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04 からかいと嫉妬
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平日の昼下がり。
資料室の高い本棚の前で、ヒルダは研究書のページを静かにめくっていた。
ドミニクスの研究──それは、魔術師の助力を必要とせず、悪天候や劣悪な環境下でも人々に暖を届けるための新型装置である。最終的な目標は、小さな村や、王都の一街区をまるごと温められるほどの規模を実現すること。
基礎理論はすでに固まり、室内用の小型炉の試作も形になりつつある。
ただ、長時間稼働には課題が多く、彼はなお解決の糸口を探していた。
「今の問題は……このあたり、ね」
足場に上がり、背伸びして一冊を引き抜く。
内容を確かめていると、背後から朗らかな声が届いた。
「やっぱりここか。よう、ヒルダ」
振り返ると、屈託のない笑みで手を上げる男がいる。
「ロバート」
ロバート・ディセル。
ヒルダの同期で、助手見習いから昇格した研究員だ。
暇があれば筋トレや実験、フィールドワークに打ち込むストイックな男。
研究員には珍しい筋肉質で、制服がなければ騎士と見まがう体格をしている。
「しばらくぶりね。半年ぶりくらい?」
「いや、もっとだ。……八ヶ月だったか」
「そんなに? どこに行ってたの」
「クルーム地方だな。魔力鉱脈の調査と、付随する環境実験に関わってた」
足場から降りたヒルダに歩み寄り、ロバートが抱えた本の表紙をちらりと覗く。
「ほう、例の“暖房装置”か。もう試作まで進んだのか?」
「ええ。まだ安定はしないけれど」
機密に触れない範囲で現状をかいつまんで伝えると、ロバートはふんふんと頷き、顎に手を当てて目を細めた。
「三年でここまで形にしたのか。……すげえな。並の研究者なら、理論の段階で止まってる」
「……そうかしら」
短い返事のあと、口元に小さな笑みが浮かぶ。
ドミニクスと積み重ねた三年が、確かに評価された気がして、胸の奥が温かくなる。
「しかしまあ……お前さん、最近とくに大変そうだな。噂になってる」
「……え? 何が」
「塔の連中がニヤニヤしてる。『天才魔術師様は助手がお気に入りで、夜まで一緒らしい』ってな」
「なっ……! ちょ、ちょっと……何言ってるの!」
不意の言葉に、ヒルダは思わず声を上ずらせた。
頬に熱がのぼるのを誤魔化すように、つい大きな声が出る。
直後、入口のほうからわざとらしい咳払い。
はっと見ると、司書らしき年配の研究員が腕を組み、鋭い視線をよこしている。
「……資料室よ。大きな声出させないで」
たしなめると、ロバートは肩をすくめた。
ヒルダは苦々しく視線を逸らす。
「……私たちは、ロバートの想像しているような関係じゃない。彼、今までまともに食事を摂ってこなかったみたいで。だから、食堂のことを教えたついでに一緒に食べているだけ」
「ふうん?」ロバートが片眉を上げる。
「でもよ、あのグランツ様が自分からそんなこと話すって、俺には信じられねえけどな」
実際には、ドミニクスが自ら打ち明けたわけではない。
あの夜の騒動で、偶然に彼の体の状態を知ってしまい──ヒルダから申し出たのだ。
「ま、助手になったばかりの頃は相手にもされてなかったしな。それに比べりゃ、今は楽しそうで何よりだ」
「……そうね」
小声でやり取りを続けながら資料を集めるうち、抱えた本はずっしりと重くなった。「筋トレ代わりに持ってやる」と手を差し出されたので、素直に甘えることにする。
研究室に戻る。
両手の空いたヒルダが先に扉を開けると、中にいたドミニクスの表情がぱっと明るくなった。だが、後ろから促されて入室したロバートの姿を見た途端、その笑みは硬くなる。
ヒルダはその変化に気づかないまま、資料の置き場所を指示した。
本を机に下ろしたロバートへ礼を述べる間、ドミニクスは半ば睨むように視線を向け続ける。
ヒルダとどういう関係か、値踏みするような目だ。
それに気づいたロバートが、面白そうに目を細めて呟く。
「なるほどな」
「何が?」と首を傾げるヒルダに、彼はわざとらしく屈み、耳元で囁いた。
「いや、めちゃくちゃ愛されてるなって。……噂、あながち間違いじゃなかったみたいだ。ま、頑張れよ」
「ばっ……かじゃないの!?」
真っ赤になったヒルダは反射的にロバートの腕を叩き、勢いのまま廊下へ押し出した。
「照れるなって! じゃあな!」という笑い声が遠ざかる。
扉をぴしゃりと閉め、ヒルダは深く息を吐いた。
「……もう」
頬が熱を帯びている。
火照った顔をぱたぱたと手で仰ぎ、気持ちを整えて振り返ると──視線の先で、ドミニクスがショックを受けたように固まっていた。
「っ、すみません。うるさくしてしま──」
最後まで言えなかった。カツカツと床を踏み鳴らすように、ドミニクスが一気に間合いを詰めてきたからだ。
「グランツ、さま……?」
伸ばされた手が、ヒルダの頬へ。
「……今、あの男から……」
掠れた声。
ヒルダは瞬きを重ねた。
「っ、ああ、ロバートですか」
名を口にした途端、ドミニクスの瞳が大きく開く。次の瞬間、ローブの袖が頬に押し当てられた。厚手の布が肌をこすり、ごしごしと乱暴に擦られる。
何が起きているのか理解が追いつかない。顔を覆われたまま、ヒルダは目を白黒させた。
「んんーっ!?」という声が漏れる。
「頬に……口づけを、されていた」
「!? 何を仰るのですか! そんな事、されてません!」
「……えっ」
至近距離のまま、言葉がぶつかる。
「っ、そうだ! 顔が! 頬に! 触れていたではないか!」
「はあ!? あ、あれは耳打ちされただけです!」
「……!」
さあっと血の気が引き、ドミニクスはその場にずるりと腰を落とした。くしゃりと歪むローブ。余裕のない心が、そのまま形になっている。
「だが……助手は頬を染めて、いただろう……」
「赤くなったのは……へ、変なことを言われて恥ずかしかったからです。彼とは本当に、そういう仲ではありません」
きっぱりした声に、ドミニクスの喉が小さく鳴る。ゆっくり息を吐き、両手で顔を覆った。その仕草には、恥じらいと、わずかな安堵が混じっていた。
「……そう、か。……すまなかった。私の、早とちりで……」
ヒルダは立ち尽くし、目の前の青年を見つめる。耳まで真っ赤にして固まっている姿に、胸の奥がきゅっと締めつけられた。
「……本当に。勘違いも甚だしいですよ、グランツ様」
そう言いながら、口元が緩む。
小さな笑みに気づいたのか、指の隙間から上目遣いがのぞく。
「……笑っているな」
「ええ。可笑しくて」
「馬鹿に、しているのか」
「いいえ。ただ──」
一拍置き、ヒルダは膝を折って視線を合わせた。
息づかいが近づく。
「それくらい早とちりするほど、私を気にかけてくださっているのかと思うと。……可愛い方だなって」
「っ……! か、かわ……っ!?」
ぼん、と音が立ちそうな勢いで真っ赤になる。
ドミニクスは慌てて顔を背けた。
「……ヒルダが、口づけは恋人同士がするものだと、あの日。だから、私はてっきり……二人がそうなのだと」
いつもなら「助手」と呼ぶはずの口から、自然に名前が落ちた。今のヒルダに、それを正す気はない。
「ふふ、確かに言いましたね」
「ま、また笑って……!」
「すみません」
勢いよく立ち上がり、彼は背を向ける。
耳まで赤いまま、声だけは強い。
「け、研究に戻るぞ! 誰かのせいで中断してしまったのだから、残業が嫌であればキビキビ働くように」
「はい、そうします。そういえば資料を持ってきたんです。……誰かが驚かせるから、すっかり忘れていましたけれど」
「くっ……!」
悔しげな顔のまま、資料の山を見た瞬間、瞳がぱっと輝く。
短く礼を言い、腕に軽い強化魔術を施し、書類をいとも簡単に机へと運んでしまった。
さっきまで赤面して取り乱していたのに、資料を手にした途端、もう“天才の顔”。
その切り替えの速さに、ヒルダは小さく笑う。
きっとこの先も、彼は天才で、不器用で──そして自分を振り回すのだろう。
それでも、そんな未来を楽しみにしている自分に気づく。
彼に悟られないように表情を引き締め、ヒルダは研究机の脇で茶の支度を始めた。
資料室の高い本棚の前で、ヒルダは研究書のページを静かにめくっていた。
ドミニクスの研究──それは、魔術師の助力を必要とせず、悪天候や劣悪な環境下でも人々に暖を届けるための新型装置である。最終的な目標は、小さな村や、王都の一街区をまるごと温められるほどの規模を実現すること。
基礎理論はすでに固まり、室内用の小型炉の試作も形になりつつある。
ただ、長時間稼働には課題が多く、彼はなお解決の糸口を探していた。
「今の問題は……このあたり、ね」
足場に上がり、背伸びして一冊を引き抜く。
内容を確かめていると、背後から朗らかな声が届いた。
「やっぱりここか。よう、ヒルダ」
振り返ると、屈託のない笑みで手を上げる男がいる。
「ロバート」
ロバート・ディセル。
ヒルダの同期で、助手見習いから昇格した研究員だ。
暇があれば筋トレや実験、フィールドワークに打ち込むストイックな男。
研究員には珍しい筋肉質で、制服がなければ騎士と見まがう体格をしている。
「しばらくぶりね。半年ぶりくらい?」
「いや、もっとだ。……八ヶ月だったか」
「そんなに? どこに行ってたの」
「クルーム地方だな。魔力鉱脈の調査と、付随する環境実験に関わってた」
足場から降りたヒルダに歩み寄り、ロバートが抱えた本の表紙をちらりと覗く。
「ほう、例の“暖房装置”か。もう試作まで進んだのか?」
「ええ。まだ安定はしないけれど」
機密に触れない範囲で現状をかいつまんで伝えると、ロバートはふんふんと頷き、顎に手を当てて目を細めた。
「三年でここまで形にしたのか。……すげえな。並の研究者なら、理論の段階で止まってる」
「……そうかしら」
短い返事のあと、口元に小さな笑みが浮かぶ。
ドミニクスと積み重ねた三年が、確かに評価された気がして、胸の奥が温かくなる。
「しかしまあ……お前さん、最近とくに大変そうだな。噂になってる」
「……え? 何が」
「塔の連中がニヤニヤしてる。『天才魔術師様は助手がお気に入りで、夜まで一緒らしい』ってな」
「なっ……! ちょ、ちょっと……何言ってるの!」
不意の言葉に、ヒルダは思わず声を上ずらせた。
頬に熱がのぼるのを誤魔化すように、つい大きな声が出る。
直後、入口のほうからわざとらしい咳払い。
はっと見ると、司書らしき年配の研究員が腕を組み、鋭い視線をよこしている。
「……資料室よ。大きな声出させないで」
たしなめると、ロバートは肩をすくめた。
ヒルダは苦々しく視線を逸らす。
「……私たちは、ロバートの想像しているような関係じゃない。彼、今までまともに食事を摂ってこなかったみたいで。だから、食堂のことを教えたついでに一緒に食べているだけ」
「ふうん?」ロバートが片眉を上げる。
「でもよ、あのグランツ様が自分からそんなこと話すって、俺には信じられねえけどな」
実際には、ドミニクスが自ら打ち明けたわけではない。
あの夜の騒動で、偶然に彼の体の状態を知ってしまい──ヒルダから申し出たのだ。
「ま、助手になったばかりの頃は相手にもされてなかったしな。それに比べりゃ、今は楽しそうで何よりだ」
「……そうね」
小声でやり取りを続けながら資料を集めるうち、抱えた本はずっしりと重くなった。「筋トレ代わりに持ってやる」と手を差し出されたので、素直に甘えることにする。
研究室に戻る。
両手の空いたヒルダが先に扉を開けると、中にいたドミニクスの表情がぱっと明るくなった。だが、後ろから促されて入室したロバートの姿を見た途端、その笑みは硬くなる。
ヒルダはその変化に気づかないまま、資料の置き場所を指示した。
本を机に下ろしたロバートへ礼を述べる間、ドミニクスは半ば睨むように視線を向け続ける。
ヒルダとどういう関係か、値踏みするような目だ。
それに気づいたロバートが、面白そうに目を細めて呟く。
「なるほどな」
「何が?」と首を傾げるヒルダに、彼はわざとらしく屈み、耳元で囁いた。
「いや、めちゃくちゃ愛されてるなって。……噂、あながち間違いじゃなかったみたいだ。ま、頑張れよ」
「ばっ……かじゃないの!?」
真っ赤になったヒルダは反射的にロバートの腕を叩き、勢いのまま廊下へ押し出した。
「照れるなって! じゃあな!」という笑い声が遠ざかる。
扉をぴしゃりと閉め、ヒルダは深く息を吐いた。
「……もう」
頬が熱を帯びている。
火照った顔をぱたぱたと手で仰ぎ、気持ちを整えて振り返ると──視線の先で、ドミニクスがショックを受けたように固まっていた。
「っ、すみません。うるさくしてしま──」
最後まで言えなかった。カツカツと床を踏み鳴らすように、ドミニクスが一気に間合いを詰めてきたからだ。
「グランツ、さま……?」
伸ばされた手が、ヒルダの頬へ。
「……今、あの男から……」
掠れた声。
ヒルダは瞬きを重ねた。
「っ、ああ、ロバートですか」
名を口にした途端、ドミニクスの瞳が大きく開く。次の瞬間、ローブの袖が頬に押し当てられた。厚手の布が肌をこすり、ごしごしと乱暴に擦られる。
何が起きているのか理解が追いつかない。顔を覆われたまま、ヒルダは目を白黒させた。
「んんーっ!?」という声が漏れる。
「頬に……口づけを、されていた」
「!? 何を仰るのですか! そんな事、されてません!」
「……えっ」
至近距離のまま、言葉がぶつかる。
「っ、そうだ! 顔が! 頬に! 触れていたではないか!」
「はあ!? あ、あれは耳打ちされただけです!」
「……!」
さあっと血の気が引き、ドミニクスはその場にずるりと腰を落とした。くしゃりと歪むローブ。余裕のない心が、そのまま形になっている。
「だが……助手は頬を染めて、いただろう……」
「赤くなったのは……へ、変なことを言われて恥ずかしかったからです。彼とは本当に、そういう仲ではありません」
きっぱりした声に、ドミニクスの喉が小さく鳴る。ゆっくり息を吐き、両手で顔を覆った。その仕草には、恥じらいと、わずかな安堵が混じっていた。
「……そう、か。……すまなかった。私の、早とちりで……」
ヒルダは立ち尽くし、目の前の青年を見つめる。耳まで真っ赤にして固まっている姿に、胸の奥がきゅっと締めつけられた。
「……本当に。勘違いも甚だしいですよ、グランツ様」
そう言いながら、口元が緩む。
小さな笑みに気づいたのか、指の隙間から上目遣いがのぞく。
「……笑っているな」
「ええ。可笑しくて」
「馬鹿に、しているのか」
「いいえ。ただ──」
一拍置き、ヒルダは膝を折って視線を合わせた。
息づかいが近づく。
「それくらい早とちりするほど、私を気にかけてくださっているのかと思うと。……可愛い方だなって」
「っ……! か、かわ……っ!?」
ぼん、と音が立ちそうな勢いで真っ赤になる。
ドミニクスは慌てて顔を背けた。
「……ヒルダが、口づけは恋人同士がするものだと、あの日。だから、私はてっきり……二人がそうなのだと」
いつもなら「助手」と呼ぶはずの口から、自然に名前が落ちた。今のヒルダに、それを正す気はない。
「ふふ、確かに言いましたね」
「ま、また笑って……!」
「すみません」
勢いよく立ち上がり、彼は背を向ける。
耳まで赤いまま、声だけは強い。
「け、研究に戻るぞ! 誰かのせいで中断してしまったのだから、残業が嫌であればキビキビ働くように」
「はい、そうします。そういえば資料を持ってきたんです。……誰かが驚かせるから、すっかり忘れていましたけれど」
「くっ……!」
悔しげな顔のまま、資料の山を見た瞬間、瞳がぱっと輝く。
短く礼を言い、腕に軽い強化魔術を施し、書類をいとも簡単に机へと運んでしまった。
さっきまで赤面して取り乱していたのに、資料を手にした途端、もう“天才の顔”。
その切り替えの速さに、ヒルダは小さく笑う。
きっとこの先も、彼は天才で、不器用で──そして自分を振り回すのだろう。
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