167 / 409
後後41 もう満腹です とおもったが、、上には上が
しおりを挟む流石に下りは飛ばせない。でも4輪ブレーキがあるので、普通の馬車よりは速度を出せる。
なので
「心配しねーでくだせーお客さん達!今日は麓までは行けますから!」と御者。
うーん、ブレーキ引きっぱなしってわけでもないし、、大丈夫かな?
山の北側なので、空気は冷たい。
やべー、防寒着買うの忘れてたー。
そんなこんなでも無事麓に降りた。
へぇ、、熊すげーな、、もしかしたらブレーキの耐久テストとかしたのかな?帰ったら聞いてみよう、、
夕方遅くに宿場に着いた。
村の一部が宿場になっている、少し大きめの村のようだ。
この山なので勿論温泉が在り、村にも共同浴場があった。
夕方になって寒さは堪える。が、
「先に市場に行きましょう!」と泉さんを市場に引っ張っていく。
古着で良さそうなのを見つけるのだ。
時期が時期なのであまりいいものは残っていなかった。
「まぁ、もうすぐ帰れるからそれまでだから」
と、ぼろい綿入れの上と、厚手のズボン2つずつ。
手袋は?と泉さんに聞くと、いらない、というので買わず。
でも帽子は買った。横から後ろに垂れ布付いたやつ。防寒の厚手のはなかったけど、これはこれで熱い地方でも使えるからいいかな。
草履じゃ寒いので、藁沓も買う。下駄藁沓じゃないけど、馬車だからいいだろう。中敷き用に布切れをいくつか。
その後メシスキーに教えてもらった宿に行き部屋を取って荷物置いて温泉の銭湯に行く。
「寒いのでよーくあったまってくださいね」と言って、泉さんと別れる。
寒いからだろうか、混んでいた。
温泉だから芯まであったまるので、寒い季節は、温泉がある街の者達には欠かせないものだろう。うん、よくわかるわ。
小館で温泉ができるまでそやって寒さをしのいでいたか忘れたが、風呂出た後すぐ冷えちゃったろうなぁ、、、。
ダラダラ出たり入ったりして十分に温まってでてきたら、泉さんがもう待っていた。
「あ、あったまってないでしょ!」俺
「いや、十分あったまったぞ?ほれ」と頭を出す
「いや、もう冷えてるんですけど、、」と濡れていないほうの手ぬぐいでほっかむりさせる。
「髪、短くしておいてよかったっすねー」
「おう、こんだけ冷えると乾きにくいからなぁ、、」
「乾かないと風邪ひきますからね」
宿に帰ったら食堂のだるまストーブに火がはいっていた。
丁度いいので、その前で泉さんの頭をかわかす。
で、そこに晩飯どうしますかー?と給仕が聞きに来たのでお願いした。
メシが来た頃にだいたい乾いたので、メシに着く。
「熱燗もたのむ!」泉さんが給仕に。
「へーい」
まったく、どこでも見た目子供に出すのが、、、すごいよねー♪
でも皆にもおっさんに見えるのだろう、、多分w
「うめーな!」
「ですね、流石食通おすすめ宿だけある!」
ガツガツ食ってしまう。
鹿?の炙り焼き、野菜の酢漬け、暖かい芋の煮物汁、川魚の開きの粕漬け。
粕漬け?
「え?粕漬け?」
「ほう、、ということは、、」泉さん
給仕がいたので
「給仕さん、ここらに酒蔵あるんですか?」
「ええ、近くに在りますよ。出て中央の方に上っていくと右手に杉玉ありますからわかります」
「おお!ありがとう!」
「食ったら行くぞ!」
「はい!」
食い終わった頃、メシスキー氏が外から帰ってきた。
「あれ?外に出てたんですか、、」
「ええ、ちょいと一杯引っ掛けてから晩飯が食べたくて、」
「あ、酒蔵ですか?」
「流石ですな、もうそれまで」
「いやたまたま粕漬けが出たんで」
「それじゃ、これから?」
「はい、酒蔵に!」
「あ、ここにはケーキ屋があるか知っているか?」泉さん
「んー、、聞いたこと無いですねー、でも、、そこの給仕さん」
とメシスキーは給仕を呼んで聞いてくれた。
「なにかそれっぽいのができたとか?少し要領得ないのですけど、、」
「おう、助かる、まず行って見るから大丈夫だ!」
泉さんは場所を聞き、
「ほら!いくぞ!!」
と走り出す
メシスキーに会釈してオレも飛び出す。
杉玉過ぎて結構行った所。
領主邸?とかおもっちゃうほどのお屋敷のすぐそばにあった。
まだ開いていた。
宿場街のいいとこは、結構遅くまで開いているんだよね。
武国は昔の日本と似ていて、夜は早い。農国や日のいずる国や小国群みたいな宵っ張りではない。
というか、皆一緒に早く寝る、という方が正確かな。
ガちゃ、カランカランカラン、、
「おお!!本物だ、、、」泉さん
「あ、ホントだ、、」
「おや?お客さん達、ケーキを知っているんですね?」とメイド服を来たウエイトレスが、カウンターの奥から出てきた。
「おう、、農国とかで食いまくったからな、、で、どれがおすすめだ?おすすめの上から3つ、と、それに合う飲み物くれ」泉さん、久しぶりなので無駄に食いたくないのがよくわかるw
店員が3つとったのを確認し、それ以外のを3つ注文した。
「どうせなら全て食べ比べていただきたいほどで、、」店員
よほど自信あるんだなー。
席に着くと、
「あ、、夜の喫茶店ケーキ屋、、、」
と、泉さんが不吉なことを言う
「いや、とてもポンコツには見えないから」
「フィジニがポンコツに見えたか?」
・・・・・
ケーキをテーブルに並べているウエイトレス
「え?フィジニ?」
ホラ来た、、、
「泉さんのせいだ・・・」
「違うがな・・・」
「今、彼は何処に居るのですか?」
「えと、、日のいずる国にいますけど、、、なぜ?」
「いえいえ、、長ーく会っていないなぁとおもって。」
なんかありそうだな?とおもって泉さんを見るが、目を合わせない!!こいつうう!!!
「あー、料理屋、食堂やってます。料理作るのにおもいっきりハマってます。うまかったです」
「・・・・りょううりぃいいい?、、、、あの、、フィジニ、ですよね?フィジニ・ラーキ、ですよね?」
そんな名だったっけ?そうかな?多分、、、
「ええ、、ケーキはたまに新作出すくらいで、日常的には料理をやってますよ?」
「・・・・はぁ、、、あんのバカはなにやってんだか、、、」
やっぱ、、、
くんくんくん、、ふんすふんす、、
と、俺と泉さんの匂い嗅ぐウエイトレス、、あぶねえやつかな?
これだね?と言ってオレの襟の髪留めをはずし、泉さんの腕をテーブルの上に乗せる。
「これ、2つとも女だね?」
「そうだけど、違うぞ?フィジにとは全く関係ない。違う街に住んでるし、知り合いでも無かった」泉さん
「あ、そう、、」
素直さんですか!よかったです!!捻くれた地雷だったらどーしよーとおもったよ、、
「おまえもなんかくれ。」泉さん直球どころじゃないね?
「仕方ないですねぇ、、少し疑った手前、、んじゃ、、」
カチューシャをはずして泉さんの頭にかぽっと、、
・・・・・・
「似合うのが困った、、、」俺、思わず、、、
どーしたもんだろ?とこぼす泉さん
んじゃ、、と俺が、はずして首にかけ、飾りを後側に回す。
「でも、これ、うしろからひったくられやすいんで気をつけてくださいね?」
「あー、まー、いーか、、これで、、」
いや、俺、泉さんだからチェーンジとか言って他のモノを出させるとおもった、、
「おまえはフィジニと恋仲なのか?」直球ばかりだと討たれますよ!!
「え?、、まぁ、、大昔ですけどね、、」
「どくらい?」
「4-5ひゃくねん?」
「・・・まだフィジニが食い歩きしていた頃か?」
「おやまぁ、そこまで知っているのかい?」
「まぁとにかく、んじゃ、おまえがフィジニに菓子の作り方を教えたのか?」
「すごいねぇ、最近の人の子は、、こんな小さいのに、、」
いやおっさんですけど?精霊でさえもわからんのか、、、、
「いやでもすごいっすよ、ケーキ単品で食べてもうまいけど、合う飲み物と一緒に食べたらすごく旨くなる。そういうの作ってました。勿論その上手さを料理にも活かしていますよ」
「ふーん、、んじゃ、お前たち、私のケーキを食べてご覧?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
そして何もなくなった。
空いた皿を無言でウエイトレスに差し出す泉さんと俺。
ふふん!という顔して更に3つづつ盛ってくる。
茶のお代わりもいれてくれる。
満腹になってやっと、
「はぁ、、まじで声さえ出せない、ってなぁ、、」
「ええ、何言っても意味なしだとおもって、、」
「そうじゃろう?コレがほんとのうんまいケーキというものじゃ」
いつの間にか”じゃ”話になっているウエイトレス妖精ケーキ職人大師匠。
0
あなたにおすすめの小説
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。
かの
ファンタジー
孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。
ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜
もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。
ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を!
目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。
スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。
何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。
やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。
「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ!
ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。
ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。
2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
【一秒クッキング】追放された転生人は最強スキルより食にしか興味がないようです~元婚約者と子犬と獣人族母娘との旅~
御峰。
ファンタジー
転生を果たした主人公ノアは剣士家系の子爵家三男として生まれる。
十歳に開花するはずの才能だが、ノアは生まれてすぐに才能【アプリ】を開花していた。
剣士家系の家に嫌気がさしていた主人公は、剣士系のアプリではなく【一秒クッキング】をインストールし、好きな食べ物を食べ歩くと決意する。
十歳に才能なしと判断され婚約破棄されたが、元婚約者セレナも才能【暴食】を開花させて、実家から煙たがれるようになった。
紆余曲折から二人は再び出会い、休息日を一緒に過ごすようになる。
十二歳になり成人となったノアは晴れて(?)実家から追放され家を出ることになった。
自由の身となったノアと家出元婚約者セレナと可愛らしい子犬は世界を歩き回りながら、美味しいご飯を食べまくる旅を始める。
その旅はやがて色んな国の色んな事件に巻き込まれるのだが、この物語はまだ始まったばかりだ。
※ファンタジーカップ用に書き下ろし作品となります。アルファポリス優先投稿となっております。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる