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1学期
出会い②
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教室に戻ると全員が俺を見る。だが、それも一瞬、どうやら誤解は解けたようだ。
「いやー、さっきはごめんね!」
町田さんが近づいてくる。
「さっきのことは水に流して仲良くしましょ?平谷くん」
「急にあんなこと言い出すからビックリしちゃったよ、まぁ、改めてよろしく」
「うん!ありがと!」
と、言った後
(運命の人の話はみんなにはヒミツにしてね?)
町田さんは俺にそう耳打ちする。
「お、おう・・・」
そして、俺の方へウインクをして女子グループへ戻っていった。
(はぁー、授業前なのにめっちゃ疲れた、全く何なんだあいつは)
と、俺は町田さんの方を睨む。
ーーー キーンコーンカーンコーン ーーー
「もう授業が始まるのか・・・」
俺はまだ混乱した頭で席についた。
ーーー キーンコーンカーンコーン ーーー
退屈な一日の授業の半分が終わった。とてつもなく眠いが食事を欠かすわけにはいかない。
「はぁー、食堂いこ」
すると、俺の袖が引かれる。後ろを見ると
「涼、町田さんとは何があったの?」
「珍しいな、お前が学校で俺に話しかけるなんて」
「涼が町田さんとイチャイチャしてたから、気になって。」
「イチャイチャはしてねーよ!てか、特に何もねぇよ。あいつがドラマの見すぎだっただけだろ?」
「ホントにそれだけ?」
「うん、ほんとほんと」
「わかった。じゃあいい。」
静はあまり学校で俺とは話さない。それは、中学のころ俺と話していてからかわれたからだ。まぁ、よくある冷やかしだ。だが、静は繊細で、その言葉で傷ついてしまった。それ以来、男子(俺を含め)と学校で話すのはあまりしたくないらしい。
「よし、じゃあ、やっと食堂に・・・」
すると、また袖を引かれる。
「まだ、他に何かあるのか?」
「ごめん!今、大丈夫?」
「あ、町田さんか、大丈夫だよ」
「あのね、実は・・・」
町田さんは俺に耳打ちする。
(わたしが運命を感じたことは言ったよね?わたしはその正体を知りたいの。正体を知るにはあなたのことを知る必要があると思う。)
そこまで言って、俺から顔を離すと
「親交を深めるためにもお互い名前で呼びましょ?」
と、町田さんはニコニコしながら俺に言う。
(いきなり、ハードル高いな・・・)
そう思いつつ、渋面をしていると、
「お願い、涼くん!」
上目遣いで俺を見ながらそう言う。
(こりゃ、断れないな、まぁ名前ぐらいいか)
「わ、わかったよあかりさん」
「さん?わたしの名前にさんとか付いてたかな?」
「そっちだって君づけだったじゃん!?」
「それはそれ、これはこれだよ!」
(説明になってねぇ!)と、心でツッコミはいれながら
「いきなり名前呼び捨てはちょっと・・・」
「んー、わかったわ。じゃあ、さんづけでいいわよ。
確かにわたしも君づけだったし。」
「結局、認めるんかい!」
と、つい口に出てしまう。
「あはは、涼くんツッコミの才能アリだね!」
「それじゃ!もうちょっと話してたいけど他の友だちとお昼食べる約束してるから!じゃね!」
そう言い残してあかりさんは女子グループの方へ駆けて行った。
「やっと、食堂へ・・・」
三度、袖を引かれる。
「ったく、誰だよ!!」
「一緒にボッチの俺と昼めし食べようぜ、涼?」
「気のせいか?まぁ、いいや。早く行こう」
「無視はひどくないか、親友!!」
俺は後ろから聞こえる叫び声を無視し食堂へ向かった。そして、一時の安らぎである、昼休みが過ぎていった。
「いやー、さっきはごめんね!」
町田さんが近づいてくる。
「さっきのことは水に流して仲良くしましょ?平谷くん」
「急にあんなこと言い出すからビックリしちゃったよ、まぁ、改めてよろしく」
「うん!ありがと!」
と、言った後
(運命の人の話はみんなにはヒミツにしてね?)
町田さんは俺にそう耳打ちする。
「お、おう・・・」
そして、俺の方へウインクをして女子グループへ戻っていった。
(はぁー、授業前なのにめっちゃ疲れた、全く何なんだあいつは)
と、俺は町田さんの方を睨む。
ーーー キーンコーンカーンコーン ーーー
「もう授業が始まるのか・・・」
俺はまだ混乱した頭で席についた。
ーーー キーンコーンカーンコーン ーーー
退屈な一日の授業の半分が終わった。とてつもなく眠いが食事を欠かすわけにはいかない。
「はぁー、食堂いこ」
すると、俺の袖が引かれる。後ろを見ると
「涼、町田さんとは何があったの?」
「珍しいな、お前が学校で俺に話しかけるなんて」
「涼が町田さんとイチャイチャしてたから、気になって。」
「イチャイチャはしてねーよ!てか、特に何もねぇよ。あいつがドラマの見すぎだっただけだろ?」
「ホントにそれだけ?」
「うん、ほんとほんと」
「わかった。じゃあいい。」
静はあまり学校で俺とは話さない。それは、中学のころ俺と話していてからかわれたからだ。まぁ、よくある冷やかしだ。だが、静は繊細で、その言葉で傷ついてしまった。それ以来、男子(俺を含め)と学校で話すのはあまりしたくないらしい。
「よし、じゃあ、やっと食堂に・・・」
すると、また袖を引かれる。
「まだ、他に何かあるのか?」
「ごめん!今、大丈夫?」
「あ、町田さんか、大丈夫だよ」
「あのね、実は・・・」
町田さんは俺に耳打ちする。
(わたしが運命を感じたことは言ったよね?わたしはその正体を知りたいの。正体を知るにはあなたのことを知る必要があると思う。)
そこまで言って、俺から顔を離すと
「親交を深めるためにもお互い名前で呼びましょ?」
と、町田さんはニコニコしながら俺に言う。
(いきなり、ハードル高いな・・・)
そう思いつつ、渋面をしていると、
「お願い、涼くん!」
上目遣いで俺を見ながらそう言う。
(こりゃ、断れないな、まぁ名前ぐらいいか)
「わ、わかったよあかりさん」
「さん?わたしの名前にさんとか付いてたかな?」
「そっちだって君づけだったじゃん!?」
「それはそれ、これはこれだよ!」
(説明になってねぇ!)と、心でツッコミはいれながら
「いきなり名前呼び捨てはちょっと・・・」
「んー、わかったわ。じゃあ、さんづけでいいわよ。
確かにわたしも君づけだったし。」
「結局、認めるんかい!」
と、つい口に出てしまう。
「あはは、涼くんツッコミの才能アリだね!」
「それじゃ!もうちょっと話してたいけど他の友だちとお昼食べる約束してるから!じゃね!」
そう言い残してあかりさんは女子グループの方へ駆けて行った。
「やっと、食堂へ・・・」
三度、袖を引かれる。
「ったく、誰だよ!!」
「一緒にボッチの俺と昼めし食べようぜ、涼?」
「気のせいか?まぁ、いいや。早く行こう」
「無視はひどくないか、親友!!」
俺は後ろから聞こえる叫び声を無視し食堂へ向かった。そして、一時の安らぎである、昼休みが過ぎていった。
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