぶかい?」おばちゃん
「いや、持って帰ります」
シュン!、と、ストレージにしまう。

・・・・「そういや、久々だね、こんなの見たの」おばちゃん
「他にもいるのか?こんなのが?」もみあげ
「随分前だけどね、ずっと見ないんでどっかに行っちまったんだろうねぇ」
前任者だなー

「やべぇな?お前みたいなのがまだいるんだとよ?」
いや、別に危なくないはずですよ?
「ダイジョブじゃないすか?以前も問題なんか起こさなかったんでしょ?」俺
「そういや、別に何もなかったねぇ、平和なもんだったよ」おばちゃん
多分、前任者が森を制圧していたんで余計な奴ら(魔獣)が森の外まで出なかったんだろうな、今みたいに。

「今は?」と、訊いてみる。
「今も、そうだね、あんときくらいに全く問題ないねぇ、森に関しては。」

「おう、だな。」もみあげ
「へぇ?じゃ人間社会で問題あるんすか。」
まーなー、ともみあげがいいながら俺を通りの向こうの飯屋に誘う。


飯屋で、肴になるようなものと、酒を注文するもみあげ。勿論2人分。
あ、
「こういうとこって、酒の持ち込みとかいんすかね?」
「おう、ダイジョブだぞ?おまえ、持ってんの?」
で、俺はポケット瓶を出す。

さっととって眺め回す。
「・・・なんじゃこりゃ、すげーな?カットでもなくこんなに均一に?刻印もだし、・・あ?知らん文字も・・何語だ?」
「・・・知りませんよ?」
とぼけておくのが一番だろう。

「でも、すげー良さそうなモノだな?」
さすがだな、動物並の・・・・嗅覚?勿論酒の匂いはまだ嗅いでいないけど。

「いっすよ開けて。蓋、回して開けてください。」
ぱきぱきぱき・・・
「うっすいなぁ、この鉄。よくこんなにできるもんだ!」
そう言われりゃそうだよな。アルミだけど。

それよりも匂いがそそったようで・・
ちっこいグラス2つくれっつ!!
ともみあげさんは奥に怒鳴った。

ほどなく給仕が持ってきてくれた。
とくとくとく・・
2つに注いで、一つを俺に渡し、自分は自分のグラスの酒の匂いを嗅ぐ。
「・・・はぁーー、、すげーな?なんだこれ?」

ドラゴンはこれを知っていたのだが・・・
「ウイスキーって酒です。」
「へぇ?んじゃ貰うぞ。この酒との出会いに!」
と、グラスをぶつける。

ちびちび飲むもみあげ
少しかわいそうにみえたんで、
「全部飲んでいいですよ?」
「え?なんて言った?」
「いや、全部飲んでいいですよって言ったんですけど?」
「・・まじに?、俺が?、この酒、ぜんぶ?飲んでいいの?」
「いいっすよ?」
「・・・おまえ、いいやつだなぁ!!」
酒飲みって奴らはっつ!!!


そんでもちびちびなので、ストレージから5本出して全部あげた。
俺はここの酒でもいいし。俺にはこっちのほうが目新しいので、こっちのが良かったってのもある。
一人じゃ家以外じゃ酒飲まないし。

やっとおっさんがばがば飲み始めた。
ても酒のグラスなのでそう大きくない。元の世界の水のコップの半分くらいだろうか?

夕方には切り上げた。
「家で子どもたちが待ってますんで」
と言うと、相変わらずもみあげさんは子供にやさしい。
「おう、そーだったな、土産もかってるしな、じゃ、今日はありがとな!楽しかったわ!」
「俺こそここ全部払ってもらっちゃってごちそうさまでした。」
「いや、ある者が払うのは当然だろう!しかもあんな幻級の酒まで大量に貰ってしまって!」
神超えたっつ!!!


家に帰ってちびどらとうさぎたちに土産を与えた。みな喜んでうまいうまいいいながら食べていた。
よかった。また買ってこよう♪

少し心配だったんだよねー、コピー品ばかり(桃缶)食べさせていて大丈夫かなー?って。
なので畑もがんがん実らせなきゃな!果物ばかりではなく野菜も食わせる。

ただ、なんかちびどらがうさぎ達の影響なのか、あまり肉食わないのが心配。おっちゃんは
「大丈夫、ドラゴンは雑食!」
とか言っていたけど、草食になってるからな?

みな腹を膨らませ、そこらじゅうに適当にごろごろ寝ている。
うさぎたち、最近ぜんぜん巣穴に帰っていないんじゃね?子うさぎ達もこっちにいるんでいいんだけど・・・

つまり、ちっこい小屋なのに大世帯になってしまっている。
小屋、作り変えようかなぁ?
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~

桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。 交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。 そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。 その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。 だが、それが不幸の始まりだった。 世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。 彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。 さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。 金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。 面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。 本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。 ※小説家になろう・カクヨムでも更新中 ※表紙:あニキさん ※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ ※月、水、金、更新予定!

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』

宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?

処理中です...