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第二候補
しおりを挟む朝から機嫌の良い姉、サーシャをチラチラと
盗み見てシャーロンは心の中でため息を吐いた
……素敵なお話だったのに
先日、王宮から使者が来て
ルイス殿下と姉の縁談が無くなった
何でもルイス殿下が
サーシャを椅子に縛り付けたら
城を壊されそうだと言ったとか
失礼しちゃうわ。
お姉様なら国だってちょちょいのちょいよ!
……まぁ、ぶっ飛ばされたら困るのだけど
姉は『やっぱり聡明な方だわ!ルイス殿下!』と喜んでいた
良い縁談だと思ったのにな……
縁談は来たが顔合わせすらせず
双方円満に流れてしまったけど
陛下の顔を潰した事とかにならないのかしら?
シャーロンは少し悩んでから
まぁ、父が良いと言うなら大丈夫なんだろう、と
切り替えた。
それにしても……
また、戦いに行くのかな
魔力が殆ど無い私は危険な場所に向かう姉を見送る度に部屋で祈ることしか出来ない
邸の中で父と母の部屋の次に広い私の部屋は
狭いと物が置けないという理由で姉が勝手に決めたのだ。
寂しいから2人で使おうと言ったけど
夜中に出ていく事もある姉が起こしたくないからと
部屋は別になった
姉の願いが私の幸せならば
私の願いもまた姉の幸せだ。
****
アルベル姉妹は社交界で有名だ。
おしどり姉妹と呼ばれていて
シャーロンが居るとサーシャの雰囲気が
柔らかくなる
優しいサーシャしか知らないシャーロンは
聞き流しているが
魔道士団でサーシャの後輩になったものは
鬼の如く鍛えられるのである
だが、故に彼女にアプローチする輩は
ろくなのがいない。
学園の休日
姉妹は揃って、ローレンス家の茶会に招かれていた。
「本日はお招き頂きありがとうございます」
姉の言葉にリリーの両親である伯爵夫妻が
「こちらこそ来て頂き光栄です。どうぞごゆっくりと楽しんで下さい」
「ええ。妹と楽しませて頂きますわ」
シャーロンが隣でニコニコと笑えば
伯爵夫妻も微笑み返してくれる
そうして、伯爵家自慢の庭園にリリーに
案内されて行けば
あっという間に姉がご令嬢達に囲まれた
だが、今日はどうも少ない
「リードン辺境伯家のダグラス様がいらしてるの」
リリーにそっと耳打ちされたシャーロンが
え?という表情になる
「父が仲が良くてね、私お招きしてるなんて知らなくて焦っちゃったわよ」
リードン辺境伯家のダグラス様といえば
王宮の第3騎士団長だ。
歳は確か25で
清潔感のある短い茶の髪と
爽やかな森のような緑の目を持っている方
未だ独身で令嬢達からの人気も高い
シャーロンがなぜ詳しいかと聞かれたら
ルイス殿下の次に姉に相応しい男と(勝手に)思っているからである
ただ、姉が遠くに行くのは寂しいし
辺境はやはり危険な領なので
第1候補はルイス殿下だった
「サーシャリア嬢」
シャーロンがハッと顔を上げると
姉、サーシャの前にダグラス・リードンが立っていた。
来たわ!!姉に群がる男といえば
弱っちい男が多かった
プライドをドブに捨てたのか守ってください!と
言わんばかりの弱そうな男達
私達家族は姉を守ってくれるような男性に
嫁がせたいのに何故こうもこの国の男はと
何度腹を立てたか解らない
けれど、騎士団長様なら
「ご機嫌よう、ダグラス騎士団長様」
「ご機嫌よう。君がドレスとは珍しいな」
いいわ、年上だし抱擁力もあるものね
「シャーロン、あの扇で顔を隠した方が良いわ」
興奮しているシャーロンにリリーが教えてくれて
シャーロンが慌てて顔を隠す
「騎士団長こそ珍しいのでは?とうとう
独り身がお寂しくなられたのですか?」
「 今日は用があってね、ちょっとゆっくり話さないか」
姉の毒舌を受け流したわ!!
流石!!
「妹も一緒で良ければ」
サーシャの言葉にシャーロンは
ブンブンとクビを横に振ると
隣に居るリリーの腕を掴んだ
「お姉様、私とリリーと大切なお話がありますの」
「まぁ……大切な?」
何となく圧を感じるけど気づかないフリをする
「……分かりました。騎士団長、私で良ければお相手よろしくお願いいたします」
「こちらこそ。行こうか。」
差し出された手に姉の手が重なると
2人はその場を離れていった
シャーロンはそれをしっかり見届けてから
リリーと共にその場を離れた。
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