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12 お出掛け先に驚きました
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リオンに二人で出かけようと言われた数日後。リオンとエミリアは二人で屋敷近くの森に来ていた。
(まあ、さすがに最初から街に出かける、みたいなことはないとは思ってたけど)
まさか、森の中を散歩することがおでかけだとは思わなかった。エミリアはそっと横を歩くリオンを見る。リオンはエミリアの手を握って歩いていた。もう片方の手には、ピクニック用のバスケットを持っている。
(散歩は嫌いじゃないし、こうやって自然の中を歩くのもたまには気持ちいいわね)
深呼吸すると木々のいい香りが鼻の奥底から肺へ流れ込んでいく。清々しい空気が体の中に行き渡るようで、エミリアはなんとなく嬉しくなった。周囲からは小鳥たちの楽しそうな囀りが聞こえ、木の上を見上げるとリスが胡桃を持ってこちらを眺めている。木漏れ日が差し込んで、あちこちにできている日向と日陰のコントラストが美しく見えた。
「エミリア、もうすぐ到着だ」
リオンがそう言って、エミリアに微笑みかける。木々の間から差し込む光がリオンを照らして、リオンの美しい金色の瞳がキラリと輝いた。いつもは月のように澄んだ美しい瞳も、今は太陽の光に照らされていつもとは違った活き活きとした美しさだ。
リオンに連れられて歩みを進めると、突然ひらけた場所に出る。
「わあ……!」
目の前の光景に、エミリアは目を輝かせる。そこには、青色と白色の花が辺り一面に咲いていた。風が吹いて花びらが舞うと、白と青色の花びらが光に照らされて空に飛んでいく。花の良い香りがふんわりと鼻先をくすぐる。
(まるで妖精がいるみたい)
頬を赤らめて目の前の光景にうっとりしているエミリアを見て、リオンは嬉しそうに微笑んでいた。
「カイルに、エミリアは花が好きだと聞いていたから、この景色を見せたいと思って。この景色は、今の時期しか見れないんだ。見せることができてよかった」
(お兄様に?お兄様ったら、いつの間にそんなことリオン様に教えていたのかしら)
「ありがとうございます、すごく綺麗です!」
エミリアが嬉しそうに微笑むと、リオンは目を見開いて胸を押さえる。
「リオン様?」
「う、いや、なんでもない。君の笑顔を見たら胸がドンッと大きく鳴って驚いただけだ」
「え?だ、大丈夫ですか?」
「問題ない、大丈夫だから」
そう言って、リオンはエミリアの手を引いて花畑の中を歩いていく。次第に、自分の周りが花だらけでエミリアは自分が今どこにいるのかわからないような、不思議な錯覚を覚えた。少しだけ不安になってリオンの手をぎゅっと掴むと、リオンは振り返ってからエミリアの隣に並んで、手を握り返す。そして、エミリアを見つめ少し微笑んだ。そんなリオンの顔を見て、エミリアはなぜか不安が消えていくのを感じる。
(不思議だわ、リオン様が手を繋いで私を見てくれているだけなのに、こんなにも安心するなんて)
昨日、エミリアに蹴られて興奮していた男と同一人物とは思えないほどだ。リオンはエミリアの手を握りながらエミリアの歩幅に合せてまた歩き出した。歩いていると突然花畑がなくなり、少しだけ地面が見える場所がある。
「ここで休憩しよう」
リオンは指をパチン、と鳴らすと魔法で地面にポンとシートが現れた。リオンがエミリアをシートの上に座らせると、持っていたバスケットからクッキー、やビスケット、プチケーキや水筒などを並べてからエミリアの隣に座った。目の前には、花畑が広がっている。
「特等席ですね」
エミリアが嬉しそうに言いながら花畑に見惚れていると、リオンはエミリアの横顔を見ながら目を細める。
「ここは、小さい頃に家族でよく来ていた場所なんだ。小さい頃の俺は、この景色を綺麗だともなんとも思わなかった。ただ花がたくさん咲いている、それだけだと思ったんだ。そして、そんな俺を、家族の誰もが不思議がっていた」
ぽつりぽつりと話始めるリオンを、エミリアはジッと見つめる。『不屈の身体』のギフトを持つことで、痛みも恐怖も感じないうえに、それ以外の感動するといった感情も鈍らせてしまっていたようだ。
(感覚が伴わないことで、心が動くと言うことも少なかったと言う事なのかしら)
一概にこうだとは言えないことだろう。きっと、本当のことはリオンにしかわからないことだ。それでも、エミリアはリオンについてもっと知りたい、わかりたいと思った。
「いつの間にか、俺だけがここに連れて来られなくなった。この景色を見てなんの感情も持たない子供を連れて来ないのはとうぜんだろうな」
フッと自嘲的に微笑みながらリオンは目を伏せる。それから、顔をあげてエミリアを見つめた。
「でも、今は違う。君と一緒にこの景色を見て、初めて美しいと思った。君と一緒にいると、こんなにも心が動いてしまう。俺の心が、感情がちゃんとあるんだと気づかせてくれる」
リオンはそう言って、エミリアの頬にそっと手を添えて優しく撫でる。
「蹴ったり殴ったり剣を交えたりしなくても、俺の心臓は、心は、こんなにも激しく動くんだ。もっと早くきづくべきだったな。でも、気づかせてくれてありがとう、エミリア」
「リオン様……」
リオンは愛おしそうにエミリアを見つめながら顔を近づける。そして、そっとエミリアの額に自分の額をつけ、そっと微笑む。エミリアが顔を赤くしながらリオンの瞳を見つめると、リオンはエミリアの唇に自分の唇を重ねた。
(まあ、さすがに最初から街に出かける、みたいなことはないとは思ってたけど)
まさか、森の中を散歩することがおでかけだとは思わなかった。エミリアはそっと横を歩くリオンを見る。リオンはエミリアの手を握って歩いていた。もう片方の手には、ピクニック用のバスケットを持っている。
(散歩は嫌いじゃないし、こうやって自然の中を歩くのもたまには気持ちいいわね)
深呼吸すると木々のいい香りが鼻の奥底から肺へ流れ込んでいく。清々しい空気が体の中に行き渡るようで、エミリアはなんとなく嬉しくなった。周囲からは小鳥たちの楽しそうな囀りが聞こえ、木の上を見上げるとリスが胡桃を持ってこちらを眺めている。木漏れ日が差し込んで、あちこちにできている日向と日陰のコントラストが美しく見えた。
「エミリア、もうすぐ到着だ」
リオンがそう言って、エミリアに微笑みかける。木々の間から差し込む光がリオンを照らして、リオンの美しい金色の瞳がキラリと輝いた。いつもは月のように澄んだ美しい瞳も、今は太陽の光に照らされていつもとは違った活き活きとした美しさだ。
リオンに連れられて歩みを進めると、突然ひらけた場所に出る。
「わあ……!」
目の前の光景に、エミリアは目を輝かせる。そこには、青色と白色の花が辺り一面に咲いていた。風が吹いて花びらが舞うと、白と青色の花びらが光に照らされて空に飛んでいく。花の良い香りがふんわりと鼻先をくすぐる。
(まるで妖精がいるみたい)
頬を赤らめて目の前の光景にうっとりしているエミリアを見て、リオンは嬉しそうに微笑んでいた。
「カイルに、エミリアは花が好きだと聞いていたから、この景色を見せたいと思って。この景色は、今の時期しか見れないんだ。見せることができてよかった」
(お兄様に?お兄様ったら、いつの間にそんなことリオン様に教えていたのかしら)
「ありがとうございます、すごく綺麗です!」
エミリアが嬉しそうに微笑むと、リオンは目を見開いて胸を押さえる。
「リオン様?」
「う、いや、なんでもない。君の笑顔を見たら胸がドンッと大きく鳴って驚いただけだ」
「え?だ、大丈夫ですか?」
「問題ない、大丈夫だから」
そう言って、リオンはエミリアの手を引いて花畑の中を歩いていく。次第に、自分の周りが花だらけでエミリアは自分が今どこにいるのかわからないような、不思議な錯覚を覚えた。少しだけ不安になってリオンの手をぎゅっと掴むと、リオンは振り返ってからエミリアの隣に並んで、手を握り返す。そして、エミリアを見つめ少し微笑んだ。そんなリオンの顔を見て、エミリアはなぜか不安が消えていくのを感じる。
(不思議だわ、リオン様が手を繋いで私を見てくれているだけなのに、こんなにも安心するなんて)
昨日、エミリアに蹴られて興奮していた男と同一人物とは思えないほどだ。リオンはエミリアの手を握りながらエミリアの歩幅に合せてまた歩き出した。歩いていると突然花畑がなくなり、少しだけ地面が見える場所がある。
「ここで休憩しよう」
リオンは指をパチン、と鳴らすと魔法で地面にポンとシートが現れた。リオンがエミリアをシートの上に座らせると、持っていたバスケットからクッキー、やビスケット、プチケーキや水筒などを並べてからエミリアの隣に座った。目の前には、花畑が広がっている。
「特等席ですね」
エミリアが嬉しそうに言いながら花畑に見惚れていると、リオンはエミリアの横顔を見ながら目を細める。
「ここは、小さい頃に家族でよく来ていた場所なんだ。小さい頃の俺は、この景色を綺麗だともなんとも思わなかった。ただ花がたくさん咲いている、それだけだと思ったんだ。そして、そんな俺を、家族の誰もが不思議がっていた」
ぽつりぽつりと話始めるリオンを、エミリアはジッと見つめる。『不屈の身体』のギフトを持つことで、痛みも恐怖も感じないうえに、それ以外の感動するといった感情も鈍らせてしまっていたようだ。
(感覚が伴わないことで、心が動くと言うことも少なかったと言う事なのかしら)
一概にこうだとは言えないことだろう。きっと、本当のことはリオンにしかわからないことだ。それでも、エミリアはリオンについてもっと知りたい、わかりたいと思った。
「いつの間にか、俺だけがここに連れて来られなくなった。この景色を見てなんの感情も持たない子供を連れて来ないのはとうぜんだろうな」
フッと自嘲的に微笑みながらリオンは目を伏せる。それから、顔をあげてエミリアを見つめた。
「でも、今は違う。君と一緒にこの景色を見て、初めて美しいと思った。君と一緒にいると、こんなにも心が動いてしまう。俺の心が、感情がちゃんとあるんだと気づかせてくれる」
リオンはそう言って、エミリアの頬にそっと手を添えて優しく撫でる。
「蹴ったり殴ったり剣を交えたりしなくても、俺の心臓は、心は、こんなにも激しく動くんだ。もっと早くきづくべきだったな。でも、気づかせてくれてありがとう、エミリア」
「リオン様……」
リオンは愛おしそうにエミリアを見つめながら顔を近づける。そして、そっとエミリアの額に自分の額をつけ、そっと微笑む。エミリアが顔を赤くしながらリオンの瞳を見つめると、リオンはエミリアの唇に自分の唇を重ねた。
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