(完結)妹の婚約者である醜草騎士を押し付けられました。

ちゃむふー

文字の大きさ
36 / 36

35.フィナーレ

しおりを挟む

「まぁ、この新作の色も最高ね!隣りの伯爵領でこの糸をつかって素敵な布を織って貰いましょう!」

「侯爵夫人様のお陰です!」
「ありがとうございます!」


侯爵夫人になって一年が経った。
特産の染物も、隣りの伯爵領と協力して更に拡大し侯爵領は更なる躍進を遂げている。



「フレミ…いや、侯爵夫人様、お身体を大切にしてくださいね」

そう言って私の身体を気遣うのは…

「お父…いえ、はい。ありがとうございます」

…父だ。
父は平民となった後、この染物工場で働いている。
貴族だった父にとって人の下で働く事は大変な事も多いだろう。
しかし今の父は、苦労しているのにも関わらず、侯爵の時よりも生き生きとしているように見える。


周りの人も、父の身分について薄々気づいているようだが触れずにいてくれているようだ。



そして…父が私の身体を心配する1つの理由は私が妊婦だからだ。

3ヶ月先には家族が増える。

と言う事で、今日で領地の視察は当分控える予定だ。


「侯爵夫人様、元気なお子を産んでくださいね~!」


皆に見送られて屋敷に戻る。


屋敷に入ると、私を見つけたラウル様が、私に駆け寄る。


「あぁフレミア!心配していたのですよ。大丈夫ですか?本当に無理はしないでくださいね!もう1人の身体じゃないのですから…」


そう言ってお腹をさするラウル様。


「あー!またフレミア様は身重な身体で視察へ行っていたのですね!ゆっくりしてなきゃダメじゃ無いですか!」

「そう言うリアーナだって同じじゃないの」

「あ、あはは、何だがじっとしていられなくって…」


そう言って頬を掻きながらリアーナが笑う。
そう、侍女のリアーナも妊娠して同じ時期に子どもが産まれる予定だ。


父親は……


「フレミア様、おかえりなさいませ。お身体を冷やさないように白湯を用意させましょう。ほらリアーナも朝から動き回って…少しは部屋で休め」

「ありがとう、オディロン」
「はーい。わかりましたよ~っ」


そう、オディロンだ。


リアーナはずっとオディロンが好きだったようだ。
オディロンもその気持ちに薄々気づいてオディロンもリアーナに惹かれていたものの、過去の事がありずっと応えられずにいた。
しかし1年前この屋敷に戻ってきて2人は想いを伝え合い少し歳の差はあるもの、2人はめでたく結婚した。


初めての出産はとても心配だが、リアーナと一緒ならとても心強い。





そして何よりもラウル様が傍にいる。






子どもが産まれたら母の墓前に報告へ行こう。

あなたが産まれて来てくれて嬉しいとたくさん伝えよう。



お腹をさすりながら
そんな事を思うのだった。
















妹の婚約者の醜草騎士を押し付けられました。

fin.












これにて完結です。

お読み頂きありがとうございました!
正直に言うと、途中でペンを置いてしまいそうになった事が数回ありましたが、無事完結できてほっとしております。

そんな時、感想やお気に入り登録もとても励みになりました!返信が滞ってしまい申し訳ございません。

ありがとうございました!







しおりを挟む
感想 195

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(195件)

knight
2025.05.04 knight

とても面白かったです!!
お父様、、良かった。

解除
かなあき
2024.12.27 かなあき

素敵なお話をありがとうございます。
主人公が幸せになれたのはもちろんでしたが、個人的にはお父様に良かったと思えました。お父様の様子を思い涙が出ました。ありがとうございました。

解除
こいぬ
2024.10.14 こいぬ

面白かったです。

解除

あなたにおすすめの小説

乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!

ユウ
恋愛
平凡な伯爵令嬢のリネットは優しい婚約者と妹と穏やかで幸福な日々を送っていた。 相手は公爵家の嫡男であり第一王子殿下の側近で覚えもめでたく社交界の憧れの漆黒の騎士と呼ばれる貴族令息だった。 結婚式前夜、婚約者の妹に会いに学園に向かったが、そこで事件が起きる。 現在学園で騒動を起こしている第二王子とその友人達に勘違いから暴行を受け階段から落ちてしまう… その時に前世の記憶を取り戻すのだった… 「悪役令嬢の兄の婚約者って…」 なんとも微妙なポジション。 しかも結婚前夜で傷物になる失態を犯してしまったリネットは婚約解消を望むのだが、悪役令嬢の義妹が王子に婚約破棄を突きつける事件に発展してしまう。

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています

由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、 悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。 王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。 だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、 冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。 再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。 広場で語られる真実。 そして、無自覚に人を惹きつけてしまう リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。 これは、 悪役令嬢として断罪された少女が、 「誰かの物語の脇役」ではなく、 自分自身の人生を取り戻す物語。 過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、 彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。

今、目の前で娘が婚約破棄されていますが、夫が盛大にブチ切れているようです

シアノ
恋愛
「アンナレーナ・エリアルト公爵令嬢、僕は君との婚約を破棄する!」  卒業パーティーで王太子ソルタンからそう告げられたのは──わたくしの娘!?  娘のアンナレーナはとてもいい子で、婚約破棄されるような非などないはずだ。  しかし、ソルタンの意味ありげな視線が、何故かわたくしに向けられていて……。  婚約破棄されている令嬢のお母様視点。  サクッと読める短編です。細かいことは気にしない人向け。  過激なざまぁ描写はありません。因果応報レベルです。

【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜

くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。 味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。 ――けれど、彼らは知らなかった。 彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。 すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、 復讐ではなく「関わらない」という選択。 だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。

両親から謝ることもできない娘と思われ、妹の邪魔する存在と決めつけられて養子となりましたが、必要のないもの全てを捨てて幸せになれました

珠宮さくら
恋愛
伯爵家に生まれたユルシュル・バシュラールは、妹の言うことばかりを信じる両親と妹のしていることで、最低最悪な婚約者と解消や破棄ができたと言われる日々を送っていた。 一見良いことのように思えることだが、実際は妹がしていることは褒められることではなかった。 更には自己中な幼なじみやその異母妹や王妃や側妃たちによって、ユルシュルは心労の尽きない日々を送っているというのにそれに気づいてくれる人は周りにいなかったことで、ユルシュルはいつ倒れてもおかしくない状態が続いていたのだが……。

【完結】記憶喪失の令嬢は無自覚のうちに周囲をタラシ込む。

ゆらゆらぎ
恋愛
王国の筆頭公爵家であるヴェルガム家の長女であるティアルーナは食事に混ぜられていた遅延性の毒に苦しめられ、生死を彷徨い…そして目覚めた時には何もかもをキレイさっぱり忘れていた。 毒によって記憶を失った令嬢が使用人や両親、婚約者や兄を無自覚のうちにタラシ込むお話です。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。