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後−21 宿改良作戦2
しおりを挟む面白がってか、昨晩来た客も何組かまた来てくれた様子。
表の立て看板の風呂の部分が「薬湯できました」となったのが気になった者も数人いて訊いてきた。
銭湯と同じ値段で入れるとしたみたいで、数人が風呂に向かった。今日の薬湯なんだったっけ?
初日に唐辛子はきびしいよな?とか、夜寒けりゃ唐辛子にして、そーでなければきんかんあたりに、とか言ってたなー。
少し寒いが、どっちにしたのだろうか?
食堂はさほど混んでなく、手伝いもいらなそうなので、泉さんと俺は外に出てみた。
「ここに来てから買い物とか以外ででるのは初めてですねぇ、、」俺
「ああ、まぁ乗りかかった船だからな。さて、ケーキにするか、酒にするか、、」
「まず店を見つけてみましょう、」
「おう!」
夜はかなり涼しくなっている、肌寒くなっているのに、人通りは多い。
ダッシュビールは農国と北の国との東の玄関口。人は多く集まる。
で、西の国境の街のように、やはり食い物がうまい街と言われているようだ。
なので、あの宿のあの飯はないだろう?だった。
「良いコックを雇えればいいんですけどねぇ、、」
「ああ、そうだなあ、、奴等が料理をうまくなるってのは、、時間かかりすぎそうだ」
あ、たたたたたーーー
まったくもう、、追う。
これは、、バターと砂糖の香り、、うまそうである!
がちゃ、カランカラン、、いらっしゃいませー
「ほう、うまそうなのが並んでいる・・・」
ガラスケースを覗く泉さん
「これと、これ、で、これらに合う飲み物をくれ」泉さん
あ、そーえば、、まだ晩飯食っていないわ、、
席に座ってメニューを見る。
シチと硬パンを頼む。
で、毎度だが、
シチは泉さんに取られたので、パスタ、トマトソースのを頼んだ。
で、
半分取られたので、
今度はベーコンときのこのパスタ。
半分とられたが、大体腹八分いったんでOK.
で食後のケーキは、、いや、、
ハムとチーズの硬パンケーキというものがあったんでそれ。
もしかしたらー?
半分あたりー?
ピサの元祖みたいなもの?
薄いふくらし粉いれていないパンケーキ、チャパティみたいでもっと薄く油を使っていないものに、ハム、薄く切った玉ねぎ、ちっさいきのこ、薄切りトマト、で、粉までいかないというか粒がデカイ粉というか、がかかってて焼かれたもの。粗挽き胡椒もかかっているみたいな味。
「こーゆーのは、半分に切って丸めて、紙に包んで弁当にできますね。」
「おう、そうだなー。いろいろ具もどうとでもできるしな」
・・
「って、野宿で鉄板さえアレばできるじゃないですか。」
「いや、大きい石を火のそばに寄せて、表面が焼けるくらいになったら生地をハッつけりゃいいんじゃないか?」
なるほど、ナンを焼くのと似たようなもんか、、
「今度やってみましょうね」
「おう、具は、ウサギでも捕まえよう。鳥は難しいからな」
で、泉さんケーキおかわり。
他の客が泉さんをチラチラ見ている感じがする。というか、店員も。
「あの、、」店員
「はい?」
「ゴルダの街に居ました?」
農国はケーキ大好き国家というだけあって、商業組合の他にケーキ屋のみの組合もあるそうだ。
その会合で、ゴルダに来た食い尽くし娘の話題が出たそうな。
いろいろ目撃証言があり、かなり面白がられたという。
で、店の常連達もその話を店長や店員から聞き、珍しがっていると。
「珍獣?」
「誰がだ?」
いやだな、泉さんあなたですよ?
呼び餌はうまいケーキw
こりゃ、明日夜くらいには街中のケーキ屋に広がってるんじゃないか?「来た」って。
抹茶シュークリームをサービスしてもらって満足した泉さん。
そのまま宿に帰り、温泉につかり、食堂で一杯飲んで他の客と騒いで夜中に就寝。
ああ、ちなみに薬湯は唐辛子と胡椒でした。かなりあったまった。
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