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1学期
出会い①
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ガラガラガラ ーーー
「おいおい、昨日の柏坂49のテレビみたか?」
「あぁ、やはりあっちゃんは天使だな」
「おっとー、みさみさ派の俺の前でそんなこといわせ・・・・・・」
「昨日、彼氏とけんかしちゃってさー、まじさいあくー。だいたいアイツ何であんなこというわけー、もー無理。」
「まーまー落ち着いて。だいたいあきちゃんそんなこと言ってすぐ仲直りしちゃうじゃーん。」
「そーなんだけどさー。にしてもさー・・・・・・」
教室に入ると、いつものように賑やかだった。高校が始まり、二週間しか経っていないのに既にグループは形成され、それぞれのグループで騒いでいる。俺はあえてそれらのグループから離れている。
「いや、あえてじゃなく自然にのまちがいだろ」
「一輝、いつから心読めるようになったんだ?」
「実はな、それには深い深いわけが・・・」
ー キーンコーンカーンコーン ー
「っと、予鈴だな。ということで一輝、さっさと席につけ」
「いいのか?ここで聞かないと一生後悔するぞ?」
「はいはい、いいから席につけ」
一輝は少しふてくされたような顔をしながら、少し離れた俺の左前の席に座った。
ガラガラガラーーー
「はーい。みなさん席につきましょうねー」
と、明るい声で五月先生が教室に入ってきた。
「じゃーホームルーム始めますよー、号令!」
「起立!礼!着席!」
「では、早速だけど、今日からこのクラスに新しい仲間が増えまーす。では入ってきてくださーい」
(一気に教室が期待の声で充満し、すでに歓声もあがっている。これじゃ、入りにくいだろうな。)
そんなことを考えていると
ガラガラガラーーー
茶髪ボブのかわいらしい女の子が入ってきた。
「あ、えーとわたしは町田あかりです!ちょっと引っ越しがおくれちゃって、今日からこのクラスにお世話になります!はやくみんなと仲良くなりたいので、みんなよろしくね!!」
と、元気と愛嬌たっぷりに言う。
(なるほど、こいつはすぐにクラスの中心になるな。そんな感じの雰囲気だ。 てか、あれ?なんか俺の方見てない?いや、まさかな・・・)
突然、俺の方(恐らく)を見て、固まっている町田さん。
「町田さん?自己紹介がおわったようならあの左奥の席が町田さんの席だから座ってくれる?」
と、五月先生が声をかけると
「あ、すいません!とにかく、みんなよろしくね!」
と、慌てて言い、五月先生に指定された俺の後ろの席に座る。クラスは、
「かわいい・・・」
「あの子昨日のテレビに出てたあの女優に似てなーい?」
と、町田さんのことでざわざわとしている。
「はいはーい、静かに!連絡事項もあるのでちゃんと聞いてねー」
五月先生が連絡事項を並べていく。その間も俺の(俺の後ろの町田さんを)チラチラと多くの人が見る。
「はーい、じゃこれで連絡事項は終わり!号令!」
「起立!礼!」
ホームルームが終わると男女問わずたくさんの人が俺の後ろの席に集まる。俺は居心地が悪くなり、席を離れようとすると、
「待って!話があるの!」
と、町田さんが俺の方を見る。
(まさか、俺じゃないだろう)と、思っていると
「平谷くん、待って!」
(このクラスに平谷とか俺以外にいたっけ?あ、まさか俺だったりして)
振り向くと、町田さん俺の前に立ち、
「平谷涼くん、あなたは私の運命の人なの!!」
「は?」
「「「は?」」」
俺だけでなく、クラスの全員がそんな声が出た。いち早く俺が動き出し、慌てて町田さんの手を引っ張り廊下へ駆け出した。
空き教室に入り、手を離し俺は言う。
「町田さん?何言ってんの!?」
「何って、平谷くんはわたしの運命の人なの!」
「いや、俺だよ?こんなパッとしない俺を好きだなんてもしかして目に異常があるんじゃない?眼科に早く行った方がいいよ!」
途中から完全に勢いで自分でも訳のわからない失礼なことを言いまくっていた。まあ、慌てて言ったので仕方ない。
「それに、俺はもう恋愛とかはちょっと・・・」
「ううん、わたしは裸眼で視力Aだし、異常もないよ。それにえーっと、好きとは一言も言ってないいはずなんだけど・・・」
と、ちょっと困り顔で町田さんは俺を見る。
「いや、でも運命の人だって・・・」
「うん、確かに運命の人とは言ったけど、運命を感じただけであって、好意を持った訳じゃないの!」
(あ、この人天然だわ。ふつう、運命の人=好きな人だと思うよね。まぁ、仕方ない、天然なんだから。)と、一人納得した。
「あのー、非常に言いにくいんだけど、運命の人=好きな人が一般的なんで、クラスのみんな多分勘違いしてますよ?」
「そんな訳ない、じゃ、ない、、」
言っている途中で気づいたのか明らかに途中から声が小さくなっていた。そして、
「どうしよう!?わたしもう学校に来れない!!」
「いや、俺にコクったと思われたぐらいでそこまで言われると悲しくなってくるんだけど!! まぁ、でも今からごまかせば大丈夫何じゃないの?『あはは、ごめん昨日ドラマ見すぎちゃってー』とか言っとけば」
すると町田さんは落ち込んで下げていた顔をバッとあげ、
「だよね!なんとかなるよね?じゃ、これからも友だちとしてよろしくね!あ、でも運命を感じたのは本当だから!!」
そう言って、慌てて教室へ戻っていった。
「いやー、何か俺フラれたみたいになってんだけど・・・ まぁ、いっか」
そうして俺は運命少女町田あかりと出会ったのである。
「おいおい、昨日の柏坂49のテレビみたか?」
「あぁ、やはりあっちゃんは天使だな」
「おっとー、みさみさ派の俺の前でそんなこといわせ・・・・・・」
「昨日、彼氏とけんかしちゃってさー、まじさいあくー。だいたいアイツ何であんなこというわけー、もー無理。」
「まーまー落ち着いて。だいたいあきちゃんそんなこと言ってすぐ仲直りしちゃうじゃーん。」
「そーなんだけどさー。にしてもさー・・・・・・」
教室に入ると、いつものように賑やかだった。高校が始まり、二週間しか経っていないのに既にグループは形成され、それぞれのグループで騒いでいる。俺はあえてそれらのグループから離れている。
「いや、あえてじゃなく自然にのまちがいだろ」
「一輝、いつから心読めるようになったんだ?」
「実はな、それには深い深いわけが・・・」
ー キーンコーンカーンコーン ー
「っと、予鈴だな。ということで一輝、さっさと席につけ」
「いいのか?ここで聞かないと一生後悔するぞ?」
「はいはい、いいから席につけ」
一輝は少しふてくされたような顔をしながら、少し離れた俺の左前の席に座った。
ガラガラガラーーー
「はーい。みなさん席につきましょうねー」
と、明るい声で五月先生が教室に入ってきた。
「じゃーホームルーム始めますよー、号令!」
「起立!礼!着席!」
「では、早速だけど、今日からこのクラスに新しい仲間が増えまーす。では入ってきてくださーい」
(一気に教室が期待の声で充満し、すでに歓声もあがっている。これじゃ、入りにくいだろうな。)
そんなことを考えていると
ガラガラガラーーー
茶髪ボブのかわいらしい女の子が入ってきた。
「あ、えーとわたしは町田あかりです!ちょっと引っ越しがおくれちゃって、今日からこのクラスにお世話になります!はやくみんなと仲良くなりたいので、みんなよろしくね!!」
と、元気と愛嬌たっぷりに言う。
(なるほど、こいつはすぐにクラスの中心になるな。そんな感じの雰囲気だ。 てか、あれ?なんか俺の方見てない?いや、まさかな・・・)
突然、俺の方(恐らく)を見て、固まっている町田さん。
「町田さん?自己紹介がおわったようならあの左奥の席が町田さんの席だから座ってくれる?」
と、五月先生が声をかけると
「あ、すいません!とにかく、みんなよろしくね!」
と、慌てて言い、五月先生に指定された俺の後ろの席に座る。クラスは、
「かわいい・・・」
「あの子昨日のテレビに出てたあの女優に似てなーい?」
と、町田さんのことでざわざわとしている。
「はいはーい、静かに!連絡事項もあるのでちゃんと聞いてねー」
五月先生が連絡事項を並べていく。その間も俺の(俺の後ろの町田さんを)チラチラと多くの人が見る。
「はーい、じゃこれで連絡事項は終わり!号令!」
「起立!礼!」
ホームルームが終わると男女問わずたくさんの人が俺の後ろの席に集まる。俺は居心地が悪くなり、席を離れようとすると、
「待って!話があるの!」
と、町田さんが俺の方を見る。
(まさか、俺じゃないだろう)と、思っていると
「平谷くん、待って!」
(このクラスに平谷とか俺以外にいたっけ?あ、まさか俺だったりして)
振り向くと、町田さん俺の前に立ち、
「平谷涼くん、あなたは私の運命の人なの!!」
「は?」
「「「は?」」」
俺だけでなく、クラスの全員がそんな声が出た。いち早く俺が動き出し、慌てて町田さんの手を引っ張り廊下へ駆け出した。
空き教室に入り、手を離し俺は言う。
「町田さん?何言ってんの!?」
「何って、平谷くんはわたしの運命の人なの!」
「いや、俺だよ?こんなパッとしない俺を好きだなんてもしかして目に異常があるんじゃない?眼科に早く行った方がいいよ!」
途中から完全に勢いで自分でも訳のわからない失礼なことを言いまくっていた。まあ、慌てて言ったので仕方ない。
「それに、俺はもう恋愛とかはちょっと・・・」
「ううん、わたしは裸眼で視力Aだし、異常もないよ。それにえーっと、好きとは一言も言ってないいはずなんだけど・・・」
と、ちょっと困り顔で町田さんは俺を見る。
「いや、でも運命の人だって・・・」
「うん、確かに運命の人とは言ったけど、運命を感じただけであって、好意を持った訳じゃないの!」
(あ、この人天然だわ。ふつう、運命の人=好きな人だと思うよね。まぁ、仕方ない、天然なんだから。)と、一人納得した。
「あのー、非常に言いにくいんだけど、運命の人=好きな人が一般的なんで、クラスのみんな多分勘違いしてますよ?」
「そんな訳ない、じゃ、ない、、」
言っている途中で気づいたのか明らかに途中から声が小さくなっていた。そして、
「どうしよう!?わたしもう学校に来れない!!」
「いや、俺にコクったと思われたぐらいでそこまで言われると悲しくなってくるんだけど!! まぁ、でも今からごまかせば大丈夫何じゃないの?『あはは、ごめん昨日ドラマ見すぎちゃってー』とか言っとけば」
すると町田さんは落ち込んで下げていた顔をバッとあげ、
「だよね!なんとかなるよね?じゃ、これからも友だちとしてよろしくね!あ、でも運命を感じたのは本当だから!!」
そう言って、慌てて教室へ戻っていった。
「いやー、何か俺フラれたみたいになってんだけど・・・ まぁ、いっか」
そうして俺は運命少女町田あかりと出会ったのである。
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