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後後239 華子と博子 領都の冒険?w
しおりを挟む領都に来て、忙しいのはアニャータ。そして泉さんがそれに付いていて、たまに泉さんも一緒にアレコレしているそうな。
夕食の時に今日はあれやったこれやったと聞くが、よくわからない。
オータさんに関しては、なんか忙しいらしく?こっちに気が回らないようすなので放置しておくがいい、と言われた。
博子に関しては、公爵様から参加するように持ってって貰ってるので、そうそう無意識に悪さをするようなことはないと思うのだが、まだこっち(領都)に来ていないし。
泉さんも「別に悪い気配なんか感じないけどな。」とのんきだ。
実際、俺自身は2-3日前にここに来ればいいと言われていたので、暇。
なので今日も領都を徘徊しているところなのだが・・・
おや?
先の方の路地に入った2つの影、博子と姫(華子)のようにも見えなくもなかった?
・・・・・・・・・・
みなかったことにするかなー
でも
またなんかやってたら
つーか
やってんじゃねーかなー
やってるよなー
やってないわけないよなー
・・・・・
仕方がないので、行きます。
ーー
「博子、もっとしゃんとしなさい!」
「うー、、まだぁー」
博子はここんとこずっと習い事の稽古漬けと勉強漬けだったのだ。
今回の東武領での結婚式に泉さんの手伝いとして行ってくれないか?と、なぜかアニャータ側からの要請により、博子にとっては地獄の毎日から抜け出せる機会を得られた。
特に表に出ることも無く、通常の女官の着物なので寸法合わせもいらないので、2-3日前に領主邸に入ってもらえれば良いとの事だった。
が、
華子が、「それ私やってみたい。博子、当日私と入れ替わりなさい」。
博子もそういうの好きなので当然了承。
泉さん側としては、当日は「俺はもうひとりで大丈夫になった。ありがとう、できれば重要な来賓達のお相手をしてほしい」と、ドラゴン達の相手を押し付ける予定だ。
なので、博子に入れ替わる華子に活躍(やらかす)場は無いのだが・・・。
華子は、博子がお稽古ごとや勉強でおかしくなっているので、「回復させるために少し早く東武領に行きます。私がつれてって回復させます」と母であるお后様に了承を貰った。
お后様もまるっと信じたわけではない。なんかあるだろうな?とは思っていることは確かだろう。
転位門を使うとバレるので、博子は親戚の公爵の馬車を借りて東武領都まで来ていた。一応用意周到らしい。
で、今日到着したとこで、街に入って馬車を降ろしてもらい、さて見物しながら宿でも探しましょう、ということろでガクに発見されたのは”残念”としか言いようがない。
ちなみに、華子は街なかの宿に泊まったことはない。博子から色々話を聞いていただけ。その博子も、自分で街の宿を確保したことなど無いし、一人で行動したこともない。だいたいでまかせでその場で話を面白くして華子にウケレばいい、というものであった。
「博子ー、宿はどこよー?どの宿に泊まればいいのー?お腹好かない?いいお店無いの?あなたの居たところでしょう?」
と華子は博子をせっつくが、
「えーと、まだだめー、というか、ここどこー?しらなーい。馬車に酔ったかもー、おなかへったー、ジュース飲みたいー」
とのらくらに
酔ったっていいながらハラヘッタってなんだよ?
と物陰から見ているガク。
結構見ていると、華子も博子も、この街の一般人社会ではまるっきり何も使えない、全く能力ゼロなコンビだとわかった。
「しかたがねーなー」
ガク登場。
「あ!あなた!!・・・・だれだっけ!見たことあるわ!!」華子
「博子、だれだっけ?ほら、見たことあるでしょ?あんた覚えてない?」華子、博子をせっつく。
「えー?あれー?しらないよー」博子
まぁ、博子はこんなもんだろう
「おまえらなぁ、お后様に言いつけるぞ?」ガク
「「え!!」」
「今すぐ送り返してやろうか?二度と城から出られないように言ってやろうか?」
「なによ!そんなことできるわけないじゃない!!」華子
「あー、なぜ博子が毎日稽古事と勉強漬けになってるか知らないんだー、ふーん?」
「・・・・な、ないよっつ!お母様が博子の足り無さに気づいただけでしょ?!!」
「へぇ、んじゃそう思っておけばいいさ。んじゃ俺は連絡入れてくるから。じゃーな!」
「ちょ!ちょっとまちなさいよ!!私達を置き去りにするの?!!なんて非道な!!」
「おまえ、馬車から下りて、自分で宿見けて泊まって面白おかしくやろうって思ってたんだろ?今何やってんの?」
「・・・・・仕方ないじゃない、博子が使えないんだから!!」
「コノ後におよんで博子にすがって?おまえは自分で何もしないんだ」
「知らないんだもん!しかたないでしょう!」
「へぇ、俺はこの世界に来た時に全く何もしらなかった。食い物もない、水も無い、味方もいない。何もない状態だったんだがな?博子みたいにすぐに誰かに拾ってもらえたわけじゃない。
泉さんもそうだ。
太田さんも、福田さんもそうだ。
おまえは?王宮で何不自由無くそこまで育ったんだろう?なぜ、何も出来ないんだ?」
「・・・し、しかたないじゃない!それにできなくないわよ!ダンスだって、楽器だって!」
「全部中途半端って聞いているけど?お母様からな。」
「・・・・・・・(こいつ、誰だっけ?全部筒抜け・・)」華子
「とにかく、王妃様に報告されたくないのであれば、領主邸に来い。来たら告げ口しない。領主様に挨拶しろ。アノ方はおまえの両親と親友だぞ?」
「わかったわよ!行くわよ!」
ほらっつ!と、ほげっとしている博子の手をヒキながら道を歩き出す華子。
「お約束通り逆に向かうな。こっちだ」ガク
一〇分程度しか歩いていないのに、疲れたとか暑いとかぐだぐだ言い出す二人。歩くのが遅いから余計そう感じるのだ。
仕方ないので喫茶店で飲み物と軽く食べ物を食べさせようと・・・
結局ケーキを二人で10個くらい食べて、ジュースを10杯くらいのんでた。
かねもってきててよかった、と心底思ったガク。通常まじ小銭しか持ってこないから。(外出時や旅のときのお金の管理は泉さんだった)
その後、領主邸に着くまでいろいろ寄り道したりあと2度ほど休憩せねばならなかったが、夕食前には到着した。
中央市場、裏通り、などいろいろ歩き回って、モノを買った2人。支払いは全てガクが。
「お金なんか持ってこなかったわよ!」華子
どやって宿にとまろうと思っていたのだろうか?
領主様に全て報告したら、華子は思い切り叱られていた。領主様は叔父さん的位置だからね!
こっち睨むなよ華子、約束通りお后様には言いつけてないだろう?
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