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(ああ、やっぱりここの料理長の料理は美味しい!)
キャロラインは目の前に出された料理を食べながらその美味しさに浸り、嬉しそうに頬を染める。頭を打つ前は料理に対して文句ばかり言っていたが、頭を打ってからは料理が美味しくてたまらない。毎回料理に文句を言われていたのに、急に美味しいと褒め称え始めたキャロラインに料理長は初めの頃は驚いていたいたが、最近はキャロラインのためにより一層力を入れているようだ。
(どうしてこんなに美味しい料理をあんなにまずいと思っていたのかしら?不思議でならないわ。……いつも不満ばかり口にしていたから、不満に思うことばかりに目がいっていたのね、きっと)
柔らかいお肉をナイフで切ると、一口頬張る。お肉から滲み出る肉汁とソースが程よくマッチしていてたまらない。キャロラインはまた嬉しそうに微笑みながら口をもぐもぐしてると、ふとクロークと目が合う。
(え、すごい凝視されてる……)
クロークはあり得ないと言わんばかりの顔でキャロラインを見ていた。
「本当に、どうしてそんなに変わってしまったんだ?初めて一緒に食事をした時は、こんなに不味いものは食えないだの、呪われた人間と一緒に食事をするなんて耐えられないなどと喚いていたのに」
(あー、そんなこと言ってしまっていましたね……)
頭を打つ前のキャロラインの記憶はちゃんとある。確かに、クロークの言うような言動行動をしっかりとっていた。
(本当に、酷くて最低な女だわ、私)
キャロラインとしての記憶はあるからキャロラインであることには変わりはない。だが、頭を打ったことで転生前の記憶が蘇り、そのせいもあって物事への捉え方もすっかり変わったのだろう。意識の向け方一つでこうも全てが変わってしまうのだ。
「その節は本当に申し訳ありませんでした。頭を打ってからは料理の美味しさに気づきましたし、クローク様のことも呪われた人間だから一緒にいたくないとは思いません。……クローク様は私を嫌って一緒に食事を摂らないのだと思っていましたが、私が最初にそんなことを口走ってしまったからに他ならないのですよね。今まで一緒に食事をなさらなくて当然です。本当に、申し訳ありませんでした」
しゅん、としながら謝るキャロラインを見て、クロークはさらに目を見開く。近くにいたレオは二人の様子を見て面白そうに微笑んでいた。
「……驚いたな。君は、本当にキャロラインなのか?キャロラインに化けた偽物なんじゃないのか」
「いえ、残念ながら正真正銘、キャロラインです」
キャロラインが申し訳なさそうにそう言うと、クロークは顎に手を添えて少し考え事をしてから、キャロラインをジッと見つめて口を開く。
「名前は?」
「えっ、キャロライン・レギウスです」
「年齢と誕生日は」
「二十二歳、十月三日です」
「兄弟姉妹は?」
「兄と弟が一人ずついます」
「俺と初めて顔合わせをした日、俺に何と言った?」
クロークの質問にキャロラインはハッとするが、クロークは真顔のままキャロラインを見つめている。
「……あなたのような呪われた男と結婚なんて認めない。いつか必ず離縁してやるから、それまで一切関わらないで、それから絶対に触れないで、穢らわしい」
最後の質問に答えると、キャロラインは神妙な面持ちで目を伏せる。
(本当に、最低すぎるわ)
自分の口から発した言葉だということは自覚している。たとえ頭を打つ前の自分だとしても、自分であることには変わりない。目の前の人間に、ここまで酷いことを平気で、しかも罵るように言ったのだ。
「間違いなく本人のようだな」
「……あんな最低なことを言って、本当に申し訳ありませんでした。クローク様が、私に対して嫌悪するのも、酷い対応をなさるのも、当然ですね」
(お茶をわざとこぼされた時、酷いと思った。でも、最初に酷いことをしていたのは私の方。自分の行いが自分に返ってきていただけだった)
胸が苦しい。クロークだけじゃない、今まで出会ってきた多くの人たちに、失礼で酷いことを平気でしてきた。
どうして自分はそこまで酷いことを平気でできたんだろうか。自分のことなのに信じられないほど胸が痛くてたまらないが、そう思ったところで、言動は撤回出来るものではない。キャロラインは悲痛な面持ちで料理を見つめる。
「いや、今の君からの謝罪は受け取っておこう。俺も、酷い対応をした。すまなかった」
クロークの言葉にキャロラインが思わず顔を上げると、クロークのオッドアイと目が合う。あのクロークが、自分に謝罪をしてくれた。やっぱり、小説の中のようにクロークは良いところもあるのだ。宝石のようにキラキラと輝く琥珀色と翡翠色のオッドアイが、キャロラインを射抜いていた。その宝石のような輝きに思わずキャロラインは息を呑む。
「綺麗……!」
「は?」
クロークが眉を顰めて疑問を口にすると、キャロラインはしまった!と言わんばかりの顔になり両手で口元を覆う。
「いえ、あの、申し訳ありません。クローク様の瞳が宝石のようであまりに綺麗だったので」
「綺麗?俺の瞳が?」
「はい、とてもお美しいです!」
見るからに裏表がないという表情でキャロラインは笑顔で言う。その屈託のない表情にクロークはさらに顔を顰めた。レオは主を誉められた嬉しさのあまり笑みが溢れてしまいそうになるが、溢れないように必死で耐えている。
「呪われた瞳が美しいわけないだろう」
「いえ、でも本当に美しいと思ったので。思うのは、私の自由ですよね?」
クロークの言葉に首を傾げてそう言うキャロラインを見て、クロークは目を細めてから静かにため息をつく。
「勝手にすればいい。ほら、料理が冷めてしまうぞ」
「あ、はい」
そうして、キャロラインとクロークはまた料理を食べ始めた。
◆
夕食が終わり、キャロラインは自室に戻って寝る支度を済ませた。頭を打つ前のキャロラインがクロークを全面的に拒否していたので、寝室はもちろん別だ。
(食事は滞りなく無事に終わったけれど、これからクローク様は私のことを観察するのよね)
キャロラインがどう変わったのか観察すると宣言したクロークを思い出して、キャロラインはうーんと唸る。観察するとは言っていたが、どうするつもりだろう。それに、クロークがヒロインと出会う前に、クロークともっと距離を縮める必要がある。だが、観察される身である以上、それで距離が縮まるとは到底思えない。
(なんだかうまく出来る気がしない、自信がなくなってきちゃったな)
ベッドに座りながら枕をぎゅっと抱きしめていると、コンコン、と扉をノックする音がする。
「はい?」
「俺だ。入るぞ」
「へ?あ、はい!」
(クローク様!?こんな遅い時間にどうして?)
唖然としているとクロークが部屋に入ってきた。キャロラインが慌ててベッドから降りようとすると、クロークが片手でそれを制する。
「気にしなくていい。そのままで」
「……はい」
言われたままにベッドの端へ座り直すと、クロークはキャロラインのすぐ隣に腰を下ろした。キャロラインとは肩が触れ合いそうなほどの距離だ。
(う、近い……!)
「もう寝る支度を済ませていたんだな」
「あっ、はしたない格好ですみません」
サラサラの生地にレースがあしらわれたふんわりとしたネグリジェ姿に、恥ずかしくなってしまう。
「いや、別に気にしなくていい」
そう言って、クロークは真顔でキャロラインの頬へ手を伸ばした。
(え?ええ?)
クロークの手が頬に静かに触れる。キャロラインはびっくりして両目をぎゅっと瞑ると、クロークから静かなため息が聞こえた。
「嫌がらないんだな。穢らわしいから触れるなと言っていたのに」
思わずキャロラインは目を開けてクロークを見ると、クロークのオッドアイの瞳が部屋の中の光に照らされてキラキラと光っている。
「そ、れは……」
「あまりに違いすぎてどうしていいかわからなくなるな。それよりも、夫婦といえどお互いに嫌い合っていた相手だ。そんなに簡単に気を許すべきじゃない。夜も遅く、君はそんな格好だ。もっと警戒心を持った方がいい」
「……え?」
言われた意味を考えてキャロラインは思わず赤面する。そんなキャロラインを見てクロークは目を細め、静かにその場から立つと、扉へ向かった。部屋から出る直前、振り返ってクロークは口を開く。
「早く寝るといい。おやすみ」
「おやすみなさい……」
(ど、どういうこと!?これも観察の一つなの?)
高鳴る胸、全身を駆け巡る血液にキャロラインは沸騰しそうなほど顔を真っ赤にしている。クロークが出ていった扉を、両手に頬を添えて唖然としながらキャロラインは見つめていた。
キャロラインは目の前に出された料理を食べながらその美味しさに浸り、嬉しそうに頬を染める。頭を打つ前は料理に対して文句ばかり言っていたが、頭を打ってからは料理が美味しくてたまらない。毎回料理に文句を言われていたのに、急に美味しいと褒め称え始めたキャロラインに料理長は初めの頃は驚いていたいたが、最近はキャロラインのためにより一層力を入れているようだ。
(どうしてこんなに美味しい料理をあんなにまずいと思っていたのかしら?不思議でならないわ。……いつも不満ばかり口にしていたから、不満に思うことばかりに目がいっていたのね、きっと)
柔らかいお肉をナイフで切ると、一口頬張る。お肉から滲み出る肉汁とソースが程よくマッチしていてたまらない。キャロラインはまた嬉しそうに微笑みながら口をもぐもぐしてると、ふとクロークと目が合う。
(え、すごい凝視されてる……)
クロークはあり得ないと言わんばかりの顔でキャロラインを見ていた。
「本当に、どうしてそんなに変わってしまったんだ?初めて一緒に食事をした時は、こんなに不味いものは食えないだの、呪われた人間と一緒に食事をするなんて耐えられないなどと喚いていたのに」
(あー、そんなこと言ってしまっていましたね……)
頭を打つ前のキャロラインの記憶はちゃんとある。確かに、クロークの言うような言動行動をしっかりとっていた。
(本当に、酷くて最低な女だわ、私)
キャロラインとしての記憶はあるからキャロラインであることには変わりはない。だが、頭を打ったことで転生前の記憶が蘇り、そのせいもあって物事への捉え方もすっかり変わったのだろう。意識の向け方一つでこうも全てが変わってしまうのだ。
「その節は本当に申し訳ありませんでした。頭を打ってからは料理の美味しさに気づきましたし、クローク様のことも呪われた人間だから一緒にいたくないとは思いません。……クローク様は私を嫌って一緒に食事を摂らないのだと思っていましたが、私が最初にそんなことを口走ってしまったからに他ならないのですよね。今まで一緒に食事をなさらなくて当然です。本当に、申し訳ありませんでした」
しゅん、としながら謝るキャロラインを見て、クロークはさらに目を見開く。近くにいたレオは二人の様子を見て面白そうに微笑んでいた。
「……驚いたな。君は、本当にキャロラインなのか?キャロラインに化けた偽物なんじゃないのか」
「いえ、残念ながら正真正銘、キャロラインです」
キャロラインが申し訳なさそうにそう言うと、クロークは顎に手を添えて少し考え事をしてから、キャロラインをジッと見つめて口を開く。
「名前は?」
「えっ、キャロライン・レギウスです」
「年齢と誕生日は」
「二十二歳、十月三日です」
「兄弟姉妹は?」
「兄と弟が一人ずついます」
「俺と初めて顔合わせをした日、俺に何と言った?」
クロークの質問にキャロラインはハッとするが、クロークは真顔のままキャロラインを見つめている。
「……あなたのような呪われた男と結婚なんて認めない。いつか必ず離縁してやるから、それまで一切関わらないで、それから絶対に触れないで、穢らわしい」
最後の質問に答えると、キャロラインは神妙な面持ちで目を伏せる。
(本当に、最低すぎるわ)
自分の口から発した言葉だということは自覚している。たとえ頭を打つ前の自分だとしても、自分であることには変わりない。目の前の人間に、ここまで酷いことを平気で、しかも罵るように言ったのだ。
「間違いなく本人のようだな」
「……あんな最低なことを言って、本当に申し訳ありませんでした。クローク様が、私に対して嫌悪するのも、酷い対応をなさるのも、当然ですね」
(お茶をわざとこぼされた時、酷いと思った。でも、最初に酷いことをしていたのは私の方。自分の行いが自分に返ってきていただけだった)
胸が苦しい。クロークだけじゃない、今まで出会ってきた多くの人たちに、失礼で酷いことを平気でしてきた。
どうして自分はそこまで酷いことを平気でできたんだろうか。自分のことなのに信じられないほど胸が痛くてたまらないが、そう思ったところで、言動は撤回出来るものではない。キャロラインは悲痛な面持ちで料理を見つめる。
「いや、今の君からの謝罪は受け取っておこう。俺も、酷い対応をした。すまなかった」
クロークの言葉にキャロラインが思わず顔を上げると、クロークのオッドアイと目が合う。あのクロークが、自分に謝罪をしてくれた。やっぱり、小説の中のようにクロークは良いところもあるのだ。宝石のようにキラキラと輝く琥珀色と翡翠色のオッドアイが、キャロラインを射抜いていた。その宝石のような輝きに思わずキャロラインは息を呑む。
「綺麗……!」
「は?」
クロークが眉を顰めて疑問を口にすると、キャロラインはしまった!と言わんばかりの顔になり両手で口元を覆う。
「いえ、あの、申し訳ありません。クローク様の瞳が宝石のようであまりに綺麗だったので」
「綺麗?俺の瞳が?」
「はい、とてもお美しいです!」
見るからに裏表がないという表情でキャロラインは笑顔で言う。その屈託のない表情にクロークはさらに顔を顰めた。レオは主を誉められた嬉しさのあまり笑みが溢れてしまいそうになるが、溢れないように必死で耐えている。
「呪われた瞳が美しいわけないだろう」
「いえ、でも本当に美しいと思ったので。思うのは、私の自由ですよね?」
クロークの言葉に首を傾げてそう言うキャロラインを見て、クロークは目を細めてから静かにため息をつく。
「勝手にすればいい。ほら、料理が冷めてしまうぞ」
「あ、はい」
そうして、キャロラインとクロークはまた料理を食べ始めた。
◆
夕食が終わり、キャロラインは自室に戻って寝る支度を済ませた。頭を打つ前のキャロラインがクロークを全面的に拒否していたので、寝室はもちろん別だ。
(食事は滞りなく無事に終わったけれど、これからクローク様は私のことを観察するのよね)
キャロラインがどう変わったのか観察すると宣言したクロークを思い出して、キャロラインはうーんと唸る。観察するとは言っていたが、どうするつもりだろう。それに、クロークがヒロインと出会う前に、クロークともっと距離を縮める必要がある。だが、観察される身である以上、それで距離が縮まるとは到底思えない。
(なんだかうまく出来る気がしない、自信がなくなってきちゃったな)
ベッドに座りながら枕をぎゅっと抱きしめていると、コンコン、と扉をノックする音がする。
「はい?」
「俺だ。入るぞ」
「へ?あ、はい!」
(クローク様!?こんな遅い時間にどうして?)
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「気にしなくていい。そのままで」
「……はい」
言われたままにベッドの端へ座り直すと、クロークはキャロラインのすぐ隣に腰を下ろした。キャロラインとは肩が触れ合いそうなほどの距離だ。
(う、近い……!)
「もう寝る支度を済ませていたんだな」
「あっ、はしたない格好ですみません」
サラサラの生地にレースがあしらわれたふんわりとしたネグリジェ姿に、恥ずかしくなってしまう。
「いや、別に気にしなくていい」
そう言って、クロークは真顔でキャロラインの頬へ手を伸ばした。
(え?ええ?)
クロークの手が頬に静かに触れる。キャロラインはびっくりして両目をぎゅっと瞑ると、クロークから静かなため息が聞こえた。
「嫌がらないんだな。穢らわしいから触れるなと言っていたのに」
思わずキャロラインは目を開けてクロークを見ると、クロークのオッドアイの瞳が部屋の中の光に照らされてキラキラと光っている。
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「あまりに違いすぎてどうしていいかわからなくなるな。それよりも、夫婦といえどお互いに嫌い合っていた相手だ。そんなに簡単に気を許すべきじゃない。夜も遅く、君はそんな格好だ。もっと警戒心を持った方がいい」
「……え?」
言われた意味を考えてキャロラインは思わず赤面する。そんなキャロラインを見てクロークは目を細め、静かにその場から立つと、扉へ向かった。部屋から出る直前、振り返ってクロークは口を開く。
「早く寝るといい。おやすみ」
「おやすみなさい……」
(ど、どういうこと!?これも観察の一つなの?)
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