2 / 3
家付きエリオス
しおりを挟む
この世界に生を受けて10と2年、前世から人生引き継ぎ20と9年。
精通と同時に、エリオスはようやく一人前の評価を得るに至った。
精通と同時に成人するって言うのもアレな話だが、この世界の、この国では当たり前のコトであり、エリオス自身、別に否やはなかった。
むしろやっとって感じでその時を迎えた。
ちなみに、女の子の成人は初潮と同時に行われ、その日は誕生日に次ぐ記念日として、毎年祝われるコトとなる。
で、今のエリオスの状況だが・・・。
「来たよ、温かいヤツがさ」
ベッドで横になるエリオスに跨がり、余韻すら食い潰すように腰をくねらせる女が、チロリと唇を舐めながら嗤った。
「おめでとうって言うべきかい?」
繋がったまま、強引にエリオスの唇を犯すこの女は、エリオスの母親だった。
「さすがに若いね。一度じゃ満足出来ないってか」
吐息を荒くさせながら、モーリンは再び激しく腰を打ち付けてくる。
この頃になると、モーリンは行為自体に没頭し、その時を迎えるまで止まることがない。
モーリンのなすがままだったエリオスは、女の痴態を眺めながらその時を待った。
モーリンは母親だが、産みの母ではない。
産みの母の名前はエリスと言い、モーリンはエリスのパートナーとして一緒に生活している、この国ではオーソドックスな家族とされる存在だ。
この国、ライオネス女帝国では、大陸最大国家として覇を唱えており、ほとんど人族女種で構成されていた。
そのため、国を支える女と、それを支える女がパートナーとなり、生活基盤を作っている。
家族とはいえ、当然女同士で生殖出来るハズもなく、子供が欲しければ気に入った男を買い、種付けをして得るのが一般的だった。
もちろん子供を選ぶことは出来ず、生まれるまで性別は分からない。
子供が女の子であれば問題なく、家族として二人の母親に慈しまれ、愛されて育成される。
では、子供が男なら?
多くは【男屋】に売られるか、売られないまでも将来利用出来る道具として囲われる。また、生まれてすぐ処理されることも少なくない。
女帝国では男に生存権は認められておらず、存在するのは女の慈悲に過ぎない。
この世界で、エリオスは幸運なコトに、エリスの第一子として生まれたのである。
エリスは女帝国の近衛師団で団長を勤めるエリオット・マリュス伯爵の娘として生まれ、蝶よ華よと育てられた。
母親は女帝クリスティーンの元パートナーで、美少女の誉れ高いクラリスだった。
クラリスは元々クロエの幼馴染みであり、望まれてクリスティーンの寵愛を受けたのだが、男を産んだコトから寵愛を外れ、最終的にはクロエに下賜されるに至った。
クロエのパートナーとして、クラリスはエリスを得た。
怖がるクラリスを説得しての妊娠だったが、出産限度ギリギリで得たエリスは、クラリスに笑顔をもたらした。
しかし、エリスはクラリスが時折見せる憂いを敏感に感じ取り、その理由を知ってショックを受ける。
そして、モーリンとパートナーになったエリスは、エリオスを出産してクラリスの苦悩を理解した。
エリオスを処分しようとしたモーリンを説得し、どのような形であれ、生かして欲しいと懇願した。
エリスに惚れていたモーリンは、渋々エリスの望みを叶え、【家付き】として育成することになる。
【家付き】は囲われた男のコトで、個人所有の性奴隷に近く、有料で知り合いに貸し出されたり、種付けに利用されたりする存在である。
こうして、この世界に転生した柳瀬旭は、クラリスとエリスのお蔭で最初の危機を乗り越えた。
モーリンの屋敷の地下に部屋を与えられたエリオスは、屋敷の下働きをしながら成長し、時折モーリンに弄ばれるようになった。
成長するにつれ、エリスに似てくるエリオスは、少女と見間違うほどの美少年となったのが、一番の理由だろう。
形の上では母親だが、モーリンと血の繋がりはないため、行為に禁忌がないのも理由となる。
エリオスが相手出来ないのは、産みの母のエリスと、彼女が産む女の子、あとはエリスの産みの母クラリスくらいだ。
同様に、エリスを孕ませた相手を、彼女が産む女の子は使用出来ない。
これは法律として整備され、遺伝子の劣化を本能的に回避していた。
この屋敷でエリオスを相手に出来るのは、モーリンただ一人であった。
モーリンはエリオスの精通を受け、ある計画を実行する気になっていた。
エリスの血を引く種での妊娠である。
一般的にアルカンターラは妊娠しない。
行為を楽しむコトはあっても、薬による避妊をするのが常識だった。
アルディージャと違い、いつ戦場に赴くか分からない環境にあり、いちいち妊娠していられないというのが、アルカンターラである。
アルカンターラが妊娠するためには、一年間の休暇を申請せねばならず、休暇中の給与は支給されない。
それなりに貯蓄が必要であるし、休暇後すぐは休暇前の環境に戻れない。
休暇後の状態にも拠るが、二階級下からの再開が普通である。
当然その分給与も減るが、これは本人の努力次第でどうにでもなると、モーリンは考えていた。
モーリンの中で、エリスと自分の血を引く子供の出産は決定事項となっていた。
そして、エリオスだけでなく、モーリンまでが待っていたエリオスの精通である。
モーリンはエリスの願いを聞いて良かったと、自分の幸運に感謝した。
パートナーは家族だが、パートナーの子供はやはり自分の子供ではないからだ。
一緒に男を選び、一緒に子供を育てても、どこか子供との間に距離を感じてしまうのだ。
もちろん子供の方にそうした斟酌はない。
ただ、仲良く笑い合うパートナーと子供に、嫉妬しているだけなのだろう。
だが、しかし、エリオスの種を仕込めば、モーリンの子供は同時にエリスの子供でもあるのだ。
エリオスを抱きながら、モーリンはエリスを抱いていた。そしてエリオスが射精するたびに、エリスとの子供を抱く妄想で絶頂に達していた。
精通と同時に、エリオスはようやく一人前の評価を得るに至った。
精通と同時に成人するって言うのもアレな話だが、この世界の、この国では当たり前のコトであり、エリオス自身、別に否やはなかった。
むしろやっとって感じでその時を迎えた。
ちなみに、女の子の成人は初潮と同時に行われ、その日は誕生日に次ぐ記念日として、毎年祝われるコトとなる。
で、今のエリオスの状況だが・・・。
「来たよ、温かいヤツがさ」
ベッドで横になるエリオスに跨がり、余韻すら食い潰すように腰をくねらせる女が、チロリと唇を舐めながら嗤った。
「おめでとうって言うべきかい?」
繋がったまま、強引にエリオスの唇を犯すこの女は、エリオスの母親だった。
「さすがに若いね。一度じゃ満足出来ないってか」
吐息を荒くさせながら、モーリンは再び激しく腰を打ち付けてくる。
この頃になると、モーリンは行為自体に没頭し、その時を迎えるまで止まることがない。
モーリンのなすがままだったエリオスは、女の痴態を眺めながらその時を待った。
モーリンは母親だが、産みの母ではない。
産みの母の名前はエリスと言い、モーリンはエリスのパートナーとして一緒に生活している、この国ではオーソドックスな家族とされる存在だ。
この国、ライオネス女帝国では、大陸最大国家として覇を唱えており、ほとんど人族女種で構成されていた。
そのため、国を支える女と、それを支える女がパートナーとなり、生活基盤を作っている。
家族とはいえ、当然女同士で生殖出来るハズもなく、子供が欲しければ気に入った男を買い、種付けをして得るのが一般的だった。
もちろん子供を選ぶことは出来ず、生まれるまで性別は分からない。
子供が女の子であれば問題なく、家族として二人の母親に慈しまれ、愛されて育成される。
では、子供が男なら?
多くは【男屋】に売られるか、売られないまでも将来利用出来る道具として囲われる。また、生まれてすぐ処理されることも少なくない。
女帝国では男に生存権は認められておらず、存在するのは女の慈悲に過ぎない。
この世界で、エリオスは幸運なコトに、エリスの第一子として生まれたのである。
エリスは女帝国の近衛師団で団長を勤めるエリオット・マリュス伯爵の娘として生まれ、蝶よ華よと育てられた。
母親は女帝クリスティーンの元パートナーで、美少女の誉れ高いクラリスだった。
クラリスは元々クロエの幼馴染みであり、望まれてクリスティーンの寵愛を受けたのだが、男を産んだコトから寵愛を外れ、最終的にはクロエに下賜されるに至った。
クロエのパートナーとして、クラリスはエリスを得た。
怖がるクラリスを説得しての妊娠だったが、出産限度ギリギリで得たエリスは、クラリスに笑顔をもたらした。
しかし、エリスはクラリスが時折見せる憂いを敏感に感じ取り、その理由を知ってショックを受ける。
そして、モーリンとパートナーになったエリスは、エリオスを出産してクラリスの苦悩を理解した。
エリオスを処分しようとしたモーリンを説得し、どのような形であれ、生かして欲しいと懇願した。
エリスに惚れていたモーリンは、渋々エリスの望みを叶え、【家付き】として育成することになる。
【家付き】は囲われた男のコトで、個人所有の性奴隷に近く、有料で知り合いに貸し出されたり、種付けに利用されたりする存在である。
こうして、この世界に転生した柳瀬旭は、クラリスとエリスのお蔭で最初の危機を乗り越えた。
モーリンの屋敷の地下に部屋を与えられたエリオスは、屋敷の下働きをしながら成長し、時折モーリンに弄ばれるようになった。
成長するにつれ、エリスに似てくるエリオスは、少女と見間違うほどの美少年となったのが、一番の理由だろう。
形の上では母親だが、モーリンと血の繋がりはないため、行為に禁忌がないのも理由となる。
エリオスが相手出来ないのは、産みの母のエリスと、彼女が産む女の子、あとはエリスの産みの母クラリスくらいだ。
同様に、エリスを孕ませた相手を、彼女が産む女の子は使用出来ない。
これは法律として整備され、遺伝子の劣化を本能的に回避していた。
この屋敷でエリオスを相手に出来るのは、モーリンただ一人であった。
モーリンはエリオスの精通を受け、ある計画を実行する気になっていた。
エリスの血を引く種での妊娠である。
一般的にアルカンターラは妊娠しない。
行為を楽しむコトはあっても、薬による避妊をするのが常識だった。
アルディージャと違い、いつ戦場に赴くか分からない環境にあり、いちいち妊娠していられないというのが、アルカンターラである。
アルカンターラが妊娠するためには、一年間の休暇を申請せねばならず、休暇中の給与は支給されない。
それなりに貯蓄が必要であるし、休暇後すぐは休暇前の環境に戻れない。
休暇後の状態にも拠るが、二階級下からの再開が普通である。
当然その分給与も減るが、これは本人の努力次第でどうにでもなると、モーリンは考えていた。
モーリンの中で、エリスと自分の血を引く子供の出産は決定事項となっていた。
そして、エリオスだけでなく、モーリンまでが待っていたエリオスの精通である。
モーリンはエリスの願いを聞いて良かったと、自分の幸運に感謝した。
パートナーは家族だが、パートナーの子供はやはり自分の子供ではないからだ。
一緒に男を選び、一緒に子供を育てても、どこか子供との間に距離を感じてしまうのだ。
もちろん子供の方にそうした斟酌はない。
ただ、仲良く笑い合うパートナーと子供に、嫉妬しているだけなのだろう。
だが、しかし、エリオスの種を仕込めば、モーリンの子供は同時にエリスの子供でもあるのだ。
エリオスを抱きながら、モーリンはエリスを抱いていた。そしてエリオスが射精するたびに、エリスとの子供を抱く妄想で絶頂に達していた。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる