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35.フィナーレ
しおりを挟む「まぁ、この新作の色も最高ね!隣りの伯爵領でこの糸をつかって素敵な布を織って貰いましょう!」
「侯爵夫人様のお陰です!」
「ありがとうございます!」
侯爵夫人になって一年が経った。
特産の染物も、隣りの伯爵領と協力して更に拡大し侯爵領は更なる躍進を遂げている。
「フレミ…いや、侯爵夫人様、お身体を大切にしてくださいね」
そう言って私の身体を気遣うのは…
「お父…いえ、はい。ありがとうございます」
…父だ。
父は平民となった後、この染物工場で働いている。
貴族だった父にとって人の下で働く事は大変な事も多いだろう。
しかし今の父は、苦労しているのにも関わらず、侯爵の時よりも生き生きとしているように見える。
周りの人も、父の身分について薄々気づいているようだが触れずにいてくれているようだ。
そして…父が私の身体を心配する1つの理由は私が妊婦だからだ。
3ヶ月先には家族が増える。
と言う事で、今日で領地の視察は当分控える予定だ。
「侯爵夫人様、元気なお子を産んでくださいね~!」
皆に見送られて屋敷に戻る。
屋敷に入ると、私を見つけたラウル様が、私に駆け寄る。
「あぁフレミア!心配していたのですよ。大丈夫ですか?本当に無理はしないでくださいね!もう1人の身体じゃないのですから…」
そう言ってお腹をさするラウル様。
「あー!またフレミア様は身重な身体で視察へ行っていたのですね!ゆっくりしてなきゃダメじゃ無いですか!」
「そう言うリアーナだって同じじゃないの」
「あ、あはは、何だがじっとしていられなくって…」
そう言って頬を掻きながらリアーナが笑う。
そう、侍女のリアーナも妊娠して同じ時期に子どもが産まれる予定だ。
父親は……
「フレミア様、おかえりなさいませ。お身体を冷やさないように白湯を用意させましょう。ほらリアーナも朝から動き回って…少しは部屋で休め」
「ありがとう、オディロン」
「はーい。わかりましたよ~っ」
そう、オディロンだ。
リアーナはずっとオディロンが好きだったようだ。
オディロンもその気持ちに薄々気づいてオディロンもリアーナに惹かれていたものの、過去の事がありずっと応えられずにいた。
しかし1年前この屋敷に戻ってきて2人は想いを伝え合い少し歳の差はあるもの、2人はめでたく結婚した。
初めての出産はとても心配だが、リアーナと一緒ならとても心強い。
そして何よりもラウル様が傍にいる。
子どもが産まれたら母の墓前に報告へ行こう。
あなたが産まれて来てくれて嬉しいとたくさん伝えよう。
お腹をさすりながら
そんな事を思うのだった。
妹の婚約者の醜草騎士を押し付けられました。
fin.
これにて完結です。
お読み頂きありがとうございました!
正直に言うと、途中でペンを置いてしまいそうになった事が数回ありましたが、無事完結できてほっとしております。
そんな時、感想やお気に入り登録もとても励みになりました!返信が滞ってしまい申し訳ございません。
ありがとうございました!
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面白かったです。